インパルス・板倉俊之の小説『蟻地獄』が舞台化。7日、都内で製作発表記者会見が行なわれ、初めて脚本・演出に挑戦する板倉と主演の髙橋祐理、山口大地、天野浩成、乃木坂46・向井葉月が登場した。
舞台『蟻地獄』は、主人公たちが裏カジノに乗り込んだことを機に、数々の"地獄の罠"を乗り越えるアウトローサバイバル物語。昨年上演を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に、今回は"復活公演"となった。
演出家デビューとなる板倉は「まだスタンスが定まってないんです。役者と敵対関係を作っていくのか、『仲良く行こうよー!』と行くのか......」と不安げな様子でスタート。
今回はセリフがかなり長いということで、「みんな、地獄を1回は見てもらう」とポツリ。一方で申し訳ない気持ちもあるそうで、天野に対しては事前に妻の雛形あきこと共演した際に、「旦那さんに謝っておいてください」と話したそう。だが実際に稽古が始まって、セリフをカットする可能性に触れ、「せっかく台本を覚えたのに......と陰口を叩かれるのが怖い。休憩でも耳をそばだてていようと思います」とネガティブなコメント。
山口は「大丈夫です、どんどん削っていただいて」と話し、主演の髙橋からは「役者としてはずっと舞台に立ち続けられるのがうれしいので、ひと言でも多くセリフを言いたいなって気持ちが強いし、楽しみです」と力強い言葉。向井も「大丈夫だと思います!」と、それぞれからフォローを入れられていた。
稽古中にどういったコミュニケーションをとるか聞かれた板倉。「差し入れで友好関係を築くことはあるけど。一番必要なのは豚汁だと思う。陰口がひどくなったら豚汁を作る。作ったことないけど、作っていたらウケる、切り札はあります!」と熱弁。
また、向井は稽古中にメンバーと会いたくならないかという質問に「楽しかったことを聞くと、私もその場にいたかったなと思うことあります」と回答。それを聞いた板倉は「そういう思いをさせないように、僕が乃木坂の一員というスタンスで彼女に接します。あっ、乃木坂の友達がいるんだって、錯覚を起こさたい」と意気込んだ。
『蟻地獄』は漫画化、舞台化と続いており、映画化への野望を聞かれると「品川(祐)さんの話を聞いていると、何億が自分の肩にのしかかるってなるとブルっちゃう。それだったら新しい小説を書いたほうがいい。ノウハウないし、それこそ何回豚汁を作ってきたらいいのか? ベストは舞台が評判になって、映画はおまかせします、がいいですね」と答えた。
見どころについては「サスペンス、ミステリー、バイオレンス、頭脳戦、ドンデン返し、色んな要素が入っている、のっけからケツまでギュウギュウで詰め込んでいくので、この辺って感じはない」と話しつつ「小説やマンガじゃなく、役者の人の演技や声によって、舞台版ならではの良さが出てくれると思ってます」と期待を寄せた。
舞台『蟻地獄』は6月4日(金)~6月10日(木)まで東京・よみうり大手町ホールにて公演。チケットは4月10日(土)正午より一般発売開始する。