グラビアライター・とりと、グラジャパ!スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』。
第50回・後編では前編に引き続き、グラビアや写真集につけられたタイトルについて。現役のグラビア編集者に聞いた、グラビアタイトルの付け方の秘密とは?(2回目/全2回)
■「#」「抜け巻」の新感覚ワードをミックス!?
とり グラビアのタイトルというと、この間、週プレ唯一の女性編集Nさんにタイトルの付け方を聞いてみたんですよ。
金髪 え、何て言っていたの?
とり 写真の雰囲気を見て決めることもあれば(染野有来『ぷるっぷるのぷりんっぷりん。』など)、現場で盛り上がったキーワードを入れてみたり(月足天音『斜め45度、困り顔の天使。』など)、写真とは無関係でも、そのコのキャラクターが出ている言葉を入れたりすることがある(竹内詩乃『私の"推し"は菅原道真公!』など)と話されていましたよ。
金髪 それは貴重な情報! Nさんと言えば、ポップでユニークなタイトルをたくさんつけている印象があります。さっき話していた浅倉唯さんもNさん担当だし。本当にスゴいよね。
とり それから、今どきはニュースサイトの記事がきっかけでバズることもあるじゃないですか。グラビアのタイトルにキャッチーな言葉が入っていると、記事のタイトルやそのコのコピーに使われて、そのコの存在が知れ渡る可能性もあると。そこを考慮する場合もあるんですって。
金髪 現役バリバリのグラビア編集さんのこだわり。参考になりますね~。それにしても、『ぷるっぷるのぷりんっぷりん。』はワードセンスが高すぎですけど(笑)!
とり なかなか独特なオノマトペですよね。もし思いついたとしても、私だったら、それだけをタイトルにする勇気はないなぁ(笑)。
金髪 「もう少し何か意味のある言葉をいれないと」って思っちゃいますよね(笑)。私がNさん担当のグラビアタイトルを見ていて「いいなぁ」と思うのは、流行に敏感なところ。「抜け感」とか「#(ハッシュタグ)」のような、女性誌やSNSで使われている流行ワードを取り入れるのも、比較的Nさんは早い気がするんですよね。
とり 武田玲奈さんの『オトナの抜け感』や坂口風詩さんの『#彼女感』がそうですかね?
金髪 そうそう。どちらもNさんの担当ですよね。私的に、新しい言葉を使いたくなるのは、女性特有の感覚なのかなぁと思うんですよね。男性は、もう少し分かりやすい言葉を選びやすいというか。
とり まぁ、あまり新しい言葉を使い過ぎると、かえって読者の方に伝わらない可能性もありますからね。
金髪 でも、もっと新しい言葉を使っていく方が良くない? もし分かりづらくても「え、何それ?」と興味を惹く可能性もあるだろうし。
最近、女性誌で「ニュアンスヘア」「ニュアンスネイル」という言葉をよく見かけるんですよ。言葉ではうまく言い表せられない雰囲気のある色味やデザインを指す言葉なんですけど、いつか「ニュアンスグラビア」も出てくるんじゃないかと、密かに楽しみにしているんですよね(笑)。
とり 「ニュアンスグラビア」かぁ(笑)。どんなのか想像できないですね。「雰囲気のある?」ってことは、抽象的でアーティスティックなイメージかなぁ?
とはいえ言葉は、使えば使うほど意味を帯びていくもの。実際、グラビアの内容を説明するときって、同じ言い回しばかりになりがちだし、どんどん新しい言葉をグラビアのなかで浸透させていけば、表現の幅も広がりそうですね。
金髪 それに最近は、本誌のアザーカットをまとめてデジタル写真集をリリースする流れが主流です。週プレの場合、本誌のグラビアタイトルとデジタル写真集のタイトルを別にするパターンもあれば、同じにするパターンもあるけど、いずれにせよ、どんなタイトルをつけるかで、デジタル写真集の売り上げに大きく影響すると思うんですよ。
とり 毎月、各出版社からたくさんのデジタル写真集がリリースされていますもんね。女のコのネームバリューも重要ですが、どれを買うか迷ったとき、タイトルは大きな判断要素になりそう。
金髪 だから、新しい言葉を使って興味を惹くのが今まで以上に大事なのかなって。それこそ『ぷるっぷるのぷりんっぷりん。』は、絶対にほかと被らないタイトルじゃない?(笑) 染野さんのファンじゃなくても、"ぷるっぷる"で"ぷりんっぷりん"な感触をイメージして、買いたくなる人もいる気がしますよ。
とり なるほどなぁ。新しい言葉を取り入れていくって令和的ですね! 何だか今回は、グラビアに携わる身として勉強になりましたよ。
金髪 あ、でもセクシーなグラビアを求めている男性読者からすれば、「成熟」くらいシンプルなタイトルの方が好きだったりして? ひらがなより漢字の方が不思議とエロい感じがするし......。
とり 分かります。「つやっぽい」より「艶っぽい」と書かれてある方が「艶」の一文字だけでグラビアの雰囲気が想像できる気がします。それに、画数が多いほど、漢字を構成する"はらい"をかき分けて中を覗いてみたくなる感覚もありますよね。まるで布をチラッとして肌を覗いてみたくなる感じというか。......ちょっとスケベですかね。
金髪 そ、それはよく分からない(笑)!
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