映画やドラマで輝きを放つ若手女優たちの中から、今年注目の4名をインタビュー。

第4回は、舞台『鬼滅の刃』の竈門禰豆子(かまどねずこ)役で注目され、昨年公開の映画『ベイビーわるきゅーれ』で映画初主演を果たした髙石あかり

同作は髙石とスタントパフォーマー・伊澤彩織とのW主演で、殺し屋女子たちのシュールな日常を描いた青春アクション映画。公開後からじわじわと評判を集めロングラン上映され、阪元裕吾監督から続編の制作も発表されている。

――『ベイビーわるきゅーれ』で殺し屋の女のコ、杉本ちさと役を熱演。ストーリーもアクションも最高に面白かったです!!

髙石 ありがとうございます! ちさとは、感情なしに人を撃てる殺し屋。そんな自分とはかけ離れた存在を演じることはすごく楽しかったです。ガンアクションも初めてだったので、伊澤さんの背中を追いながらやらせていただきました。

――殺し方がスマートというか、パンって撃ってポンって片付けるみたいな。

髙石 わぁー、そう言っていただけてうれしいです! 銃を撃つ速さを極めていくのがすごく楽しくて。メイド喫茶でバイトするシーンがあるんですけど、2秒で片付けないといけないみたいなアクションは何回も練習して苦労したところなので、できるだけ瞬きしないで観ていただきたいなって思います。ただ、2秒しかないので!

――ガンアクションが初めてということで、撮影現場ではレプリカ銃を持ち歩いてたそうですね。

髙石 私が銃を扱う姿に違和感を持ってほしくなかったんです。とりあえず持っておけば重さとか感覚がわかるし、筋力もついて素早く構えられるようになるかなと思って。撮影の休憩中も肌身離さず持ち歩いていたので、通りすがりの人に見られちゃって危なかったです(笑)。

――レプリカでも銃を持つのは怖いって思っちゃいませんか?

髙石 怖さはなかったです。「かっこいいー!」って思いながら私は持ってました(笑)。ラストのアクションシーンでは初めての表情を撮ってほしくて、監督に「リハーサルでは撃たないので、本番で初めて撃った瞬間をとってください」ってお願いしました。あれはガチの楽しいって表情なので、ニヤニヤしちゃってるところも多くて。私ダメなんですよ。笑わないでくださいって言われると余計にフフって笑っちゃうんです!

――シーンとすると笑っちゃうみたいなやつですね。いつも役作りはどうされてますか?

髙石 台本を2、3回通しで読んで、まずは動いてみます! 例えば、テーブルの水を取るときに上から取るか下から取るか、このコだったらこんな感じかなって日常的なことからイメージを固めていくんです。でも役作りのためというより、撮影期間中はこれが楽しくて無意識にやってしまうというか(笑)。

――キャラを研究して組み立てていくんですか? それとも、いわゆる憑依型? 

髙石 憑依型って言われますけど、自分ではどっちなのかわからなくて。ただ、お芝居をやるうえで、ゾーンに入るみたいなときもあって。視界には集中すべき相手以外は何もなくて、周りが全く見えなくなっちゃうんです。それがすごく楽しくて、そこに入るためにお芝居をしていることもあります。

――かっこいいですね! それはどの作品でも入れるんですか?

髙石 作品によります。『ベイビーわるきゅーれ』の役はわりと素に近いので、別の人になり切ることをムリに意識しなくてもよかったというか。だからこそ、リアリティのある作品になったんだと思います。去年、『ハッピーエンディングス』という映画を撮ったんですけど、そのときはありました。

――即興の短編映画2本立て『ハッピーエンディングス』の『はじめての映画』編に出演。即興で映画を撮るってどういうことですか?

髙石 設定があるだけで、決められたセリフがひとつもないんです。ラストシーンは、台本に「感情爆発」の四文字(笑)。さすがにゾーンのスイッチが入りましたね!

――天性の女優じゃないですか。

髙石 どうなんでしょう(笑)。でも、保育園の頃からずっと女優さんになりたいって言ってたんです。小中高の卒業アルバムに書くほど夢見ていた場所なので、今もまだ夢の中にいるみたいな気持ちです。毎日が楽しいですね。

――今年も映画の出演予定もあり、いい一年になりそうですね。

髙石 去年は考えることが多い変化の年だったんですけど......、いや、毎年そうですね。まだまだわからないことがいっぱいあって。人の感情も生い立ちも、自分のことも全部知りたいんです。いろんなことをもっともっと知って、いっぱい吸収したいです! 

――やる気と向上心がすごいですね。

髙石 「女優・髙石あかり」って言ってもらえるようになってから、私は夢の場所にいるはずなのに自分が思い描いていた場所じゃないって思うときもあって......。そんなときに、尾野真千子さんのインタビュー記事を読んだら、「夢は映画女優」っておっしゃってたんです。こんなにすごい方がもっと上を見ているのに、私は何をしてるんだ!と気づかされました。頑張る道筋があることが私にとっての生きる希望なので、もっともっと頑張りたいです。

――演じてみたい役は?

髙石 殺し屋とか鬼とかぶっ飛んだ役が多かったので、キュンキュンするヒロインとか(笑)。自分とはかけ離れた役をやってみたいですね。すごく暗いとか、言葉数が少ないとか、目線が一点集中みたいな人とかも。

――ニヤニヤしちゃいそうですけど大丈夫?

髙石 そこはちゃんとやります(笑)。ただ、面白い言葉をかけられてしまうと、ちょっとゆるんでしまうかもしれないですね。ニヤニヤしないでシャキッととできるように頑張ります!

(スタイリング/李靖華 ヘア&メイク/坂本志穂)

●髙石あかり(たかいし・あかり)
2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。
○舞台を中心に活躍し、昨年公開された映画『ベイビーわるきゅーれ』で映画初主演。映画『ハッピーエンディングス』出演のほか、トリプル主演映画『とおいらいめい』、『さよなら、バンドアパート』が2022年公開予定。
公式Twitter&公式Instagram【@a_akari1219】