『仮面ライダーギーツ』主演・簡 秀吉 『仮面ライダーギーツ』主演・簡 秀吉

初回から話題沸騰の『仮面ライダーギーツ』、その主演を射止めたのは19歳の簡 秀吉(かん・ひでよし)! 芸能界デビュー1年半で大抜擢された将来のスター候補の素顔を徹底解剖! 関西出身らしい軽快なトークにも注目だ。

■参考にしたのは 『呪術廻戦』の五条悟

――オーディションにはどんな気持ちで臨んだ?

 この役が決まる半年前に特撮ドラマの『暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ』の最終オーディションに落ちていて、すごく落ち込んでいたんです。だから、『仮面ライダーギーツ』はなんとしても受かりたかった。オーディションまでの半年間でどれだけ自分を追い込めるかをテーマに準備をしてきました。

――オーディションの手応えはあった?

 まったくなかったです。それでも、結果が出るまでの期間は本当に寝られなくて、ごはんを食べてもおいしくないし、生きた心地がしない日々でした。

――しかし、結果は......。

 主演だと聞いて、初めはびっくりしましたが、まだスタートラインに立っただけだから浮かれすぎないように気持ちを引き締め直しました。ただ、その日のごはんはすごくおいしかったですね(笑)。

――お母さんに報告したら「調子に乗るな」と諭されたそうですね。

 けっこう厳しい母で、「謙虚さを忘れるな」といつも口酸っぱく言われているので、周囲への感謝と謙虚さ、それと10分前行動を忘れないよう意識しています。

――10分前行動?(笑)

 そうです。最初の頃、ギリギリに現場に入っていたらマネジャーさんに注意されて、それから10分前行動をするようになりました。

――仮面ライダーの原体験を教えてください。

 『電王』(2007-08年)や『キバ』(2008-09年)はかなりハマったし、『ディケイド』(09年)もよく見てました。変身ベルトを買ってもらったり、フィギュア同士を戦わせたり、そういうことをずっとしている子供でした。そんな僕が仮面ライダーになったと考えると不思議な気持ちです。

初回のオンエアで僕がギーツに変身する場面を見るまでは、実感を持てていませんでした。ただ第1話の自分の芝居が、できなさすぎで......。「全国放送しないでくれ!」と恥ずかしかったし、反省と勉強をしました。

――演じる浮世英寿(うきよ・えーす)は天才肌で、つかみどころのないキャラクター。この役の難しさはどこにありますか?

 序盤はバックボーンが全然描かれないし、感情を表に出さない役どころをどう演じていいかすごく悩みました。それでいて、回を重ねるごとに背景が見えてきて、優しさやおちゃめさが垣間見えるようになるキャラクターなんです。

撮影していて、「英寿がマジメなキャラになってきてる」と指摘されれば、少し崩してみたり。今でも英寿をつかみきれていないので、「新人にこの役は難しすぎない?」とちょっと嘆いてます(笑)。

――苦労が伝わってきます。

 僕自身、顔に出やすいタイプなんですが、演技がうまくいかずに「あかんかった......」という雰囲気を出してしまうと周りも気を使っちゃうので、それは自分の心の中だけに抑えないといけないなと。反省するのは家に帰ってから。でも、どうしても悔しいときは、つい顔に出てしまいますね。

――演技で参考にしている作品はありますか?

 アニメ『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』の五条悟(ごじょう・さとる)でしょうか。彼も最強で、おちゃめな一面もあるからそこは似ている。

仮面ライダーシリーズなら、『カブト』の水嶋ヒロさんが演じた天道総司(てんどう・そうじ)や、最近だったら映画『かぐや様は告らせたい』で平野紫耀(しよう)さん演じる白銀御行(しろがね・みゆき)の、クールさの中にある天然ぶりが参考になりました。

――簡さん自身もクールそうに見えます。

 第一印象はクールに見えるみたいです。でも関西人なので口を開いたらうるさいと思います(笑)。

「マグナムバックル(変身ベルトの一部)と同じカラーの上半身の白いデザインが超カッコよくて、一目ぼれでした」(簡) 「マグナムバックル(変身ベルトの一部)と同じカラーの上半身の白いデザインが超カッコよくて、一目ぼれでした」(簡)

■中学時代にラグビーで近畿大会準優勝

――多数の仮面ライダーたちの生き残りゲームという設定についてどう思いましたか?

 毎話、今後どうなるんだろうと視聴者目線で楽しみにしてます。ただ、生き残りゲームなので、ストーリーが進むと脱落してしまう仮面ライダーが出てくる。そうすると演者の方とも現場でお別れになってしまって、それはとても悲しいですね。

特に4話で脱落してしまったダパーン役の宮本龍之介くんとはめちゃくちゃ仲良くて、一緒に食事にも行った仲だったんですよ......。もう現場であんまり仲良くなりすぎないほうがいいのかな(笑)。

――現場でも孤独を貫くと(笑)。ギーツのビジュアルは気に入ってる?

 最初にキツネと聞いたときはぶっちゃけ「え? 大丈夫かな」と思いました(笑)。でも(放送に先駆けてギーツが登場した)、『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』の現場で、生でギーツを見たらすごくカッコよくて。考えてみたら、僕が所属していた高校のラグビー部のエンブレムがキツネだったし、キツネには縁があるみたいです。

――学生時代はラグビーをかなり一生懸命やっていたそうですね。

 はい、中学校から始めて中3のときに京都大会で優勝して、近畿大会で準優勝できたのは一番の思い出です。高校はドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルとなった京都の伏見工業高(現・京都奏和[そうわ]高)のラグビー部だったんですが、高2で競技を続けるのが難しいくらいのケガをしてしまって。

そのタイミングで、原宿で今の事務所の方にスカウトされたんです。「大丈夫かな」と思いましたが、母親が背中を押してくれたし僕自身もチャレンジ精神が旺盛なので、事務所に入ることにしました。

――上京当初、仕事もあまりないでしょうし、不安にならなかった?

 基本的にレッスンを受ける日々だったんですが、「きっと売れるだろう」と思いながら過ごしてました。なぜか根拠のない自信があったんですよ。

――事務所に所属して1年半の大抜擢(ばってき)。

 当時はアルバイトをしていたんですが、その日々がすごく憂鬱だったんです。なので、早く大きな役をゲットして毎日芝居と向き合いたいと思っていたところ、『ドンブラザーズ』で落ちてしまい......。「ああ、またアルバイト生活だ」とよけいに悔しかった。

――ちなみにアルバイトは何を?

 ウーバーイーツです。

――すでにライダーだったんですね!

 (笑)。今は撮影が大変で役柄について悩むことも多いですが、バイト生活の過酷さに比べたら、すごく幸せな毎日です。

――目指す役者像は?

 小栗旬さんの説得力のある演技が大好きで、スタッフの方々にも気遣いがすごいと聞きますので、目指すべき役者像だと思ってます。

――今月23日で20歳。この一年をどんな年にしたい?

 10代最後の年、そして大人への第一歩の年を仮面ライダー漬けの一年にできる幸せを感じながら、まずは人として、もっともっと成長したいです。人間ができてなかったら役者力もついてこないと思うので。

――それでは最後に、『ギーツ』を毎週楽しみにしている視聴者にメッセージを。

 毎話、どの仮面ライダーが生き残れるのかわからないし、ハラハラドキドキを楽しんでもらえたら。僕が演じる浮世英寿や、ほかのライダーの謎もどんどん解き明かされていくので、ぜひ毎週欠かさず見ていただきたいです。

――ありがとうございました。ちなみに、京都ご出身ということで、京都の好きな場所はありますか?

 伏見稲荷(いなり)大社です。そういえば、伏見稲荷にもキツネがいっぱいいるんですよね。やっぱり縁ってあるのかな(笑)。

★『仮面ライダーギーツ』チーフPが明かすキャスティング秘話

●簡 秀吉(かん・ひでよし) 
2002年10月23日生まれ、京都府出身。ABEMA配信の恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』に出演して話題に。中学生からラグビーを始め、中3で近畿大会準優勝。ポジションは花形のウイング。「ラグビー現役時代は50mを6.3秒で走っていたので、『逃走中』(フジテレビ系)に出演したいです。絶対逃げ切れますから(笑)」。大の野球好きで憧れの選手は大谷翔平。巨人戦を観戦することが日々の楽しみ。
公式Twitter【@kan_hideyoshi】
公式Instagram【@hideyoshi_kan_official】

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