仮面ライダーシリーズで視聴者の心をときめかせた女優たち。彼女たちは当時、どんな思いを胸にその役を演じ、そして今、どうしているのだろう。
12月7日(月)発売の『週刊プレイボーイ51号』では記念すべき第1作『仮面ライダー』から、現在放送中の『仮面ライダーセイバー』まで、長きにわたって『週刊プレイボーイ』が撮り続けてきた仮面ライダー歴代ヒロインたちの水着グラビアを一挙大公開!
仮面ライダー女優、3人が語る「あの頃」と「今」。初回の甲斐まり恵さんに続く第2回は、厳しい修行を積んだ"鬼"と呼ばれる音撃戦士たちが、人々を襲う魔化魍(まかもう)と戦う『仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』。作中で音撃戦士・威吹鬼(イブキ)の弟子・天美あきらを演じた秋山依里(あきやま・えり/当時は秋山奈々)が、当時を語った。
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■あきらの笑顔は私自身の笑顔です
――出演の経緯は?
秋山 もともとヒロインのオーディションを受けたんですけど、私が落ち着いていて、天真爛漫なキャラとは合わず不合格で。でも元は男のコだった役を私にあてて変えてくださったんです。決まったときはまさかと驚きましたね。連続ドラマのレギュラーは初めてでしたけど必死についていきました。
――ストイックで従順な弟子というキャラでしたけど、役作りで苦労したことは?
秋山 役を私にあててくださったということで、特になく伸び伸びと演じました。面白かったのは初登場のとき。冷たい態度を取るんですけど「三次元のツンデレは初めてだ!」って好評だったみたいで。自分では意識してなかったので驚きました(笑)。
『響鬼』は中盤、物語の様相がガラリと変わるんですけど、監督さんからは「あきらをわかってるのは奈々ちゃんだから好きにやりな」って言ってもらえましたね。
――あきらは"鬼"になることを目指していたものの、適性があるのかずっと悩み、挙句には鬼になることを断念するんですよね。
秋山 そうです。あきらがどんな思いでいたか考えると、演じながら本当につらくて。私自身、スタッフさんに心配されるほど、心を痛めました。
私もあきらと同じで、ひとりでため込むタイプなので隠しきれなかったみたいです(苦笑)。だから悩んだ末、鬼を諦める決意をしたあきらの吹っ切れた笑顔は、私自身の笑顔でもあるんです。
――一番好きなシーンは?
秋山 物語の中盤、師匠のイブキさんに、自分がもっとオープンな人になろうと思うと、打ち明ける場面です(第28話)。
――同世代の仲間ができて、それまで感情を出すのが苦手だったあきらの心境に変化が生まれるんですよね。で、それを聞いてうれしそうにするイブキが印象的でした。
秋山 師弟を超えたふたりの信頼関係が伝わってきますよね。だからイブキさんと決別するシーンで、あきらを引き留めるイブキさんに逆らうように言う「イヤです」というセリフは本当に躊躇(ちゅうちょ)しました。
あきらはイブキさんにそんな強い言い方は絶対しない。どうしたらその言葉を言ってもあきらでいられるのかなって悩みましたね。
――現場で仲が良かった方は?
秋山 今年亡くなった(芦名)星ちゃんは本当のお姉ちゃんみたいな存在でしたね。いつも一緒にいて家へも泊まりに行きました。湖へ飛び込むシーンで、水が苦手な私に星ちゃんが「やらなきゃ終わらないよ!」って厳しく背中を押してくれたのは忘れられません。
でも現場はいつも和やかで、主演の細川茂樹さんからカメラの写り方を教えていただいたり、皆さんすごく温かかったですね。
――当時15歳だった秋山さんも、今は2児の母です。
秋山 小学生の娘がふたりいて、『響鬼』を見ると、ママ探しが始まります(笑)。現在はコスプレイヤーとしても活動していて、去年はあきらのコスプレでコミケに行きました。30歳の制服姿は不安だったけど娘は「かわいい!」って異常にホメてくれましたね。
――女優業はいかがですか?
秋山 今は子供たちがもう少し大きくなるまで、ある程度制限させていただいてます。でもお芝居は好きなので、ぜひ再開したいです。まじめな役をいただくことが多かったので、ネジが外れたような自分にない成分が多めの役をやってみたいです。
●秋山依里(あきやま・えり)
1989年12月26日生まれ、東京都出身。血液型=A型 モデルやコスプレイヤーとして活動中。12月22日(火)~27日(日)開催の「戦う役者100人展」に参加