あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第9回】酔うと気持ちが大きくなるのか、会計を多く支払ってしまいます。翌朝財布にお金がなかったり、カードの明細を見て驚くこともしばしば。先日は偶然隣のテーブルで飲んでいた後輩グループの分までいい格好をして払ってしまい、翌朝とても後悔しました。見栄を張って気持ちいいのは一瞬だけで、後悔の方が大きいので控えたいのですが、どうすればいいでしょうか。独身だから余計に使えるお金があるのも今のうち。老後には財政破綻してしまうのではと不安です(40代・会社員・男性)

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僕も人に奢ることは多いですが、覚えてないことはないし、後悔することもありません。そういう意味では、今回の相談はまた違った観点になりそうですね。

まずは、酔うとなぜ会計を多めに払ったり奢ったりしてしまうのか、ということについて考えていきましょう。

お酒は本性を露わにするものであり、冷静な判断が出来なくなるものでもあります。

あなたが人に奢りたいと本性で思っているのはなぜか?

やはり、人に奢ることで周りから感謝されたい、評価されたい、先輩としてカッコいいと思ってもらいたいからなのでしょう。ケチな先輩は、他によっぽど尊敬出来るものがあれば分かりませんが、大抵は「◯◯先輩ってケチだよなぁ」などと陰口を言われてしまう。

そうなると、当然前者の方が良いに決まっています。しかしながら、それを実行する為にはお金が必要です。気前がいいと思われる対価が、あなたにとってどれくらいの負担かという話です。

後悔しているということは、金額が高かったということです。見栄を張る為に、身の丈に合わないタワマンに住んでいるようなものです。

その判断を狂わせたのは、お酒ということになるでしょう。

ギャンブルでも言えることですが、冷静な判断が出来なくなったら必ず負けます。仮に冷静な判断が出来ていたとしても必ず勝てるものではありませんが、将来的に見たら結果は雲泥の差になるでしょう。

今週のギャンブル格言【見返りを求めた時点で優しさではない】 今週のギャンブル格言【見返りを求めた時点で優しさではない】

それでも。

人に奢ったり、人の為にお金を遣うときは、見返りを求めるものではないとは思っていますが、実は、最終的には自分に返ってくるのではないかと思います。

その昔、女性コンビ「ニッチェ」の江上が出産、近藤が結婚をしたときに、それぞれご祝儀をあげたのですが、その5分後に競馬で高配当をゲットしました。つい先日も、人にご馳走したその日に高配当をゲットしました。科学で証明できるものではありませんが、そういうパターンがやたらと多いのです。

現在、僕は競馬の税金制度を変えるために活動をしていて、その費用を集めるために寄付を募っています。僕の周りの数多くの人達が寄付をしてくれています。

仮に、今まで人に対してケチだったり、人が困っているときに助けていなかったら、こんな風にはなっていなかったのではないかと思うことがあります。その瞬間見返りは求めなくても、いずれは返ってくるものなのだと改めて思い知らされました。

相談者の方もお酒の力とはいえ、今まで奢ってきたことは決して無駄にはならないと思います。ただ、後悔するならやめた方がいいでしょう。

奢るなら気持ち良く、後悔しないようにするのがいいと思います。自分の生活を苦しめてまでするものでもありませんし、お酒の力に負けてはいけません。見栄を張る必要もないと思います。そんなのは見る人が見れば、簡単に見破られてしまいます。

余裕があるときは奢ってもいいし、余裕がないときは「ゴメン、今日は割り勘でもいいかな?」と言えるくらいで良いと思います。

それを受け入れないような後輩とは一緒に飲み行く必要すらないです。逆に「いつも先輩に奢ってもらってるから、ここは僕が出しますよ」なんて言う後輩がいたらめっちゃいいじゃないですか。後悔せず、見栄を張らず、お酒に飲まれない! これを意識してください。

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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には4432万円の馬券を的中させたことも。「稼ぐギャンブル」(太田出版)など著書も多数

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