「ぬぬぬ......キカイノイドの自分がグラビアって......マジっすか!?」

先月末、大団円を迎えた『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021~22年放送)より。キカイノイドの圧倒的ヒロイン、マジーヌの撮り下ろしが3月19日(土)発売『週刊プレイボーイ14号』で実現!

鹿児島で生まれた少女・下園愛弓(しもぞの・あゆみ)が着ぐるみのバイトをきっかけにスーツアクターを目指し、上京してピンクのヒロインを演じるまでの物語――。夢はまだまだ、続く。

同号は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』『機界戦隊ゼンカイジャー』『魔進戦隊キラメイジャー』『侍戦隊シンケンジャー』『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のヒロインたちがグラビアを飾る「スーパー戦隊特集号」だ!

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■遊園地のバイトから始まったキャリア

――スーパー戦隊のキャラクターがメインのグラビアは、週プレとして初の試みです。

下園 ですよね。最初に話を聞いたときはビックリしましたから。人間じゃないのに大丈夫なのって(笑)。歴代のヒロインたちが並ぶ号に掲載されるということは、マジーヌが本物のヒロインとして認められた証拠だと思います。ありがたいですね。

――外から撮影の様子を見ていると、マジーヌの愛らしさを確かに感じました。表情は変わらないのに、イキイキしていて。

下園 指のしぐさだったり、顔の傾き方だったり、ちょっとした動きひとつで雰囲気がガラッと変わります。マジーヌって、体で表現できる余地がたくさんあるんですよ。だからこそ、細かい動きにまで気配りする意識を、演じる上で持ち続けてきました。

――せっかくの機会なので、下園さん自身のキャリアもお聞きしたくて。そもそもスーツアクターを目指したきっかけは?

下園 原点はキョンシー(映画『幽幻道士』)への憧れですね。私、テンテンになるのが夢だったんです。あと、お母さんがカンフーアクション系の映画が好きで、ジャッキー・チェンの作品をよく借りてきて一緒に見ていました。シーンをマネして飛んだり跳ねたりするうちに、体を動かすこと自体が好きになって器械体操を始めたんです。

例えば、バク転を決めると周りの友達が声を上げて感心してくれるじゃないですか。それに快感を覚えちゃって。体操選手よりも歓声を浴びるパフォーマーになりたい。当時はまだスーツアクターの存在を知らなかったので、サーカスや雑技団の団員をぼんやりとイメージしていました。

――では、スーツアクターを意識したのはいつ頃から?

下園 高校生になるとアルバイトができるようになりますよね。実家の近くに遊園地があって、着ぐるみのアルバイト募集があったんです。そこで働き始めたら、なぜか控室に練習着が用意されていてみっちりアクションの練習をさせられました。ウサギやクマの着ぐるみを着て、風船を配る程度だと思っていたのに(笑)。

練習を重ねてショーに出演するようになると、気づいちゃいました。「うわっ、楽しい!」って。今につながるスタートラインがあるとしたら、間違いなくここだと思います。

――運命が動き始めましたね。

下園 そうなると本家というか、トップの現場に飛び込んでみたい。上を目指したい気持ちが強くなって、いろいろ調べる過程でアクションに特化した事務所だったり、テレビの番組だったりを知りました。

でも、田舎出身なのでいきなり上京するのは怖くて。高校を卒業してから、大規模なショーが売りだった和歌山の遊園地で働きました。

――和歌山で過ごした期間は?

下園 3年くらいです。私なりの下積みであり、修業ですね。面を着けてのアクロバットを学んで、アクションの引き出しを増やしました。あの経験がなかったら、今の私はこの場にいない。それくらい大切な3年間でした。

■ヒロインを演じる女優とは一心同体

――いよいよ上京。事務所に所属されて、本格的な活動が始まるわけですね。

下園 それが最初の頃は、なぜだか顔出しの仕事が続いたんです。舞台に立ったり、歌って踊って戦うガールズユニットとして活動したり。

――アイドル的な?

下園 私たちはアイドルだって認めてないんですけど(笑)。正直、心の底では「あれ? やりたいこととは違うぞ」って思っていました。振り返ると、遠回りにはなっても絶対にプラスの経験になったはずです。純粋に楽しくて、顔を出して演じる役者さん側の気持ちも知れましたから。

――スーパー戦隊との関わりは?

下園 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007年)の映画版での吹き替え(女優の代わりにアクションを演じること)が最初です。

それから何作かサポートや非レギュラー役で関わり、初めて戦隊の一員として参加したのが『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)のキョウリュウバイオレット役でした。ストーリーの途中から入ったので、準レギュラーという形でしたけど。

――やっと夢が叶(かな)いましたね。

下園 初めの一歩を踏み出したウキウキ感を、今でもしっかり覚えています。緊張して右も左もわからない状態で、どうやって役を作っていくのか試行錯誤の毎日でした。レギュラーとしては『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)が1作目になります。

――以後、現在放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』まで、レギュラー出演が続きます。

下園 どの作品にも愛着がありますし、キャストやスタッフとの絆(きずな)は大切な宝物です。

いちスーツアクターとして心がけているのは、ヒロインを演じる女優さんと一心同体でいる思いを強く持つこと。ふたりで演じているけど、変身するヒロインはただひとりです。お互いがお互いの動きを意識し合うリンク度を高めていくのが重要になります。

――「リンク度」についてもう少し詳しく教えてください。

下園 女優さんの動きのクセを見抜いてマネしたり、逆に私の動きから女優さんの役作りのヒントにしてもらったり。お互いの視点を近づけて、時には雑談のなかであれこれ提案し合って役を深めます。身長や体形が似ていると出だしからリンク度が高まりますが、そうならないことが多いです。

そうそう、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)では、リンク度を高めるために髪を30cmほどバッサリ切りました。子供の頃からずっとロングヘアだったので、私としては大きな決断です。

――工藤 遥さんと演じたルパンイエローのタイミングですね。

下園 ルパパトはスタントが多いぞって、クランクインの前から監督に言われていたんです。カツラだと着脱がいちいち面倒くさいですし、頭にピンが刺さった状態でアクションするのは危険なので。

だったら切っちゃおうと、実際に工藤さんの髪を切っている美容師さんを紹介してもらい、バッサリいきましたね。人生初のボブは忘れられない思い出です。

■時代の流れとスーパー戦隊

――『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)のマジーヌは、これまでの役柄とは毛色が違います。変身後の姿ではなく、「キカイノイド」というキャラクターですが?

下園 声優の宮本侑芽さんがかわいい声を当ててくださいましたけど、映像としては私自身がゼロから演じてキャラクターを作り上げなきゃいけない。そんな責任感と同時に、幸せも感じました。マジーヌはスーパー戦隊のヒロインを目指した夢のさらに先にあった、夢を超えた夢なんです。

――それまでの役作りとは違いましたか?

下園 キカイノイドだからといって、機械っぽいキャラクターにはしたくなかったんです。だから、より「人間」を意識しました。表情が変わらない分、動きで表現する上であくまでナチュラルに。身振り手振りを大げさにしないで、自然な動きを心がけました。

スーパー戦隊の魅力は1年間の成長過程を視聴者と共有することだと思います。最初から飛ばしすぎず、徐々にマジーヌの魅力を出せるように。新しい挑戦だったので、正直まだ演じ足りないです。

――放送中、マジーヌがたびたびTwitterのトレンドに入って盛り上がりました。

下園 宮本さんのお声が魅力なのはもちろん、マジーヌがホメられるとわがことのようにうれしかったです。人見知りで陰キャの女のコが、仲間との戦いを通して成長していく。インタビューの始めにも話したように、マジーヌが本物のヒロインになったと実感できる出来事でした。

――さて、3月6日より『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が始まりました。新シリーズの手応えはいかがでしょうか?

下園 まずタイトルにビックリしました。鬼退治? 鬼が仲間? 最初に内容を聞いたときは頭の中が「?」だらけ(笑)。私自身、物語の進展を楽しみにしながら現場に臨んでいます。手応えを感じるのはまだまだこれからですね。

――共にオニシスター(鬼頭はるか)役を演じる志田こはくさんの印象は?

下園 わりとおしとやかな外見なのに、動くと活発でメリハリがしっかりあるんです。監督すごいな、よく見抜いてキャスティングしたなって納得です。序盤から彼女のアクションシーンが多いので、いっぱい期待してください。

――『ドンブラ』では「ピンク」を男性が担当します。スーパー戦隊も時代の流れで役柄の価値観が変わってきました。

下園 スーパー戦隊オタクの私からしたら、やっぱり理想のヒロインはピンクなんです。スーツアクターになっていつかピンクを演じてみたい。ずっとそう憧れ続けてきましたから。紫、白、黄色......私、レア色からスーパー戦隊のキャリアがスタートした経緯もあって。

『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)で念願のピンクを演じられるまで時間がかかった分、ピンクへの思いが人一倍強いのかもしれません。でも、いつかセンターのレッドを女性が普通に演じる時代が来るかも。絶対ないとは言い切れないですよね?

――むしろ近い将来、実現する気がします。

下園 オタクとしてはセンターのレッドは男性であってほしいけど、また新しい夢ができましたね。マジーヌだって夢の先の夢でしたから。まだ先があるなんて、もっともっと頑張らなきゃです。

●下園愛弓(しもぞの・あゆみ) 
鹿児島県出身 身長158cm 
ジャパンアクションエンタープライズ所属 
公式Twitter【@Ayuuuuumii】 
公式Instagram【@veruayu】 

●マジーヌ 
キカイトピア出身 
(ゼンカイマジーヌ時)身長204cm 体重270kg 
スピード130km/h パワー1100馬力 
○並行世界を支配するトジテンドに立ち向かうため、五色田介人、ジュラン、ガオーン、ブルーンと共に機界戦隊ゼンカイジャーを結成。ゼンカイマジーヌにチェンジ全開し、魔法パワーを駆使して戦う。声は声優の宮本侑芽、スーツアクターは下園愛弓が務めている。Vシネクスト『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』が4月29日(金・祝)から新宿バルト9ほか、期間限定で公開予定。

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