週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ『初グラビア物語 ~My First Gravure Story~』

今回は前回に引き続き女優・奥山かずささんの後編。2016年、22歳の時にオスカープロモーション主催「第1回ミス美しい20代コンテスト」で準グランプリを獲得。2018年に『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で明神つかさ・パトレンジャー3号を演じ、大きな話題に。現在、女優として幅広く活躍する奥山さん。

今回は『週刊プレイボーイ』に初登場し、掲載されたグラビア(2018年53号/12月17日号)の話を中心に、彼女のグラビアへの思いについてを熱く語ってもらいました。

* * *

――『ヤングマガジン』の初グラビアから、約4ヵ月後。『週刊プレイボーイ』で初めてとなるグラビアが掲載されました(2018年53号)。『平成最後のニューヒロイン!奥山かずさの魅力に迫る。』のタイトルで、全7ページ。この撮影で、印象に残っていることはあります?

奥山 現場に入ったら、編集さんに「今日はポーズをとらなくていいから」「キレイに見せなくていいよ」って言われたことですね。

初グラビアの撮影で、「こういうポーズをしたらいいのかな」「喜んでくれるかな」ってなんとなくわかったつもりだったんですけど、それをひっくり返されちゃって。思わず「え?」って聞き返しちゃいました(笑)。

――それはどういうことだったんですか?

奥山 何より自然な姿を撮ろうとしてくれたんです。とはいえなかなか難しくて。撮影中、編集さんがカメラの後ろに立って、じっとこっちを見ているんですけど、意識すると体が固くなっちゃう。なるべく見ないようにしていました(笑)。

週刊プレイボーイ2018年53号(撮影/岡本武志)より 週刊プレイボーイ2018年53号(撮影/岡本武志)より

――緊張はしました?

奥山 しなかったです。これまでグラビア撮影で私、緊張したことないんですよ。ただ週プレさんのグラビアってマンガ誌に比べ、大人っぽいテイストじゃないですか。正直できているのか、少し不安でしたけどね。

仕上がりを見たら、自然なんだけどちゃんと大人っぽい自分が写っていました。こんな自分もいるんだなと感動しました。

――そしてその2ヵ月後、週プレに2回目のグラビア『マイナス8度の吐息。』が掲載(2019年8号)され、今度は表紙にも抜擢されました。その時は雪の中でのグラビア撮影でしたね。

奥山 週プレさんの最初の撮影の時、軽いノリで「雪ってレフになってキレイに写るんですよね。次は雪のグラビア撮りましょう」って言ったんです。そうしたらすぐ青森でロケが組まれて、撮影が決まっていました(笑)。

週刊プレイボーイ2019年8号(撮影/岡本武志)より 週刊プレイボーイ2019年8号(撮影/岡本武志)より

――雪景色の中のグラビアって、タレントさんが笑顔を浮かべているから楽しくやってるように見えますけど、じつはそんなことはないというか。そもそも零下の気温下で水着姿を何枚も撮るんだから、写る方も撮る方も必死ですよね。

奥山 そうなんです(笑)! この時は、雪の中で撮って震えながら近くの温泉に入って、少し休憩して、また雪の中に戻って......というのを1時間ほど繰り返しました。そうしたら途中、吹雪になっちゃって。さすがにその時は怖くて思わず「ギャーッ!」って声が出ちゃいましたね。でも十分ガッツは出せたと思います!

――さすが元スポーツ女子です(笑)。その後も週プレには継続して登場していただき、グラビアは現時点(2022年6月末)で合計13回。この中で転機になったと思うグラビアはありますか?

奥山 『葛藤。』ですね(2020年6号)。中村昇さんに撮っていただいたんですけど、ドラマのように物語性を感じるグラビアを撮っていただきました。

昇さんは私のタイミングでは絶対シャッターを切ってくれないんですよ。「準備できました! お願いします!」って言おうとした瞬間には撮り終わってる(笑)。でも写真を見たらそれまで見たことのない素のままの私が写っているんです。それが新鮮で。

私は割と極端な性格で、グラビア撮影の時、今回はこういうふうにするぞ、みたいに考え込んで臨むところがあったんです。でも昇さんとの撮影を通じ、グラビアはそんな力まなくてもいい、もっと自由でいいんだってことがわかり気持ちが楽になりました。

週刊プレイボーイ2020年6号(撮影/中村昇)より 週刊プレイボーイ2020年6号(撮影/中村昇)より

――この時は背中を剥き出しにするグラビアなど、それまで見られなかったような大胆なカットもありました。これを撮影した時期は『ルパパト』終了時から1年余。これは私見ですけど、自分のイメージを変えたいという意識があったのではないですか。

奥山 それはありましたね。やはりパトレン3号の奥山かずさだけでなく、女優・奥山かずさとしてもっとスキルアップしたいと思っていましたから。あとグラビアを始めて2年近くが経ち、自分でもただ可愛く撮っていただくだけでは、物足りなさを感じてきたのもあって。ファンの方にも新しい自分を見せたいという気持ちでいっぱいでした。

――個人的に週プレのグラビアで、奥山さんの変化を大きく感じたのは2020年19・20合併号の『#リアルセルフィー』です。この時のグラビアはなんとすべて自撮り。ナチュラルメイクで、衣装もすべて自前と100%飾らない姿が掲載されています。

この企画は奥山さん自身が週プレに提案したものだそうですけど、これは普段の姿を見せられるほど、自分に自信がついてきたのかなと。

週刊プレイボーイ2020年19・20合併号(撮影/奥山かずさ) 週刊プレイボーイ2020年19・20合併号(撮影/奥山かずさ)

奥山 この時はコロナ禍だったので、自宅にいながら何か自分にできることはないかと思ったのと、あと箸休めみたいな気持ちから企画を提案しました。こういう力が抜けたものがないと、常に「葛藤」している女優だと思われますし(笑)。

でも確かにそれ以前だったら自撮りしてグラビアにしちゃうなんて考えられなかったかも。がむしゃらにではなく、余裕を持って自分のことを見られるようになったから、こうしたセルフプロデュースができるようになったのかもしれません。

――セルフプロデュースといえば『癒し系ボディに仕上げました。』もそうですよね(同年50号掲載)。過去一番ふくよかな体型で臨んだグラビア。この時は撮影前敢えてボディメイクしなかったとか。

奥山 そうです。体型そのものを変えてみようかなって。無理にたくさん食べたりはしなかったけど、筋トレをやめたら2、3キロ増え、大きくなってほしいところがちゃんとそうなりました。「へ~、こうなるのか」って勉強にもなりましたね。

週刊プレイボーイ2020年50号(撮影/田口まき)より 週刊プレイボーイ2020年50号(撮影/田口まき)より

――奥山さん自身、これまでのグラビアで一番のお気に入りは?

奥山 えーっ! それは難しいな。強いて言えば『I LOVE SHORT CUT』(2022年13号)かな。

――長かった髪をバッサリ切って、ショートカットヘアで臨んだグラビアですね。現時点での最新グラビアです。

奥山 大学生までずっとショートで、お仕事を始めるにあたり役の幅が広がるからって伸ばしてきたんですけど、ようやく事務所からもOKが出て。読者からの反応には不安もありましたけど幸い評判もよかったし、最新の自分をお見せできたのが嬉しかったですね。

週刊プレイボーイ2022年13号(撮影/笠井爾示)より 週刊プレイボーイ2022年13号(撮影/笠井爾示)より

――こうして振り返ってみると、奥山さんのグラビアは常にアップトゥデートしている感じがありますね。

奥山 その言い方をしていただけるのは嬉しいですね。まさに私、撮影の度にもっといいものにしたい、アップデートしたいって気持ちがすごく強いんです。つい新しいことをやりたくなっちゃうんですよね。

――なぜそこまで?

奥山 初めてグラビアを見た時、女性の体のキレイさに惚れ惚れして、それこそ芸術的だなくらいに思ったんです。だから私の中でグラビア撮影は作品を作っている意識なんです。だから現状には満足できない。

だから何でもいいので感じてほしいですね。「キレイ」でも「可愛い」でも「ストーリー性がある」でもいいし、それこそ「エロい」でもいい(笑)。何かを感じてもらえるから、表現する意味があると思うので。

――初グラビアから4年。奥山さんにとってグラビアのやりがいは?

奥山 まずは単純にキレイでいられることですね(笑)。ストイックに体作りをしているわけじゃないですけど、見られていることを意識することで体型維持しなきゃとか、確実に意識は高まりますから。

あとはなにより自分と向き合えること。グラビアって、ファッション系の撮影や女優として演技している時と違って、自分自身を撮ってもらうもの。だから写真を見た時に、いまの自分がわかる。それがすごく面白いです。

――グラビアをやってきてよかったですか?

奥山 もちろん。やっていなかったら、それこそセルフィーだって、ショートヘアだってできなかったです。グラビアを通じて自分のことをしっかり見られて、わかるようになったから、セルフプロデュースだってできるようになりました。

そしてそれはグラビアだけの話ではないです。奥山かずさとして、次は何ができるんだろう。自分自身、成長を重ねてもっと自分の表現に磨きをかけていきたい。グラビアは私の背中を押してくれました。

■奥山かずさ(Kazusa OKUYAMA)
1994年3月10日生まれ 青森県出身
身長164㎝ 血液型=B型
○オスカープロモーション所属。ドラマ、舞台などを中心に幅広く活動中。
公式Twitter 【@okuyama_kazusa_】
公式Instagram 【@kazusa_okuyama_official】

奥山かずさデジタル写真集『マイナス8度の吐息。』撮影/岡本武志 価格/1320円(税込) 奥山かずさデジタル写真集『マイナス8度の吐息。』撮影/岡本武志 価格/1320円(税込)

奥山かずさデジタル写真集『葛藤。』撮影/中村昇 価格/550円(税込) 奥山かずさデジタル写真集『葛藤。』撮影/中村昇 価格/550円(税込)

奥山かずさデジタル写真集『癒し系ボディに仕上げました。』撮影/田口まき 価格/880円(税込) 奥山かずさデジタル写真集『癒し系ボディに仕上げました。』撮影/田口まき 価格/880円(税込)

奥山かずさデジタル写真集『I LOVE SHORT CUT』撮影/笠井爾示 価格/1100円(税込) 奥山かずさデジタル写真集『I LOVE SHORT CUT』撮影/笠井爾示 価格/1100円(税込)

☆奥山かずさのグラジャパ!プロフィール

『初グラビア物語~My First Gravure Story~』
【週プレ プラス!】+コラムと『週プレNEWS』にて毎週水曜配信
https://www.grajapa.shueisha.co.jp/plus
*『週プレ プラス!』(30日間、税込1500円/初回&クレジットカード決済限定 30日間無料)は『グラジャパ!』で加入できるグラビアに特化したサブスクリプションメニューです。