今年は「仮面ライダー生誕50周年」。そこで9月13日に発売された『週刊プレイボーイ39、40合併号』では「仮面ライダーヒロイン集結」と題し、歴代の仮面ライダーヒロインたちが登場。最新水着グラビアをはじめ、インタビューなどで各作品への思いを語っている。

そんな特集から、歴代ヒロイン5名のインタビューを最新撮り下ろしとともに連続掲載する。第1回目は『仮面ライダー555』(2003~2004)に出演した芳賀優里亜(はが・ゆりあ)さんが登場。彼女が演じた園田真理は美容師を夢見る18歳。養父から贈られたファイズギア(変身ベルト)をめぐり、旅先で出会った主人公・乾巧(いぬい・たくみ)とともにオルフェノク(怪人)と戦った。芳賀さんが、当時を振り返る!

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――『仮面ライダー555』へ出演した経緯を教えてください。

芳賀 15歳のとき、オーディションを受けました。たまたま私が受けた回はみんな大人ばかりで、中学生は私だけ(笑)。場違いなところに来ちゃったなと思ったのを覚えています。受かった当初はピンときてなかったです。仮面ライダーは知っていましたが、観たことはなかったんです。しばらくしてからすごい人気作品なんだって知りました。

――撮影現場にはすぐ馴染みました?

芳賀 はい。ずっと子役をやっていて現場の雰囲気はわかっていたので。それに若かったので、可愛がっていただきましたし。ただ一方で戸惑うことも多くて。例えば、私がバイクに乗るシーンがあったんですけど「乗れて当然だよね」みたく進行するんです。免許はないし、年齢的にも無理でしょと思いましたが、お芝居の上で子供扱いされないのはよかったです(バイクシーはスタントマンが実演)。気が強くて活発な「園田真理」という役を気兼ねせず、伸び伸びと演じることができました。

芳賀優里亜さんが演じた園田真理(©石森プロ・東映)

――芳賀さん自身、真理とは似ているんですか?

芳賀 いや、逆のタイプですね。私は黙っていると気が強そうと言われるんですけど、むしろおとなしいし、真理みたく人に突っかかったりもしないです。それにバイクに乗るみたいにアクティブでもないし。でもだからこそ常に新鮮な気持ちで演じました。

――撮影で苦労したことは?

芳賀 それほどのことはなかったかな。監督の指示に対し、素直にお芝居をしていたので。ただ第1話で変身ポーズをするシーンはちょっと苦労しましたね。

――オルフェノク(怪人)に襲われ、決死の思いでベルトを取り出し変身する。迫真のシーンでした。

芳賀 ライダーにはなれませんでしたけどね(笑)。でもその「変身!」って叫ぶ、声のトーンとイントネーションに悩んじゃって、何度もやり直しました。ちなみに主人公・乾巧の変身ポーズは、演じた半田健人くんによれば、真理の真似らしいです。

――ファイズフォン(携帯電話型のマルチデバイス)を振り上げて、ベルトにはめる、独特の変身ポーズ。あれは真理が原点だったと。

芳賀 巧の最初の変身は、真理が自分の代わりにベルトを巻きつけやらせたものなんです。なので考える間もなく真似したんだって。私自身はなぜそんなポーズをとったのか、記憶にないんですけどね(笑)。あとアクションシーンはやはり大変でした。吹っ飛ばされるとか、激しく転ぶとか。普段なかなかそんな目には遭わないですから。怪人に襲われたときのイメージを膨らませて、体を動かすのは難しかったです。

――『555』は、怪人たちの苦悩をリアルに描くなどシリアスなシーンが多く、また巧や真理などそれぞれに衝撃的な過去があるなど、意外な展開の連続でした。演じてる皆さんは毎回、どんな思いで臨んでいたんですか?

芳賀 戦々恐々ですよ(笑)。どんな展開になるか誰も聞かされてないし、台本を読んで「そうだったのか!」とか「まさかこんなことに!」とかいつも驚いてて。私なんて劇中、一度死んでますからね(笑)。それもあって内容については、いつもみんなで話をしていましたね。

――逆に意外な展開だからこそ、コミュニケーションがよくとれていたとも言えると。

芳賀 そうですね(笑)。でも特にレギュラー陣は敵・味方ともにすごく仲がよかったです。仕事以外でも撮休(休日)がかぶると一緒にバーベキューをしたり、遊園地で遊んだり。半田くん、村上さん(村上幸平、2号ライダー=カイザを演じた)とは今もお仕事で年に何度か会います。

――撮影で一番の思い出は?

芳賀 劇場版(『劇場版 仮面ライダー555 パラダイスロスト』/2003年公開)は記憶に残っています。TVシリーズより格段にスケールが大きくて。特に印象的なのは真理が闘技場で公開処刑されるシーン。1万5千人のエキストラから「死ねー!」って叫ばれました。怖かったけど、本当に貴重な経験でしたね(笑)。

――芳賀さんはその後、『仮面ライダーキバ』(2008~2009)、『仮面ライダーディケイド』(2009)にも出演されています。キバでは悪のヒロイン役を演じましたね。

芳賀 『キバ』はオファーをいただいたんです。『555』から5年経ってたし、「また出ていいのかな」とも思ったんですけど、すごくうれしかったですね。演じた深央(みお)という役は、真理とは違って気が弱く、天然な女のコで、楽しみながら演じました。

――『555』ではカイザや怪人たちから、『キバ』では主人公・紅渡(くれないわたる)と怪人の王子から求愛されていましたね。

芳賀 なぜかモテる女性を演じさせてくれるんです。もちろんイヤな気はしないですよ(笑)。でもみんな、個性が強すぎたり、ストーカー気質だったりと怖い人ばかりなんで複雑な気分ですけど。

――今年は仮面ライダー生誕50周年です。なぜここまで支持され続けてきたと思います?

芳賀 やっぱり大人が楽しめるほどストーリーがしっかりしているのが大きいと思います。それこそ視聴者を子供扱いしてないというか。だからどの作品も世代を問わず、誰もが楽しめるんですよね。

――最後に芳賀さんにとって『仮面ライダー555』とは?

芳賀 実を言うと『555』の前、仕事を辞めるつもりでいたんです。小さい頃から仕事をしていたので、もっと学校に行きたくて。それが『555』に出て、撮影は多忙なんでそれまで以上に行けなくなりました。でもそこで仲間たちと出会い、お芝居の奥深さを学び、そして大勢の人たちとひとつの作品を作り上げる喜びを知りました。私にとっては『555』の現場こそ学校であり、青春そのものでした。

■芳賀優里亜(はが・ゆりあ)
1987年11月27日生まれ 東京都出身 ◯1999年、映画『どこまでもいこう』でデビュー。仮面ライダーシリーズは『仮面ライダー555』以外に、『仮面ライダーキバ』(2008年)、『仮面ライダーディケイド』(2009年)にも出演。公式Instagram【@yuria_haga】