加藤歩とのコンビ「ザブングル」で芸人として活動し、2021年に引退した松尾陽介の対談シリーズ。対談のテーマは「40代からのセカンドキャリア」について。40代ならではの仕事や家庭、健康の悩みから、今後の人生の歩み方を考える。
2組目のゲストは、「流れ星☆」のふたり。破天荒な芸人タイプのちゅうえいと、副業もしている堅実タイプの瀧上。同世代3名による、ハチャメチャ対談スタート!(全3回の2回目/1回目を読む)
★この対談の様子は、前編を週刊プレイボーイの公式YouTubeチャンネル(配信中)、後編をOMATSURIチャンネル(後日配信)で配信!
■人生の今を支えるための「副業」
瀧上 俺も、マッツンみたいに先のことを考える気持ちは持っててさ。
ちゅうえい こいつはそうだよ。いろいろ副業やってるから。
松尾 生活を考えてっていうことでしょ?
瀧上 うん。「芸事が順調になった時に副業をやろう」とは昔から考えてて。安定してないと、銀行なんて資金になるお金貸してくれないから。
松尾 売れる前から考えてたっていうこと?
瀧上 ある程度。2013年に『THE MANZAI』でいった年、そこからすぐ動いた。最初は不動産で考えてたんだけど、それだと規模が大きいから規模も小っちゃい「太陽光発電」で、と。
松尾 へ~。ちゅうえいは?
ちゅうえい コロナ禍になって仕事は確実に減ったのよ。営業もなくなって。で、ちょっとは焦るじゃん? だからインスタライブとかもやってかなきゃな、みたいな。で、最近夜中の0時から2時ぐらいまでの2時間「家でただひたすら洗い物をする」っていうインスタライブやってる。
松尾 何それ?(笑)
ちゅうえい たまったお皿を洗って、次の日のお米を炊いて。これっていつの日かの投資になるかもしれないと思うの。
松尾 後々面白がられる可能性が、ってこと?
ちゅうえい そうそう。だって、こんなことやってるの意味分かんないじゃん。「洗い物芸人」がいつか『アメトーーク!』であったら呼ばれるかもしれないじゃん。
松尾 ものすごい遠回りしてるねえ。
瀧上 副業をやりだしてから、最近またテレビに呼ばれるようになったんだよね。だから、ずっとお笑いだけでやるっていうよりは......。
松尾 あと離婚キャラでしょう?
瀧上 いやいや(笑)。別にキャラとして売り出そうっていうわけじゃないから。
松尾 全く興味ないのに、めちゃくちゃネットニュースに出てくんだよね。
ちゅうえい 切り売りモンスターね(笑)。
瀧上 みんなに言われる。
松尾 元嫁とネタ合わせしてんだろ、あれ。
ちゅうえい たぶん裏でハイタッチしてるわ(笑)。
瀧上 まあまあ。副業とかやることによって、本業にもつながるんだな、みたいな話。
松尾 今は特にそうだよね。僕も今やってる仕事としては、「芸人さんのセカンドキャリアを応援したい」と言ってるんだけど、副業をすることによって芸人を続けることが出来るなら、そういった副業のサポートもしていきたいなと。
ちゅうえい そういうことも昔より出来やすくなってきてるでしょ?
松尾 状況は変わってきたよね。昔は芸人が「生活を支えるための副業」って、あんまり考えられなかったじゃん。
ちゅうえい そうね。今のYouTubeとかって、ある意味そういうことじゃない?
瀧上 特に芸人には副業に対してマイナスなイメージがあったと思うんだけど、勘違いしてほしくないんです。俺は芸人を続けたいから副業をやりたいの。副業の安定した収入があることによって、お笑いにも集中できるっていう。
松尾 こんなこと聞くのはアレだけど、お笑いを辞める気は全くない?
ちゅうえい 俺は一生芸人でやりたいかな。
松尾 ちゅうえいはザ・芸人だもんね。
ちゅうえい こいつの言葉を借りると芸人は「パチンコ台」でしょ? だったらこの門を叩いた時点で、途中から安定を求めることはできないかな。
松尾 家族持って考え方が変わるとかは?
ちゅうえい 本当にありがたいのが、奥さんがプロポーズをオッケーしてくれた時って、まだ何も仕事がない時だったから。婚姻届けを書く時「私の人生終わった」と思って泣きながら書いたんだって。そうしたら、たまたまその年の年末に『THE MANZAI』いけて。
瀧上 奥さんもギャンブラーなんだよ、破滅カップル(笑)。
松尾 芸人ちゅうえいを応援してくれる奥さんなんでしょ?
ちゅうえい そうそう。もちろん「収入も最低限は」って言うけど、いい意味で口だけのような気がする。俺がやりたいことを全部後押ししてくれる。
松尾 子ども産まれても考え方変わらなかった?
ちゅうえい 子どもが「ガンダム~」って俺のギャグやるんだよ(笑)。これ、お笑い続けなきゃ駄目でしょ。
瀧上 マッツンが30代、40代の芸人を応援したいっていうのは、具体的にどうしたいとかあるの?
松尾 ない。
瀧上 ないんかい(笑)。そこは今探してるみたいな感じ?
松尾 この対談もそうなんだけど、要するにいろんな人の目に触れて、僕が今やろうとしてる会社のことを知ってもらいたい。芸人さんのセカンドキャリアを応援したいって伝えると、「私も応援したい」っていう企業が結構多くて。
ちゅうえい どこ? そこすぐ行くから(笑)。
松尾 そういう企業と今から道を作る段階なんだけどね。
ちゅうえい 企業さんはお笑い芸人を欲してるの?
松尾 簡単に言うと、欲してる。
ちゅうえい お笑いをやめて成功してる人はたくさんいるよね。例えば訪問販売とか営業とか、あとはイベントの司会で花開いてる人とか。そういうの以外にもあるんだ?
松尾 「芸人さんはしゃべり上手ですよね」って認識の企業はやっぱり多いけど、長く芸人やってる人って、しゃべり以外でも皆いろんな良い面があるじゃん?
ちゅうえい うん。
松尾 それって、僕も長く芸人としてやってきたからこそ分かる部分なので、そこを活かしていきたいかな。
ちゅうえい マッツンが芸人の魅力をプレゼンできるっていうことだよね。
松尾 やりたいよね。だからこそ、道づくりに向いてるかなと思う。
ちゅうえい じゃあ、俺だったらどこをプレゼンしてくれるの?
松尾 あぁ、うん.........ちょっと出てこないかな(笑)。
ちゅうえい いいところしかねえだろうが! 笑顔とか。笑顔がいいんだぞ!
瀧上 ちゅうえいは意外に緊張しいだしな。
ちゅうえい 何言ってんだ、お前。笑顔だぞ、俺は!
松尾 ちゅうえいは、芸人辞める気がしないからな。
ちゅうえい やりながら副業でもいいわけでしょう?
松尾 夜中にお皿洗ってりゃいいんじゃない(笑)? まあでも、我々も将来を考える時期になったってことだよね。44歳って、若い頃はおじいちゃんだと思ってたじゃん?
ちゅうえい 30超えたらおじさんのイメージだったよね。親って完璧に大人だと思ってたけど、今の自分と照らし合わせると大人ではないなって。自分の親も、思春期の頃と同じ脳みそのまんまなんだと思う。
瀧上 かわいい子がいたら「かわいいな」って思うような、中高生ぐらいの脳みそは残ってるよね。
松尾 死ぬほど残ってるよね。
ちゅうえい ガタがきたのは体だけだよ、腰が駄目で。
松尾 でも、おじいちゃんだと思ってた44歳だって「まだいける」と思ったから、芸人を辞められた訳だし。これからなんだよ。60、70歳になったらさすがに、と思ってても80、何なら100歳もあり得るな、みたいなことになってきてるじゃん、世の中が。
瀧上 人生100年時代。
ちゅうえい 80歳で元気に働いてる人もいっぱいいるもんね。
(明日配信の3回目の記事に続く)
★この対談の様子は、前編を週刊プレイボーイの公式YouTubeチャンネル(配信中)、後編をOMATSURIチャンネル(後日配信)で配信!
■松尾陽介(まつお・ようすけ)
1977年1月28日生まれ。1999年に加藤歩と「ザブングル」を結成。『アメトーーク!』の「運動神経悪い芸人」では「ガチ王」「水神さま」の異名を持つ。2021年に芸人を引退。現在は(株)OMATSURIの代表取締役社長
■流れ星☆
ちゅうえい(43歳)と瀧上伸一郎のコンビ。2017、2018年 に『THE MANZAI』でたけし賞を受賞。高校の同級生だったふたりが、2000年に結成。
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日時:2022年3月12日(土) 場所:日本青年館ホール