『キングスマン:ファースト・エージェント』で主人公の吹き替えを担当する小澤征悦氏(左)に、角田陽一郎氏が聞く 『キングスマン:ファースト・エージェント』で主人公の吹き替えを担当する小澤征悦氏(左)に、角田陽一郎氏が聞く

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

前回に引き続き、8月20日(金)公開予定の『キングスマン:ファースト・エージェント』で主人公の吹き替えを担当する小澤征悦(おざわ・ゆきよし)さんが登場。

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――最近見て面白かった作品はありますか?

小澤 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)ですね。自分は『スラムダンク』とか『ドラゴンボール』とか、学生時代にずっとジャンプを読んでいた人間なんですけど、最初は『鬼滅』がはやっているって知らなくて、「面白そうだな」とアニメを見始めたら、あれよあれよという間にブームになっていって。「俺、はやりに乗っかってるのかな」ってちょっとうれしかったんですよ(笑)。

――主人公の吹き替えを担当されている『キングスマン:ファースト・エージェント』の話をお聞きしたいです。僕、1・2作目共に大好きなんですが、今回はどんな作品ですか?

小澤 キングスマンが誕生するまでを描いたお話で、いわゆるエピソードゼロ。時代は過去にさかのぼり、どうやってあの組織が出来上がったのかということが語られています。

――アクションシーンのカッコよさとコミカルな部分のバランスが最高ですよね。

小澤 そこはもちろん今回も健在です。パリッとした英国紳士でカッコよくておしゃれでスタイリッシュなのに、裏では秘密組織のキングスマンとして活躍している、という設定は本当に絶妙ですよね。

あと今作は時代背景が第1次世界大戦の頃で、本当にあった歴史上の事実を交えつつ描かれているのも特徴です。そういう歴史的事実の裏で、実はキングスマンが暗躍していたという、リアルとフィクションの融合を楽しめると思います。

――ラスプーチンとかも出てきますもんね。

小澤 そうなんですよ。歴史を知っている人はもちろん面白いはずですし、知らなくても楽しめる作品です。むしろリアルすぎて、勘違いするかもしれませんね。「キングスマンって本当にいたんだ」って。

――声優をやってみた感想は?

小澤 自分の芝居に後から声を足す、いわゆるアフレコの経験はあったんですけど、声優をさせてもらったのは今回が初めてでした。しかも主人公の役でやらせていただいて、ものすごくうれしかったんですけど緊張しましたね。

声を当てたキャラは年齢が僕より少し上なんですよ。なので、声のトーンを少し落とすように意識しました。英国紳士の落ち着きとか、裏で活躍するスパイ組織としての荒々しさみたいなところを出していけたらいいねって監督と話して。

吹き替えをやらせてもらって気づいたのは、声を当てた役者さんと同じタイミングで呼吸するとすごくうまく合うということ。どこで息を吸ってるのかとか、「ここはそのまま言ってるな」とか。まあだから、「吹き替えの呼吸」ですよね(笑)。

――きれいに落ちました(笑)。最後にどんな方に見てほしいですか?

小澤 幅広い層が楽しめる作品だと思います。カップルで行けば、彼氏は英国紳士のレディーファーストを学べるでしょうし、もちろん家族で行っても楽しめます。同性の友達同士でも盛り上がりますよ。

たぶん帰りに傘と杖を買うだろうし、自分で改造して杖を仕込み刀にしたくなると思います(笑)。誰でも楽しめるすごい大作になっています。

●小澤征悦(おざわ・ゆきよし)
1974年生まれ、アメリカ・カリフォルニア州出身。ボストン大学で演劇を学び、1998年のNHK大河『徳川慶喜』でドラマデビュー。その後、映画やテレビ、CMなど多岐にわたって活躍中

■『キングスマン:ファースト・エージェント』8月20日(金)より公開予定
 ©2020 20th Century Studios.All Rights Reserved.  配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2020 20th Century Studios.All Rights Reserved.  配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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