『週刊プレイボーイ』のグラビアに登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いをつづる連載シリーズ『初グラビア物語 ~My First Gravure Story~』。
今回は先週に引き続き、女優・森 日菜美さん後編。2020年6月『週刊ヤングジャンプ』29号でグラビアデビューし注目を集め、その約4ヵ月後『週刊プレイボーイ』44号に登場。またたくまに人気者の仲間入りを果たしました。
2020年5月からはスーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』ではフリント・ゴールドツイカー役で出演し、女優としても活躍する彼女。初グラビアの思い出から、グラビアへの思いまでを聞きました。
――記念すべき初グラビアは、千葉県・鴨川市のビーチや旅館で撮影されたそうですね。カメラマンは、グラビアのきっかけをくれた中山雅文さん。現場ではどんな感じでしたか?
森 すごく緊張しました。自然な表情ができないし、動きもカクカクしてロボット状態。中山さんの言うことに耳を傾けて、必死に従いました。
――中山さんにもお話を伺ったんですが、最初はビーチを一緒に走りながら撮影して、森さんの緊張を解こうとしていたそうです。
森 中山さんがそうおっしゃってたんですか!? 確かにそうだった気がします、走りました! あれはそういう意図があったんですね。
あと、今思い出したんですけど、中山さんは撮影しながらいろいろ語りかけてくれたんです。「好きな食べ物は何?」とか、何気ないことなんですけど。グラビアって撮影を意識してするものではなく、楽しみながらするものなんだなって。そう思ったら気持ちも楽になりましたね。
――撮影が進行するにつれて表情も和らぎ、楽しくなってきたと。
森 そうですね。気づいたら終わっていました(笑)。撮り終わったときは、学校のテストを終えた後のような開放感というか、すごくホッとしたのを覚えています。
――できあがった誌面を見た感想は?
森 イメージしていた"グラビア"の雰囲気そのままでしたね。海があって笑顔があって、みたいな。うれしかったけど、冷静に見られたかも。
それ以上に、発売当日コンビニに行く直前のほうがドキドキしました。「ついに出るんだ」「たくさんの人に見てもらえるんだ」って。それと、「期待に応えられたかな」という不安も同時にありました。
実際にコンビニに行ったときは、自分が出ているヤンジャン(ヤングジャンプ)を見つけ、棚の一番前に出して「どうかお願いします! 私を知ってもらえますように! 好きになってもらえますように!」ってお祈りしました。
――発売後、読者からは「可愛い!」「こんな子がいたんだ!」と大反響でしたね。
森 ありがたい声をたくさんいただきました。特にSNSのフォロワーが増えて。それまでは300人くらいだったんです、それが一気に何倍にもなって本当にびっくりしました。あと、東宝芸能の若手女優が水着グラビアを披露するのは珍しいってことでニュースサイトでもたくさん取り上げてもらいました。それもうれしかったです。
――周りの反応は?
森 喜んでくれる人はいたけど、「あ、出たんだ」みたいな人も。でも確かにそうなんですよね。たった一度撮っていただいただけですから。これをきっかけに新しい仕事を決めないと、グラビアをやった甲斐はないし、ただの「思い出作り」で終わっちゃう。自分もそんな浮かれられなかったです。
――シビアですね。
森 ずっと自分と葛藤してきた時期があったので、そう簡単にいかないことはわかっていました。そうしたら今度は週プレ(週刊プレイボーイ)さんから撮影のお話をいただいて。しかもヤンジャンさんを見て興味をもたれたとか。お仕事がつながっていくことがうれしかったです。
――週プレの撮影は静岡県の富士山麓で撮影されたとか。印象に残っているのは?
森 週プレさんのグラビアは、叙情的で大人っぽいイメージがあったんです。なので笑顔だけでなく表情全般、そして全身で見せられるよう意識しました。
あと編集さんが熱い方で、カメラマンさんに「森さんのその動きを意識してもう少し撮ってください」とか、撮影中、私を見てくださっているんです。それに応えたくて気合いが入りました。
――出来上がった週プレの誌面を見たときは?
森 初グラビアのときより、自分に満足できました。あと週プレさんのグラビアって文章が載るじゃないですか。あれが素敵で。
――グラビアポエムですね。賛否ありますが、週プレの伝統です。
森 ラストページに「君はスター。明るい未来はすぐそこだ」って書いてあったんです。背中を押してくれているようで感激しました。何度もページを見返して、よしもっと頑張るぞって思いましたね。
――その後、森さんは数々のグラビア誌、漫画誌に登場、写真集も発売されるなど、人気が高まっていきました。そして2021年に『機界戦隊ゼンカイジャー』にフリント・ゴールドツイカー役で出演。現在、ドラマなどで精力的に活躍しています。
森 初グラビアから数ヵ月たって『FRIDAY』さんで、初登場にして表紙を飾らせていただいたんです。そこで初めて自分に自信が持てたというか。
それまではSNSのフォロワーが増えても、自分への評価に対し半信半疑だったんです。でも、事務所の方々にも「グラビア見たよ!」「今回もよかったね」って声をかけてもらえるようになりましたし、これは素直に受け止めていいのかなって。「私、これからイケるんじゃない!?」って少しだけ思えるようになりました。
――なるほど。ちなみにこれまでで最も印象に残っている撮影は?
森 いろいろありますけど、週プレさんでいえばやはり1回目ですね。湖に浸かるシーンがあったんです。その水があまりの冷たさで、思わず涙が溢れてしまって。でもカメラマンさんは、その瞬間の表情を収めたく、シャッターをきり続けていて。
私もその期待に応えようと頑張ってみたものの、上がったページを見たら、使われていなくて!(笑) あのときの情景は今でも思い出します。身体を張りながらの撮影だったからこそ、良いものが撮れたという自信が生まれ、次に繋がりました!
――1枚の写真として素晴らしくても、全体の構成の中ではどうしても入れられないこともあるというか。グラビアあるあるですね(笑)。森さんが考えるグラビアの楽しさはなんでしょう?
森 自分が主人公になれることです。お仕事において、そんな光栄な機会ってなかなかないじゃないですか。でもグラビアは沢山のスタッフさんが自分の為だけに動いてくださり、本当にありがたい環境で。
ただしその分、体型維持をはじめ自分もそれに見合うよう努力しなくちゃいけない。頑張ろうってモチベーションになるのが楽しいです。
それと、何といっても大勢のスタッフさんとひとつのものを作り上げていくことです。全員が高い熱量を持って気持ちをひとつにしていく。完成したものを見たときの喜びは言葉では言い尽くせないです。
――お芝居に役立ったことは?
森 カメラの前の佇まい、あと表情の作り方などですかね。ただ立っているだけ、あるいは目だけで気持ちを訴えようとする表現は写真では特に大切で。それはお芝居にも役立っている気がします。
――拝見していて思いますが、森さんのグラビアは人懐っこい笑顔といい、全身から醸し出される雰囲気といい、どれも親近感を強く感じさせますね。
森 それ、すごく嬉しいです! 私自身、まさしく親しみやすさを感じてもらえる女優を目指しているんです。グラビアでの表現がそのままお芝居でも、うまく伝わっていけばいいなと思いますね。
――では、今後どんな撮影をしたいですか?
森 いつか本当に特別な場所で撮影してみたいですね。世界遺産とか、あとオーロラの中みたいに、限られた瞬間でしか見られない光景の中だったりとか。
――オーロラ!!
森 あ、でもオーロラってすごく寒い中でしか見られないんでしたっけ? もし実現したら自分の身体との闘いに負けて、泣いちゃったりするのかな(笑)。でも、それはそれでグラビアの面白さでもあると思うので、成長します!(笑)
――最後にグラビアをやってよかったと思います?
森 もちろん。何より自分を肯定できるようになりました。グラビアに挑戦するまでは「この先どうなるんだろう」って毎日が不安だったんです。それがグラビアを通じて、自分にだって可能性があるんだ、もっとやれるんだって思えるようになって。
いまは女優として頑張りたいし、それ以外にも勉強して資格を取ろうとか、野望ばかりが膨らんでいます。毎日が楽しくて仕方ないです。
●森 日菜美(Hinami MORI)
2001年3月30日生まれ 東京都出身
身長163㎝ 血液型=B型
趣味=水泳、スポーツ観戦
○2014年、東宝芸能創立50周年記念オーディションに合格。ドラマ、ラジオ、バラエティ、映画などに幅広く出演中。2月まで放送されていた『機界戦隊ゼンカイジャー』では、ヒロインのフリント・ゴールドツイカー役を務めた。
6月17日(金)公開予定の映画『恋は光』に春役で出演。1st写真集『もりだくさん。』(講談社)が発売中。
公式Instagram【@hinami_mori】
公式Twitter【@hinami__mori】
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