昨年末、女優としての新たなスタートをきった忍野さらが、『週刊プレイボーイ』の公式YouTubeチャンネル『デジタル写真集、本人が語って見た!』に登場した。
旬の女優やアイドルが、自身のデジタル写真集を撮影エピソードを織り交ぜながら解説するこのプログラム。忍野は最新作『光は今、どこにある。』について語っている。
このインタビューでは、動画に収録しきれなかったグラビアの制作秘話をはじめ、女優を目指した経緯や胸の内を聞いた。
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――『光は今、どこにある。』は、週プレに掲載されたグラビアのアザーカットで構成されたデジタル写真集です。この撮影では「女優らしいグラビア」にこだわったとか。
忍野 昨年11月に所属事務所を移籍して、本格的に女優を目指そうと決めました。これまでの"グラビアアイドル・忍野さら"ではなく、"女優・忍野さら"をイメージする見せ方ができないか。そんな想いを伝えて撮影してもらいました。
――撮影はどんな感じだったんですか?
忍野 それまでは表情もポーズも渾身のキメポーズであることが多かったのですが、今回はとにかくナチュラルに。メイクもほぼすっぴんで、体ごとカメラマンさんの世界観に飛び込んだ感じでしたね。
――なるほど。確かに一枚一枚、雰囲気があり、映画やドラマのワンシーンのようです。
忍野 あとは見る方にとっては些細なことかもしれないのですが、撮影スタッフはすべて初めましての方にお願いしました。ずっとグラビアをやってきたので、撮影時に知っている方がいないことは基本的にないのですが、おかげで新鮮な気持ちで臨めました。
――今回の動画ではお気に入りカットを3枚選んでいただきましたが、基準のようなものはあったんですか?
忍野 特にないです。直感で選びました。パッと見て心にひっかかったものというか。そうでもしないと選べないですよ。全部お気に入りなので(笑)。動画を見て何かを感じた方は、是非一冊丸ごと見ていただきたいです。本当に素敵なので。
――忍野さんは女優になりたくて、芸能界に入ったんですか?
忍野 いえ。学生時代にレースクイーンをやっていたんです。その後、事務所の方に誘われてグラビアをやるようになりました。
女優は2年前にドラマに出演させていただいたのが最初です。当時は右も左もまったくわからなかったのですが、すごく胸がときめいて「もっと勉強して、色々な役を演じてみたい!」って。それから女優への夢が膨らみました。
――本格的に女優を目指そうと決意したきっかけは?
忍野 このままじゃダメだな、と思うようになったのがきっかけです。少しずつドラマにも出演するようになったのですが、それがニュースになったとしても、名前には「グラビアアイドルの」という肩書がつくじゃないですか。お芝居をする時は、グラビアアイドルとしてやっているわけではないのに。そこに違和感を感じてしまって。
それを考えたら今度は逆にグラビアアイドルとしての自分も中途半端に思えてきて、悩んでしまったんですよね。それで、両方中途半端にしかできないのなら、もう芸能活動を全部やめようと思ったんです。
――え!? 仕事を全部?
忍野 はい。結局中途半端なのは、自分が両方の仕事を「それでいい」と思っているからじゃないですか。その程度にしか考えられないのなら、やる意味も女優業に挑戦したいだなんて言う権利もないと感じました。それで一年間、グラビアアイドルとして、やれることを全部やったらやめようと決意しました。
昨年はSNSでファンの方と交流をしたり、自撮りの写真や動画をたくさん発信したり、YouTubeでは自分で撮影、編集した動画を載せたりしていました。外出自粛などもあり直接お会いできるようなイベントができない壁もありましたが、最後だからこそ自分なりに思い残すことのないようにと考えてやったことでした。
――YouTubeではギターを練習する動画を毎日上げるなどして、頑張ってるなと思ってましたが......。そんな想いがあったとは。
忍野 一年が経とうとした時、やっぱりやめられないなって。その心残りはなんだろうと考えた時に思い浮かんだのが「女優になること」だったんです。そこで当時の事務所の社長に相談して、イベントやインタビューなどで「今後は女優を目指してやっていきます」と気持ちを表明して、事務所も移籍しました。
――でもグラビアアイドルとしては名が通っているけど、女優としてはまだまだなわけで。不安はなかったんですか?
忍野 もちろんありました。今後の生活を考えるだけで怖くなります。でも一方で、引き返せない状況になって初めて感じたエネルギーにワクワクしている自分もいたんです。それは後悔のない決断ができたからだと思います。
――なるほど。そこまでの事情を知って今回の写真集を見ると、その表情には不安と希望など、いろんな感情がない混ぜになってるようにも思えてきます。
忍野 本当にそうでした。撮影の時は「今後、女優を目指してやっていきます」と言ったものの、まだ走り出していないわけで。正直なところ撮られながらも、こんな中途半端な気持ちでいいのかと思っていました。
でも考えてみれば、こんなに揺れ動く気持ちで臨むグラビアは今だけなのかなとも思って。だから、この写真集もそうですけど、グラビアが週プレさんに出た時、タイトルを見てものすごく感動しちゃって。
――『光は今、どこにある。』ですか。
忍野 本当にそんな気持ちだったんです。撮影前、自分の心境を話したわけではかったんですけど、スタッフさんはちゃんと理解してくれていて。デビュー当時からお世話になっていた週プレさんだからこそ、不安な気持ちも汲み取っていただけたのだと凄くうれしかったです。
――2月には舞台に出演しました(『方舟』)。この時の舞台は、ふたつのエピソードを同時上演という変則形態。忍野さんは両方出ましたが、初めてだし、しかも2本って大変だったんじゃないですか?
忍野 制限された環境の中で2本分の稽古をやっていたので、最初は頭も体もパンク状態でした。でも充実していました。芝居の出来はまだまだですけど、自分が選んだ道で一歩でも前に進めたことがうれしくて。今後もひた向きにやっていきたいですね。
――もうグラビアは引退するんですか?
忍野 いえ、しません。でもグラビアアイドル・忍野さらは卒業です。女優・忍野さらとして、いつかまた週プレさんの誌面に出られるように頑張ります。
――もし週プレに戻ってきたとき、どんなグラビアになっていると思います?
忍野 スルメみたいなグラビアですかね。
――スルメ?
忍野 見れば見るほどじわじわ味がでてくる、みたいな(笑)。それまでに培ってきた経験がグラビアでも出せたらと思います。
――そう考えると、今後の芸能人生の上でこのデジタル写真集は意味ある一冊になるかもしれませんね。
忍野 本当に。これは私の新しい一歩を踏み出そうとする記録でもあるんですよね。
■忍野さら(Sara OSHINO)
1995年6月3日生まれ 東京都出身。身長164㎝ B92 W58 H86。血液型=A型
○昨年11月に事務所を移籍し、女優としての活動に主軸を移した。公式Instagram【@oshinosara】公式Twitter【@oshino_sara】
デジタル写真集『光は今、どこにある。』
撮影/中村 昇
価格/880円(税込)
■『週刊プレイボーイ』公式YouTubeチャンネル【https://www.youtube.com/watch?v=GVYuqfEGHwM&t=251s】