10月29日(金)は金(キン)曜日と29(ニク)日が重なる2021年1月29日以来の「キン肉マンの日」。
『キン肉マン』29周年の2008年に初制定されて以来、「キン肉マンの日」には様々な特別企画が開催されてきましたが、コロナ禍の収まりきらぬ昨今、大々的なイベント等の実施は依然として難しい状況が続いています。
しかしそんな中だからこそ「普段から応援してくれているファンと何かしら交流の機会を!」というゆでたまご先生からの強いご要望もあり、今回の10月29日(金)には毎週の連載打ち合わせ後の20時より、プロレス実況等でおなじみのフリーアナウンサー・清野茂樹氏を司会進行役に迎え、ゆでたまご原作担当・嶋田隆司先生との無観客トークライブがTwitterでライブ生配信されました。
トーク内容は折しも投票開催中である「キン肉マン 超人総選挙2021」(投票期間:2021年10月25日(月)00:00~11月8日(月)25:00)に、より楽しんで参加できるように......ということで、これまでの『キン肉マン』史上において全8回(※『キン肉マンⅡ世』時代の開催はのぞく)行なわれた過去の人気投票の結果を振り返りつつ、その時々の思惑や感想、こぼれ話を嶋田先生から順を追ってお伺いしていこうという構成。
初回の1980年に行なわれた第1回人気投票が、実は、今やあらゆる作品で当たり前のように行われている作中キャラクター人気投票の先駆けであったこと。
またその初回で堂々の人気超人部門1位を獲得したテリーマンが、以降の開催ではどんどん他の超人にその立場を譲っていき、挙句の果てに11位まで沈んだ1984年開催の第3回結果発表時には「ノー・コメントだ!」という名言を残したこと。
さらには主人公のキン肉マンなぜか上位に入ってこないことに当初は不安を感じていた嶋田先生だったが、当時の編集者から「脇のキャラが強いのがこの作品のすごいところ。他の漫画みたいに主役のキン肉マンが人気1位になったら逆に危ないと思った方がいいよ」と言われ、それを強みに変えたこと。
そんな『週刊少年ジャンプ』連載時代の思い出深いエピソードが次々と語られていくなか、話題はいよいよ2011年からの復活連載編以降、2013年から約2年に一度のペース開催されてきた「超人総選挙」へと移っていきます。
「復活シリーズ以降は、キン肉アタルをはじめとする超人血盟軍のメンバー、そして昔から常に人気の高いロビンマスク&ウォーズマンの超人師弟コンビが上位を独占し続ける中、徐々に新キャラであるガンマン、サイコマン、シャスティスマン、シルバーマンといった完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)たちがそこに食いこんでいくほど読者に愛される存在になってきたことが、単に昔からのファンだからということでなく、今描いているものもちゃんと読んで評価してもらえているようでとても嬉しい!」
ここ数年のランキングを振り返りつつ、そんな胸中を明かした嶋田先生の語り口は、この収録前日の10月28日に誕生日を迎え61歳になられたというその年齢を感じさせない、今も変わらず現役であるという作家としての確かな矜持が感じられるものでした。
そして、ここまでの順位をすべておさらいし終えたところで満を持しての清野アナウンサーからの質問「現在投票受付中の超人総選挙の1位予想は?」という問いに対し、嶋田先生が挙げた超人名は、なんとまさかの主人公・キン肉マン!
「主役のキン肉マンが1位にならないのがいい、とその昔に言われた言葉はずっと頭にあるんだけど、それでも僕自身がやっぱりキン肉マン大好きなので。彼が1位になる姿を一度でいいから見てみたい!」
そんな願望交じりの回答と理由を述べられたところで、最後に今回の超人総選挙2021に関するふたつの重大発表がありました。
【重大発表その1】
今回の「超人総選挙2021」の結果は、11月29日(月)発売の「週刊プレイボーイ50号」誌上にて特集記事を組んで大発表!
【重大発表その2】
さらに今回の目玉企画。栄光の(?)第29位を獲得した超人は、たとえどんな超人が来てもゆでたまご作画担当・中井義則先生が本気で単体カラー描きおろし。そのイラストが上記の「週刊プレイボーイ50号」裏表紙に!
以上の重要情報がここで初めて公表されたところで、約1時間半にわたった配信予定時間もそろそろタイムアウト。
最後にサプライズで、前日迎えた61歳のお誕生日ケーキがスタッフから嶋田先生に差し入れられると、視聴者からのお祝いコメントが殺到。
そのお礼として発せられた、嶋田先生の今回の配信における以下のラストコメントを、レポート記事でも締め括りとしてここにご紹介させていただきます。
「僕も昨日で61歳になりまして、最近は体に気をつけて描き続けてくださいという声もたくさんいただきます。それに応えられるよう、僕もこの年で柔術も始めてケガに気をつけながらですが体を鍛え直してますし、そうして応援してくれるファンのみんなから、もう見たくないといわれるまで僕らとしては『キン肉マン』は描き続けるつもりです。だからまだ当分は安心して、これからの展開もますます楽しみにしてください!」
還暦超えて、なお現役週刊連載漫画家。
キャラクターとしてのキン肉マン同様、ゆでたまご先生ご本人もまた、この世に希望を与える超人であると思わせてくれる力強いコメントでの締めとなりました。
****************************************
なお上記のトークライブ生配信に関しまして、ここでお詫びがございます。
当日、現場にて通信環境上における深刻なトラブルが発生。上記のような生配信はされたものの、映像が途切れ途切れになってしまうという事態に陥り、配信の試み自体はそのまま予定されていた企画終了まで約1時間半にわたり続けられましたが、最後まで非常に視聴しにくい状況が続く結果となりました。
あらためまして、当日視聴を楽しみに待機していただいた方々、また配信が途切れる中でも最後まで辛抱強く視聴にお付き合いいただいた方々、さらにはそのような状況下でも臨機応変にご対応いただいた出演者の清野茂樹アナウンサー、そしてゆでたまご嶋田隆司先生にご迷惑をおかけいたしましたことを、編集部から心よりお詫びさせていただきます。誠に申し訳ございませんでした。
そのような経緯で生配信時は非常にお聞き苦しい形となってしまいましたが、音声データだけは一部始終を収めたものが残っていましたので、画像資料と音声データを合わせて再編集した「音声アーカイブ」版という形でアップいたしました。