『M-1グランプリ2020』で優勝したお笑いコンビ・マヂカルラブリーが17日、NSC(吉本総合芸能学院)の講師として特別授業を開催。野田クリスタル村上のふたりは笑いを交えつつ、在校生からのさまざまな質問に答え、エールを送った。

M-1決勝では野田がほぼ話さないという衝撃の"漫才"で話題になったが、在校生から開始早々、ネタ作りに関する質問が。

「独特な芸風を続けてきた理由や自信」を問われた村上は「独特なネタをやろうと思ってできたわけでもないし、普通に作ってたらああなった」と回答。野田も「そっちの方が楽だからやっているだけで、隙間産業。それで勝ってしまえば『貫き通した』とか、(周囲が)勝手にいい方向に言ってくれる」と自身の置かれた状況を分析した。

また「2年目までに月収30万円を目指したい」という在校生に対しては「賞レースの決勝に進出しても届かないかも」(野田)と現実を諭しつつも、「空を飛ぶ芸人だったらテレビに出られる」(村上)、「M-1決勝の舞台上空でホバリングしてたら絶対に面白い」(野田)など、ぶっ飛んだキャラを推奨。

さらに破天荒キャラの野田に関しては、同期との関係に悩む在校生に「これからいろんな人に出会うと思うけど、必ずひとりくらい殺したいヤツが出てくる」と断言。そして「全NSC生に告ぐ! お笑いの向上心で切磋琢磨しようとしてもなんの意味もない。殺したいときに出る笑いが一番の笑い」だと過激な自論を熱弁した。

およそ45分の講義を終えたふたりは囲み取材へ。村上が「みんな真面目そう。やんちゃそうな人はいない。時代は変わった」と授業の感想を語ると、野田も「時代の変化を感じた。奥底に眠るヤバさがあるヤツが出てくる時代なんでしょう」と話した。

そして改めて報道陣から、M-1決勝ネタで湧きあがった"漫才論争"について聞かれると、村上は「結論は出なくてもいい。どっちか分からない状態でいい」と結論付け。野田は「漫才を作ろうと思って作れば漫才。コントと思って作ればコント。境界線はない。だからあのネタは漫才」と説明したうえで、「『漫才じゃない漫才グランプリ』を開きたい」と野望を明かした。

吉本興業では、1982年のNSC開校以来、ダウンタウンやナインティナインなど多くの人気芸人を育成。今年4月からはさまざまなクリエイティブやエンターテインメントが学べる「よしもとアカデミー」と「吉本興業高等学院」が開設される。