マヂカルラブリーの(左)野田クリスタル、1986年生まれ、神奈川県出身。『R-1ぐらんぷり2020』優勝。(右)村上、1984年生まれ、愛知県出身。本名は鈴木崇裕(すずきたかひろ)

センターマイクから遠く離れ、舞台上を縦横無尽に暴れ回って大爆笑をかっさらったマヂカルラブリー。賛否両論を呼ぶ芸風の野田クリスタル、その野田以上に変わっている(!?)村上をインタビューマン山下が直撃!

■野田クリスタルの背中の汚れ具合

――『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日)優勝おめでとうございます! 人生が変わるといわれていますが、実感はありますか?

野田 今のところ変わってますよね。普通にテレビに出まくってますから。

村上 これまでなら鼻息荒く、「やるぞ!」とか「何をしゃべろう?」とか考えたりするんですけど、今はもう何も考えずに現場から現場へとただ運ばれていくだけで(笑)。

――M-1翌日はいろんな番組でネタをやられていましたよね。「つり革」のネタでは、野田さんは床を転がりまくりますが、大変じゃなかったですか?

野田 あのネタはヤバいですよ。気を失いそうになりますからね。限界突破してるんで。

村上 寝ていないのもあって、よけいに(笑)。

野田 あのネタをチョイスしたのは間違いでしたね。M-1翌日もずっと同じ衣装でやってたんですけど、あのカッターシャツはM-1用に買った4、5000円するやつなんですよ。(「つり革」のネタをやりすぎて)「もう洗濯か」って感じでしたね。

――床に背中をつけて暴れ回りますからね(笑)。「どこのスタジオの床が一番汚いかが判明しそう」とツイートしてましたが、やっぱり背中は汚れましたか?

野田 背中はどうなんだろ?

村上 意外と汚れてないですね。ネタ終わりにスタッフさんが背中をはたいてくれましたし、おそらくネタ前にフロアをすごい掃除してくださってるので(笑)。

野田 スタッフさんが気を使ってくれて、「このスペースで足りますか?」って聞かれますから。

――そこを重点的に掃除してくれたのかもしれませんね(笑)。賞金の使い道はどうしますか?

村上 僕らは大宮ラクーンよしもと劇場によく出てるんですが、楽屋と舞台の仕切りの壁がめちゃくちゃ薄いんですよ。楽屋でちょっと騒ぐと舞台に声が聞こえちゃって。だから賞金を防音設備代に使うのもいいかもしれませんね。

野田 あの仕切りは厚紙をピーンと張ってるだけだと思います。

村上 さすがに紙よりは厚いよ(笑)。

――(笑)。佐賀牛1頭分という副賞もありましたね。

村上 え? どういう状態で来るんですか?

野田 1頭だから、でっかい串を刺して、あぶって食うしかないだろ。

――豚の丸焼きみたいな(笑)。

野田 そうです。回しながらあぶって、若手芸人に「食っていいぞ」って。

■村上の本名は「鈴木」

――コンビなのに劇場の出演料が違うというのは本当ですか?

村上 そうなんですよ。

――いつからですか?

野田 僕が『R-1ぐらんぷり』(関西テレビ・フジテレビ)で優勝してからです。社員さんから「野田さんのほうがギャラが高くなってるんですけど、村上さんに言ったほうがいいですか?」ってひっそりと耳打ちされました。「まぁまぁ、いつか言おう」ってことにしてたら、最近バレました。

村上 そんなことあります? 千鳥さんの番組の企画で急に言われたんですけど、「えー!」ってなりましたよ(笑)。野田のギャラがいくら上がったのか、怖くてまだ聞けてないですから。

――あと驚いたんですけど、「村上」は芸名なんですよね?

村上 本名は鈴木です。

――なんでですか?(笑)。鈴木から村上だと芸名というより偽名な感じがしますが。

村上 そうですね。先輩に名乗るときにちょっとだけ気まずいですね。「初めまして村上です」って、これ嘘ですから(笑)。

野田 その前は「斉藤」だったんですよ。

――どういうことですか?(笑)

村上 僕が斉藤っぽいということで。

野田 最初は「斉藤そっくり」って名前にしようかって言ってたんですけど、なんかめんどくさくなって「斉藤」にしたんです。でも村上が『東京大学物語』の主人公の村上が好きだから、「村上にしていい?」ってわけわからんこと言って。

村上 どうせなら好きな名字をつけたいですから。

■15歳で"てんぐ"

――野田さんは15歳のときに『学校へ行こう!』(TBS)のネタ大会で優勝したんですよね?

野田 はい。それで15歳にしててんぐになりました。電車で通学してるとき、帽子を深くかぶってグラサンかけて端っこにいました。

――もう売れてるじゃないですか(笑)。実際に声をかけられることは?

野田 ありました。『学校へ行こう!』って、当時、視聴率20%くらいあったと思うので。文化祭のときも「握手してください」とか言われて、そこから調子に乗って文化祭に行かなくなりました。

――握手を求められるのがいやだったんですか?

野田 それもめんどくさいし、俺はもうプロなので、「学祭に呼びたいなら金払えよ」っていうのがありましたね。

村上 『学校へ行こう!』は素人参加番組だから! 何がプロだよ!(笑)

――(笑)。でもその華やかな世界から一転、10代後半になると地下芸人のライブに出るようになったんですよね?

野田 今までテレビのバラエティ番組しか見てなかった子供が地下のお笑いを見て、「なんてカッコいいんだ」と思っちゃって。そこでしばらく活動してました。

――どんな人がいたんですか?

野田 「アルコ&ピース」を結成する前の平子(祐希)さんや酒井(健太)さん、あとゴー☆ジャスさんとかと一緒にやってました。

■『KOC』を獲って3冠王になったら......

――先月放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、村上さんは「どうせ最後死ぬと思ったらなんにもやりたくなくなる」と言ってましたが、健康診断も全然行ってないんですよね? 今回の優勝で考えは変わりましたか?

村上 これからはたくさんの方が関わってくるようになりますもんね。周りに迷惑をかけるわけにはいかないんで、軽めなやつに行きます。

――ガッツリのヤツに行ってくださいよ(笑)。野田さんも緑色のうんこが出るそうですが、体調は大丈夫ですか?

村上 それはコンビ両方ですね。

――コンビで緑?(笑)

野田 僕は極端な偏食になることがあって。栄養が偏って緑のうんこが出ることもあります。

村上 僕はお酒の飲みすぎで。

――(笑)。『キングオブコント』(TBS系)を獲(と)れば史上初の3冠達成。野田さんは「お笑い王になる」とも宣言していますが、意気込みは?

野田 もうそれを獲れば(芸人を)辞めれますもんね。

村上 なんで辞めないといけないんだよ(笑)。