6月2日に神奈川県・川崎クラブチッタでお披露目された新しいアイドルグループ「パラレルサイダー」。緊張あり、涙ありの初ステージを終えた彼女たちを引っ張るのは、4年前に一度アイドルとしての道を諦め、今回再び立ち上がったセンター・天白(あましろ)にこだ。

今回、週プレNEWSはそんな彼女にインタビュー。アイドルとの出会いや、アイドルとして再び立ち上がった経緯などを聞いた。

■アイドルになる前から推してくれる人がいました!

――まずはパラレルサイダーがどんなグループなのか教えてください。

天白 まだ生まれたてですけど、アイドルらしいかわいい要素も、ガツガツ踊るかっこいい要素もあるグループで。自分で言っちゃいますけど見てて楽しいと思います! 5人のメンバーが揃ったのもここ数ヵ月の話なんですけど、短期間ですっごく仲良くなって。いつもにぎやかです。

――そんな5人の中での天白さんの立ち位置は?

天白 昔からダンスをやってたので、隠れダンスリーダーです(笑)。レッスン中になると結構口調が強くなっちゃうので、そこは反省点なんですけど。あと、メンバーからは「一番うるさい」って言われます。楽屋とかでも、流れてるBGMに合わせてずっとふざけて変顔で踊ってたり......。

――メンバーに天白さんについて聞いたところ、「中学生みたい」と表現した方もいました(笑)。昔からにぎやかなタイプですか?


天白
 "陰"か"陽"かでいうと、根っからの"陽"だと思います。人見知りではあるので、学校とかだと2、3日はかしこまって物静かなんですけど、まわりの人に慣れてくるとずっとうるさい感じで。小さい頃もお父さんが運転する車の中で、クリスマスソングに合わせて座席で立って踊ってたのを覚えてます(笑)。

――微笑ましい!(笑)。中学からダンスをやっていたそうですが、もっと小さい頃から踊ることが好きだったんですね。

天白 ですね。でも、ダンスを始めたきっかけは偶然なんですよ。運動が苦手だったので華道部か茶道部に入ろうと思ってたんですけど、友達が「ダンス部を見学したいからついて来て」って言うから嫌々ついて行って。で、そこでその一体感とか、集団で頑張ってる姿に「かっこいい! 私もこうなれるかも?」って思って、その日に入部しちゃったっていう。

――なるほど。当時の思い出とかありますか?

天白 中学の頃の思い出......私、その頃から推してくれる人がいました!

――まさかの"推し"!? ダンスを見てファンになった人とか?

天白 いや、それがダンスは関係なくて(笑)。中高一貫の女子校だったんですけど、4つ上の先輩が中1の頃から推してくれてました。ある日、廊下ですれ違ったときに「あのコかわいい」って言ってくれたのが聞こえて。そのときは私、一緒にいた友達が褒められてると思ってたんですけど、後日、その先輩は私の教室に来て。「いた! ねぇ、ちょっと来て」って教室の入口に私を呼び出すんです。

――自分が「かわいい」と言われてると思わないから、ちょっと恐怖ですね。

天白 中1から見た高2って大人だし、「私、何かやらかした......?」って(笑)。でも何か怒られるとかじゃなくて、先輩は単に「かわいいね」「推すね」って言いに来てくれただけで。びっくりでしたけど嬉しかったです。

――不思議な先輩......。「推すね」って、どんな感じだったんですか?


天白
 ダンス部は文化祭でもステージをやるんですけど、先輩はそこでも私の名前を叫んだり、うちわを作って応援してくれたりしてました(笑)。うちの学校、結構特殊というか、そういう"陽"な雰囲気なので他にもうちわを作られてるコがいたんですけど。でも今思うと、その頃から自分がアイドルやってるみたいな感覚にさせてくれた先輩には感謝ですね......。

あと、そういえば、私をアイドルオタクに引き込んだのも先輩で。先輩はエビ中(私立恵比寿中学)さんのファンだったんですけど、いつも私にCDをくれて。

――握手会とかチェキ会のために買った大量のCDを知り合いに配る、いわゆる「配布芸」ですね。

天白 そうです。そこでエビ中さんを知って、そのあとお母さんと一緒に買い物してるときに、たまたまエビ中さんがリリイベをやってるところに出くわして。「生で見たらもっとかわいい! 私も握手してみたい!」って思って、CDを買ってオタクになりました(笑)。それが私とアイドルの出会いです。

■悔しさが今の原動力なんです

――アイドルオタクかつ自分のことを「推し」と言いながら応援してくれる先輩だと、「にこもアイドルになってよ」とか言われませんでした?


天白
 言われましたね(笑)。でも、私はダンスしかしてなかったし、自分がやろうと思ってもやれるものじゃないと思ってたので。

――では、そこからどうして前のグループに?

天白 高2の冬ですかね。友達と渋谷の109に遊びに行ったときに、定期的にお店に来てる"会いに行けるモデルさん"みたいな方が来てたんですよ。むっちゃかわいかったから「かわいいです」って言いに行ったら、その近くに前のグループのオーディション募集のポスターが張ってあって。その人に「これ受けてみなよ。受かるよ!」って言われたのがきっかけです。

――推してくれた先輩のように、『かわいい!』と言いに行ったら、アイドルを薦められたと。すごい流れですね(笑)。

天白 結局、そのオーディションの合格者は私だけで。「◯.5期生」っていう、AKB48の篠田麻里子さんみたいな形で加入しました(笑)。当時は「受かったからやってみよう」って、ふわっとした気持ちでアイドルを始めたんですけど、今思えばあんまりよくなかったなと......。

――というと?


天白
 そんな理由で始めたから「これで生きていきたい」とは思わなかったんです。学校は私立の普通科だったので融通がきかなくて、きちんと通わないと卒業できないから、試験期間になるとツアー中でも自分だけ関東に帰ったりすることも多くて。「これはアイドルと学業、どちらもおろそかになるな」と思うようになって、メジャーデビュー直前だったんですけどグループを卒業しました。

――たしかに当時の卒業理由も「学業を優先するため」でしたもんね。でも、そのタイミングでの卒業だとかなり悔しかったのでは......。

天白 逆にメジャーデビューがあったから踏ん切りがついたところもあるんですよね。メジャーになるとどんどんリリイベが増えるんですけど、「ライブを欠席するとメンバーに迷惑をかけちゃうし、でもこのままだと学業もおろそかになっちゃう」って思ったのが大きかったです。

で、卒業後は4年制の大学に進んだんですけど......辞めてから時間が経つにつれて、どんどん「どうして辞めちゃったんだろう」って気持ちが強くなっていきました。前のグループは、カラオケで流れてる番組にも呼ばれてるし、フェスでエビ中さんと同じステージに立っていくし、どんどん大きくなっていって。大学生活はほぼ毎日「やっぱり辞めなきゃよかった」って思ってました。はっきり言います。悔しかったです(笑)。

――笑うところじゃないかもしれませんが、ここまではっきり言う人、初めて会いました(笑)。

天白 この悔しさが今の原動力なんですもん。前のグループを卒業してから、本当にどんどんアイドル熱が高くなりましたし、自分が詳しくないグループのステージを見るだけでも泣いちゃうようになったりもしました。「舞台袖から出た瞬間、たくさんのペンライトやお客さんが見えるんだろうな......」って、想像するだけで涙が出てきてたんですよね。


――なるほど。相当な悔しさはよく伝わりました。でも、大学在学中にアイドルに復帰する手もあったと思うんですが、そうしなかったのも「学業優先」ですか?

天白 そうですね。カウンセラーの免許を取ったりして授業は結構忙しかったし、学校自体も遠かったので。在学中はTikTokで日々投稿しながら、「卒業したらアイドルやるぞ!」と思って過ごしてました。

その頃から「インフルエンサー」ってカテゴリで呼んでくれる方が増えたんですけど、私は何かに特化した投稿をしてたわけではないので、そう扱っていただくのは間違ってると思ってたんです。なので、肩書きが"アイドル"になった今、自分が何をすべきかはっきりしてすごく充実してます!

――今、アイドルとしての夢はなんですか?


天白
 デビューしたばかりで、何ができて何ができないのかまだわからないですけど、この"5人"で、誰ひとり欠けることなく揃って成長していきたいです。前のグループでは同期がいなくて、正直寂しさを感じることも多かったんですけど、今は全員が同期なので。

――たしかに! 大切にしたい5人なんですね。

天白 はい! そして、地下アイドルだって武道館を目指すことはできるし、全員でグラビアやって、雑誌の表紙を目指すことだってできると思うので。大きいことを5人で言って、ひとつひとつ叶えていきたいです。

天白にこ(あましろ・にこ)
2月8日生まれ 神奈川県出身 身長152cm 血液型=O型
nickname=にこちゃん
趣味、特技=ダンス、メイク研究、お笑い鑑賞
◯今年6月にお披露目された「パラレルサイダー」のホワイト担当。自身のキャッチフレーズは「いつでもどこでも明るい泣き虫ちゃん!」。
公式Twitter&公式Instagram&公式TikTok【@nico_parasai】