松本まりかが16日、都内で行なわれた東映配信作品『雨に叫べば』のプレミア上映会に、大山真絵子、モトーラ世理奈、高橋和也、渋川清彦、須賀健太、内田英治監督とともに登壇。"恩師"ともいえる内田監督が松本の印象を明かした。
『雨に叫べば』の舞台は"男性社会"だった1980年代の映画界。アダルト映画の撮影に臨んだ新人監督・林花子が、トラブルやいじめなどを乗り越えて、作品を完成させる物語。
内田監督自身のかつての経験を投影し、「もともと舞台裏を描く映画が好きで、脚本は5年前に書いていた」という今作。実際にその時代から活動していた高橋は「コンプライアンスなんてない時代。でも元気な時代で、みんなイケイケ。そんな熱気が溢れた作品」とアピールした。
花子を演じた松本は、「私は監督役なのですが、キャストやスタッフ役の皆さんがやんややんやと言ってくる。それが罵詈雑言であってもチャーミングなんです」と共演者たちを絶賛。特に助監督役を務めたモトーラには「唯一、心を通わせる相手の役だったので世理奈ちゃんの存在が癒しでした」と語った。
ただ「『もう1回』と言うとウンザリされる。私も知らずにそういう目で監督を見てたなと自覚しました。監督って、すごく大変だけど面白い立場だと思いました。とても貴重な体験でした」と普段とは逆の立場になって学んだことがあったと語った。
人気女優の松本と、日本アカデミー賞を受賞した内田監督。今や多くの人々に知られるふたりの接点は18年前。内田監督の長編デビュー作であり、松本の映画初出演作、『ガチャポン』だ。さらに松本の連続ドラマ初主演も内田が監督した『向こうの果て』と何かと縁深い。
「(松本とは)8年に1回くらい仕事してます」と笑う内田監督だったが、司会者から近年の松本の変化を聞かれると「きわどいだっけ? テレビで言われてるの」と困惑していると、松本が「怪演? あざとい?」とフォロー。
「そう、あざとカワイイ女優」と腑に落ちた内田監督は、「僕はむしろ逆で、男のコっぽい感じがします。18、19歳のころから知っていますが、仕事の取り組みを見ていると逆だと思う。10代のころから芝居のことをちゃんと考えている女優さんだった」と昔の印象を明かした。
「こういう時しか褒める機会がない」と口ごもる内田監督に、松本は「監督は全然ほめてくれないのでうれしい(笑)。でもこうして作品に呼んでくださるのが、本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
本作はAmazon Prime Videoで独占公開されている。