今年でシリーズ誕生から10年目を迎える医療ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』の第7シリーズが放送スタート。米倉涼子演じる主人公・大門未知子を中心に個性派キャラが多く登場する作品だが、その中でも注目が集まる東帝大学病院の外科分院長・蛭間重勝(西田敏行)の秘書役に、女優の結城モエが抜擢された。
昨年は『ギルティ ~この恋は罪ですか?~』など5本のドラマに出演し、今年も出演作が続いている結城さん。2020年放送のスピンオフ『ドクターY~外科医・加治秀樹~』では日本スポーツ連合会会長の秘書役を演じていたが、本編への出演は今作が初めてとなる。ドラマの話はもちろん、家での過ごし方や趣味などプライベートについても聞いた。
――昨年、スピンオフドラマ『ドクターY~外科医・加治秀樹~』で秘書役を演じ、また今回、違う秘書役として本編『ドクターX~外科医・大門未知子~』に初出演です!
結城 ありがたいですね。同じ現場にまた呼んでいただくのは初めての経験だったので、出演が決まったときは率直にうれしさが大きかったです。
――蛭間院長の秘書役はシリーズごとにキャラも違いますが、今回の朝蜘優衣役はどんな秘書さんなんですか?
結城 今までの秘書役は愛人的な要素があったんですけど、そういう設定を取っ払った新しいキャラクターになっています。ゴシップやスキャンダルが大好き。人に媚びないというか、中立な立場でみんなのことを俯瞰しているような秘書です。「やったぜ、ニヤリ」みたいな顔をするシーンもあるので、そこは楽しんでいただきたいなと思います。
――自分と似ている部分ってあります?
結城 誰にでもフラットに接するタイプなので、そういう部分は似ているかなと思います。小さい頃から親戚のお兄ちゃんお姉ちゃんがたくさんいるところで育ったので、年上の方と話しても親戚の人みたいな感覚で誰とでも仲良くなれるんですよ。
――明るくて人懐っこいですよね。ドラマ『ギルティ ~この恋は罪ですか?~』や『リコハイ!!』などちょっと悪い女の役が多いので、お会いするまでは近寄りがたいイメージがあったというか......。
結城 普段はよくしゃべるので、クールでもキツイ女でもないです! 私のキャラとあまりにも違うので、ドラマを観た友達からは「モエがわからなくなるよー」って言われます(笑)。姉は普段とのギャップが楽しいみたいで、笑いながら見ているらしいです。
――今回の秘書役でイメージ変わりそうですね。
結城 そうですね。私が登場するのは、ドラマの中でも息抜きになるような院長室のシーンなんですよ。全体のシリアスな話からは少し外れますけど、コミカルなお芝居でクスッと笑ってもらえたらうれしいなと思います。秘書役なので真顔でスッとしていますけど、心の中では笑いをこらえるのに必死で(笑)。カットの瞬間にめちゃくちゃ笑ってます!
――新シリーズの舞台は、100年に一度のパンデミックで医療崩壊が起こる中の東帝大学病院。コロナ禍の今が描かれるってすごいですね。
結城 医療現場で何が起こっているのかは気づけない部分があると思うので、今だから作れる作品だと思います。大切なテーマを学びながら、作品自体も楽しんでいただきたいです。
――コロナ禍でおうち時間って言葉ができましたが、家での過ごし方は?
結城 まず、朝はお掃除して。英語の勉強をして、歴史もののドキュメンタリーを観るのが好きなんですよ。なんでも面白いって思っちゃうので、アニメや韓国ドラマもたくさん観ますし。「いつ観てるの?」ってくらいいろんな作品を大量に観ています。
――歴史ものが好きなんですか?
結城 歴史ものというか、最近もポーランドで活躍した日本人指揮者の音楽ドキュメンタリーを観ました。戦争を絡めた重いテーマだったんですけど、同じ時代に日本はどうなっていたのかをネットで調べて照らし合わせるのが楽しくて。自分の知らないことを見つけるとうれしいというか、行ったことのない場所に行きたい、見たことがないものを見たいって気持ちが強いんだと思います。だから、早く旅行に行けるようになってほしいです!
――行きたい国は?
結城 ヨーロッパに行ったことがないので、それこそ音楽番組で観たポーランド。ハンガリー、ドイツ、オーストリアにも行ってみたいですね。音楽の歴史が深い国の方々はどういう環境で生きているんだろうってことに興味が湧いたので、まずはヨーロッパに行って日常に音楽があふれる感覚を体験してみたいなと思っています。
――ひとり旅もできるタイプですか?
結城 ひとり旅は向いてないですね。ニューヨークとLAに行ったとき、ブロードウェイや自然の景色を見て感動して「すごいね!」って一緒に言える人が隣にいたほうが絶対に楽しいなと気づいて。音楽聴きながらひとりでニューヨークの街を歩いてたら、現地の人に間違われて道を聞かれたことがあって。それぐらい順応はできるんですけど。
――では今後、女優としての目標をお願いします。
結城 NHKの大河ドラマに出たいです。小さい頃から観ていた作品で、受験で忙しくても日曜の夜だけは家族と一緒に夕飯を食べる日と決めていて。ご飯を食べ終わってソファーに移動して、ぐうたらしながら大河ドラマを観ることが日常だったんです。家族と同じ時間を過ごして、ずっと一緒に観てきた作品にいつか自分も出られたらいいですね。
――ちなみに、歴代の大河ドラマで好きだった作品は?
結城 『篤姫』です。私が中学生の頃なんですけど、何もわからないながらに宮崎あおいさんの演技のすごさを感じました。同じ人が演じているのかなと思ってしまうくらい、年齢の幅広さに感動してしまって。あとは全体的にはずっしり重い話の中に、女中さんたちとの楽しいシーンもあるじゃないですか。ひとつの作品で泣いたり笑ったりできて、感情が忙しかったです。
――演じてみたい役はありますか? 悪女役や秘書役など強い女性の役が多いですけど。
結城 実際の私は打たれ弱いので、自分の弱さや悲しさを表現できるようなお芝居もやってみたいなと思います。見た目のイメージとは違うかもしれないですけど、性格的には攻撃される側の役のほうが得意かもしれません(笑)。
●結城モエ(ゆうき・もえ)
1994年生まれ、福岡県出身。慶應義塾大学 法学部卒。2017年にドラマ『脳にスマホが埋められた!』で女優デビューし、『ギルティ ~この恋は罪ですか?~』など多数ドラマに出演。Paraviで配信中のドラマ『リコハイ!!』にも出演中。
公式Instagram【@moe_yuki_】
オフィシャルサイト【http://www.spacecraft.co.jp/yuki_moe/】