あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。           

【今週のお悩み・第1回】妻と子供2人。給料は上がらず、小遣いも少なくて自由に使えるお金がほとんどありません。2万円を稼ぐ方法を教えてほしいです。(30代男性 会社員)

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まず答えるにあたって、給料がいくらか? 小遣いがいくらなのか?の情報はほしいですね。「自由に使えるお金がほとんどない」の、「ほとんど」とはいくらなのかの情報も必要です。ギャンブルをするにしても軍資金が必要なので、10円を2万円にするのと、1万円を2万円にするのでは全く訳が違うんですよね。

これは人生相談にもギャンブルにも言えることですが、答えを出すためには正確な情報が必要なのです。そのことを伝えられたという意味では、連載1回目として結果的に素晴らしい相談をしていただき感謝しております。

例えば給料が100万円の人の2万円なら2%を増やすことになり、20万円の給料の人の2万円なら10%増やさなければならないことになります。これは難易度でいったら全然違うんです。

「お金とは何か?」というと哲学的な感じがありますが、僕は「お金とは、お金を生み出すための道具」だと思っているんです。これはビジネスにしてもギャンブルにしても言えることです。僕自身、昔と今では軍資金が全然違いますから、昔に比べたら大きなリターンがあります。これは昔より勝てるようになったということではなくて、昔より軍資金があるから同じようなパーセンテージで勝ったとしても、額が大きくなったということなんですよ。

とりあえずいただいた情報で答えるとなると、僕なら給料を上げる方法と、小遣いを上げる方法を考えます。会社員だと給料を上げるのが難しいのは分かりますが、それを考えることが大事だと思います。

やり甲斐があって好きな仕事なら給料が安くても構わないと思いますが、そうでなければ極端な話、自分の働きと給料が見合わなければ辞めちゃってもいいと思います。

僕も以前はサラリーマンをしていましたが、24歳の時に夢で見た"ちょび髭の堀内孝雄さん似の神様"から「お笑いをやりなさい」と言われ、なんの保証もない芸人の道へ飛び込みました。

これはほんとギャンブルでしたね。当時サラリーマンでそこそこの給料を稼いでいて、それがいきなり0になるんですから。今思えば、人生最大のギャンブルだったかもしれません。結果的にどっちが将来的に稼げていたかは知るよしもありませんが、後悔はしていませんし、むしろ芸人になって良かったと思っています。

今週のギャンブル格言【情報収集は勝つための最低条件である】

話が大きく逸れましたので戻しましょう。小遣いに関しては奥さんとの交渉になるでしょうね。交渉術は人生において本当に役に立つと思います。ギャンブルの中にはポーカーのように相手の心理を読んだり、駆け引きをするものがあります。ギャンブルではありませんが麻雀もそうですね。そういうゲームが得意な人は、交渉も得意だと思います。交渉も心理戦なので。話す内容や話し方によって相手の反応も変わります。人は心ですから。

奥さんに小遣いを上げてもらう為にどんな交渉をするのか? どう交渉したら説得できるのか? 知恵を絞って挑戦してみてはいかがでしょうか。なんでもそうですが、どうせ無理と簡単に諦めずに、常に可能性を考えることが大事です。これはギャンブルをするにしても必要なことです。他人と同じことしか考えられないのなら、ギャンブルも勝てません。ただ、他人の倍考えても勝てる保証がないのがギャンブルなのですが。

まずは自由な2万円を稼ぐ方法を自分なりに限界まで考えてみてください。その発想ができるようになったときに、あなたは自分で答えを導き出せるようになっているはずです。



じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には4432万円の馬券を的中させたことも。「稼ぐギャンブル」(太田出版)など著書も多数         

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