デジタル写真集『コンプライアンス』（撮影／細居幸次郎）より。顔のかわいさに注目！
グラビアライター・とりと、グラジャパ！スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報～女子のためのグラビア講座』。
第５５回は、グラビアアイドルたちがこぞって"憧れている"と語る、頓知気さきなについてトーク！
"かわいい"が持つ影響力
とり 最近、グラビアアイドルさんのインタビューで「頓知気さきなさんに憧れています」といった声をよく耳にします。以前、このコラムで女子トークさせていただいた菊地姫奈さんも「頓知気さんのグラビアが好き」と話されていましたし、週プレＮＥＷＳで公開されている記事によると、ＳＫＥ４８の江籠裕奈さんや宮崎あみささんも頓知気さんのグラビアをチェックしているみたいですよ。
金髪 頓知気さん、人気だなぁ。Ｔｗｉｔｔｅｒを見ていても、たびたび頓知気さんのファンの女のコが「頓知気のおかげでグラビア好きになった！」とつぶやいているのを見かけますよ。影響力がありますねぇ。
とり これまでグラビアに興味がなかったコが、頓知気さんをきっかけにグラビアの良さを知る。スゴい話ですよね。それほどの影響力を持っているのは、どうしてなんだろう。
金髪 第一に、姉の戦慄かなのさんとやっているセルフプロデュースによるアイドルユニット・ｆｅｍｍｅ ｆａｔａｌｅで女のコから人気があること。あとは、若いコが購読するファッション誌にもたくさん出ていることが大きいんじゃないかな。
とり やっぱりファッション誌でモデルをやっているコのグラビアは、女のコ受けも良いんですかね？
金髪 というより、そもそもファッション誌に出ているのは、女性に支持されているからですよね。大前提はそこ。頓知気さんのグラビア云々ではなく、みんな、頓知気さんという存在が大好きなんですよ。
そんな頓知気さんに憧れているファンのコからすれば、頓知気さんが好きなものや、頓知気さんが自ら率先してやっていることは、グラビアに限らず何でも魅力的に映るんだと思います。もし頓知気さんが「今は車のカスタムにハマってる」なんて言えば、みんな多少の専門用語くらいは覚えるだろうし。
とり な、なるほど！カリスマ性を感じますね。グラビアをやっている女のコたちが憧れているのは、頓知気さんの影響力の強さや存在感にあるってことなのかな。
金髪 そうだと思いますよ。それに最近は、アイドルにしろグラビアにしろ、顔のかわいさでヒットするパターンが格段に増えてきていますよね。楽曲が良くて人気が出るアイドルもいれば、胸が大きくてバズるグラビアアイドルもいるけど、顔のかわいさを武器にファンを惹きつけているコも珍しくはない。
むしろ、分かりやすいくらい顔がかわいい方がＳＮＳでは拡散されやすいんです。言ってしまえば、頓知気さんの女のコ人気は、単純に"頓知気さんの顔がかわいいから"で十分説明できる気がしますよ。
とり "かわいい"の基準は人によって違うとはいえ 、女のコって、純粋にかわいいモノが好きですもんね（笑）。とはいえせっかくなので、今回は、顔だけではない頓知気さんの"かわいい"について考えてみません？ほかにも顔がかわいいグラドルさんがいっぱいいるなかで、なぜ頓知気さんに注目が集まっているのか。気になりますよね。
金髪 えっ、"かわいい"を言語化するの難しくない！？ うーん。何だろう......。とりさんは、どう思います？
とり 頓知気さんの内面にある美的感覚やマインドが、より頓知気さんの"かわいい"を際立たせているのかなとは思いますね。「男の人は視覚的に恋をする」と言うのに対して、女の人は、視覚以外の感覚をも複合的に働かせて魅力を感じ取る生き物じゃないですか。絵を描くのが上手だったり、楽観的な性格だったり。無意識のうちにパーソナリティを踏まえたうえで、溢れ出る"かわいい"を感受している気がしますね。
金髪 なるほどね。内面的なかわいさがあるのは私も同感ですよ。
とり 少し話はズレますが、私、思うんです。ただの写真は抽象的でも良いけど、グラビアは写真の裏付けがあった方が絶対に良いって。そのコがどんなコで、何をしているコなのか。どんな感性で、今、何を目指しているのか。
写真だけでは知り得ないパーソナルな部分が知れると、グラビアから掻き立てられる想像も膨らみますし、応援したい気持ちも芽生えやすい。そうやって複合的な視点から女のコを好きになってもらえるのがグラビアの力であり、役割なのかなって。
金髪 そうだね。
とり その点、頓知気さんのパーソナリティは、グラビアに携わっている人やグラビアファンの間では有名ですよね。例えば、８０年代アイドルの写真集を集めるのが趣味だとか、自ら率先してグラビアをやっているとか。
ファンのため、仕事の幅を広げるためなど、グラビアに挑戦する理由は数あれど、頓知気さんは"自分の気持ち"を優先して、グラビアを楽しんでいる。その前提でグラビアが見られるからこそ、頓知気さんの自己表現として、率直に「かわいい」と思えるのかもしれないですよね。
金髪 本人がグラビアに積極的であればあるほど、読者側も安心して楽しめますもんね。
とり で、何が頓知気さんのかわいさを裏付けているのかを考えてみると、いちばんは、時代に流されずに自分の美的感覚を貫いているところだと思うんですよね。というのも、今年３月に発売された写真集『ＣＯＮＣＥＰＴ』（ＫＡＤＯＫＡＷＡ）では、８０年代アイドルへのリスペクトから、あえて程よい肉付きのムッチリボディを目指す「デブエット」をされたんですって。
過度なダイエットに励む女のコが多いなかで、多様的な"かわいい"の価値観を提示してくれている存在ですよね。実際、頓知気さんのスタイルに憧れるコも多いわけですし。
金髪 いつの時代も、人気が出るコは自分のセンスを貫いているよね。時代に乗っかるんじゃなく、自らムーヴメントを作る勢いがあるからこそ、憧れの対象になるというか。
とり ＳＮＳに「頓知気のおかげでグラビア好きになった！」といったつぶやきがあるように、これまでグラビアとは無縁だったコたちにグラビアの世界を知ってもらうチャンスを作ったのは、ひとつのムーヴメントですもんね。グラビアの認知を広めているという意味で頓知気さんは、今後のグラビア界には欠かせないホープ。その影響力を考えると、同業の女のコたちから頻繁に名前があがるのも納得ですね。
「かわいいからって、みくびってんじゃないよ！」
金髪 それにしても、頓知気さんのデジタル写真集『コンプライアンス』は素晴らしかったですよね。個人的には、歴代の「グラジャパ！」作品のなかでも上位にくるくらい、好きなコンセプトでしたよ。
とり おぉ、どんなところにグッときたんです？
金髪 まず、グラビアのコンセプトである「コンプライアンス」は、頓知気さんデザインのオリジナルキャラクター「コンプライアンスウサギ（ビキニを着用したムッチリスタイルのうさぎのキャラクター）」から着想を得たそうなんですね。リアルにコンプライアンスと戦い続けている頓知気さんならではのグラビアなんだと思うと、良くぞやってくれた！ って感じで。
デジタル写真集『コンプライアンス』（撮影／細居幸次郎）より
とり コンプライアンスと闘い続けている、というと？
金髪 コンプライアンスは「ルールやモラルを守る」といった意味の言葉ですよね。ただ頓知気さんは、さっき話したみたいに"自分の気持ちを優先"して芸能活動をしているイメージで。ファンが求める理想でい続けるのがアイドルだとすれば、ファンの理想より自分の理想を貫く頓知気さんは、"アイドルのモラル（暗黙の了解）"に抗っているとも捉えられるわけですよ。
とり 確かに頓知気さんは、男ウケ、女ウケを気にせず、自分のやりたいことを自由にやっている印象がありますね。客観的に見て、どの活動も楽しんでいそうです。
金髪 これを実現できているのは、セルフプロデュースでファンを獲得してきたｆｅｍｍｅ ｆａｔａｌｅのスゴさでもあるし、言うなれば、アイドル的なコンプライアンスと闘い続けているからだとも思うんですよね。まぁ、コンプライアンスに抗う目的で活動しているユニットではなく、あくまでも、本人たちがやりたい世界観を追求した結果なんでしょうけど。
とり そんな頓知気さんだからハマったコンセプトだったと。そう言われてみると、グラビアもコンプライアンスとの闘い的な側面は常にありますよね。海ならともかく雪山でも水着になっちゃうし、服を着たまま温泉にだって入っちゃうし（笑）。
金髪 そうなんですよね。で、このデジタル写真集『コンプライアンス』には、駄菓子のココアシガレットをタバコに見たてた喫煙風のカットがあるんですよ。ただのお菓子だし、当然コンプライアンスの範囲内ではありますが、なかなか挑戦的ですよね。何たって最近は、タバコの広告やＣＭに対する規制も厳しいと聞きますし、タレントさんのイメージ的に、タバコの演出がＮＧとなる場合もあるわけですから。
とり タバコのＣＭ、めっきり見なくなりましたもんねぇ。
金髪 でもさ、スゴく魅力的じゃない？ タバコを吸っている仕草って。
とり 金髪さん、タバコに憧れがあるんですか？
金髪 自分が吸わないからこその興味はありますね。だってタバコを吸う人って、タイミングさえあればすぐ喫煙所に行くでしょ。そこまでして吸いたくなるものなんだって驚きもあるし、タバコを吸って気持ちが落ち着く感覚も正直よく分からない。かといって、自分で吸ってみようとはならないし（笑）、永遠に理解できない分、心のどこかで気になり続けているんだと思います。
とり 金髪さん、タバコ似合いそうだけどなぁ。
金髪 タバコへの憧れは、日活ロマンポルノの影響も大きいかな。映像で見るとより伝わるんですけど、言葉はなくとも、タバコの吸い方ひとつで心情表現ができてしまうんですよ。例えば、イライラしているときは落ち着かないのか、火をつけてもすぐに消したりしていて。シチュエーションによって、タバコを吸う仕草の印象が変わるのは、とても興味深い演出だと思ったんです。
とり ちなみにこのカットの頓知気さんは、どんな心情でタバコ（ココアシガレット）を吸っている（くわえている）と思います？イライラでは、なさそうですよね。
金髪 「かわいいからって、みくびってんじゃないよ！」といった感じですかね？ アイドル＝黒髪、清楚といった固定概念に対する抗いというか。普段の穏やかな頓知気さんとは違った、好戦的な印象を受けましたよ。
とり 固定概念だけでアイドルを語るなよ、と。
金髪 ま、私の想像ですけど（笑）。あと、タバコの代わりにココアシガレットって、どうもダサく見えてしまうんですよね。何というか。結局、コンプライアンスから逃げた表現になっているじゃないですか。でも、昭和レトロへの愛が周知されている頓知気さんがやると、その問題も気にならなくなる。だから"頓知気さんならではのグラビア"になっていると感じたんですよね。
とり ココアシガレットのレトロなパッケージと頓知気さんの雰囲気、みょうに合っていますもんね。
金髪 そうそう。ほかにも、キュートなスタイリングなのにうさ耳が裏表逆になっていたり、かしこまった雰囲気の会場にあるテーブルの上で上品な色味のレオタードを着て寝そべっていたり、どことなく引っかかるポイントがあるのが、この『コンプライアンス』の面白いところ。見ていてスゴく楽しかったですね。
とり 個人的には、最後のスタイリングが気になりました。西日の差す何もない部屋のなか、薄手のシャツを羽織っているだけ。「コンプライアンス」がテーマにしては、実にシンプルですよね。何だか、意味深なラストじゃないですか？
デジタル写真集『コンプライアンス』（撮影／細居幸次郎）より
金髪 意味深、なのかな（笑）？
とり 自由な表現を求め、コンプライアンスの中でいろいろと、踠（もが）いてはみたものの、何かに抗うには体力も精神力も必要だし、ときに孤独感をも伴う。ただ、ここであきらめると、いずれ全てが形式に飲み込まれてしまう。グラビア好きとして、それだけはどうしても避けたい......。
年々じわじわと増え続けている表現規制のなかで、自分の好きな表現を守るには根気と工夫が必要なんだなと。頓知気さんのグラビア愛を感じながら、そんな妄想をしては、勝手に熱くなっちゃいましたよ。
金髪 あはは。多分、そこまでのメッセージは込められていない気がするけど（笑）。
とり そんな意図はないにしても、私はそう感じたんです。"好きなものは好きだと胸を張って言えるよろこび"、"自分の好きを信じて貫ける幸せ"は当たり前じゃない。自分の好きな表現を続けていくには、自由に表現できる場所をしっかり守っていかないといけない。
頓知気さんも、そんな風に考える瞬間があるのかなぁと。妄想上の頓知気さんに、ヒドく共感してしまいましたね。もし表現規制が厳しくなって、自由な妄想すらできない世界になったら......、私、死んじゃうかもです（笑）。
■頓知気さきな（とんちき・さきな）
２０００年３月６日生まれ 大阪府出身
身長１６０㎝ 血液型＝Ｂ型
◯実姉・戦慄かなのとのアイドルユニット「ｆｅｍｍｅ ｆａｔａｌｅ（ファムファタール）」として活動
公式Twitter【@tonchiki_doll】
公式Instagram【@arigato_v】
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