グラビアライター・とりと、グラジャパ!スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』。第66回は、まもなくハロウィンということで、「コスプレグラビア」の魅力について考えます。
コスプレグラビアはいやらしくならない!
金髪 来たる10月31日は、秋の一大イベントであるハロウィンですっ! と言っても月曜日だから、お仕事の方が多いのかな。とりさんは今年、どんなコスプレをするか決めました?
とり えっ!? 決めるも何も、これまで世で行われているハロウィンイベントに一度も参加したことがないですよ。
金髪 そうなの? 私なんて、もうハロウィンはやり尽くした感まであるよ!
とり や、やり尽くした......!?
金髪 血まみれナースゾンビとか、背中に羽の生えたメルヘンバニーちゃんとか。上京前、大阪・心斎橋のハロウィンイベントに、よくコスプレをしに行っていたんですよ。懐かしいなぁ。
とり へぇー。金髪さん、かわいいコスチュームが似合いそうですね。普段からおしゃれだし。
金髪 いやいや、やるからには本気ですよ、私は。かわいいなんて二の次です。そういえば、血まみれナースゾンビをやった時、SWAT(アメリカ警察の特殊部隊)のコスプレをしている男の人がいたから、一緒に写真を撮ってもらったんですよ。そしたらさ、その男性は普通にピースとかしちゃうわけ。私はもっとガチでゾンビを捕らえる警官っぽく写ってほしかったのに。あまり、この価値観が合う人っていないんですよねぇ。
とり 勝手なイメージですけど、そういうハロウィンイベントって、ナンパ目的の人も多いんじゃ......?
金髪 多いどころか、ほとんどがそうだよ! だから私みたいなガチでなり切っちゃう人間は、ドン引きされるんです(笑)。とはいえ 、かわいい女のコのコスプレ姿は目の保養になる。ここ数年、グラビア界でコスプレ衣装が増えているのはうれしい傾向です。見た目の面白さもあるし、女のコのかわいさも倍増だし、良いこと尽くしですよねー!
とり 最近出たデジタル写真集の中で、良いコスプレグラビアはありました?
金髪 ヤングジャンプからリリースされていた私立恵比寿中学・桜木心菜ちゃんの『Anytime Cocotime』かな。初の水着グラビアにして、天使と悪魔のコスプレに挑戦しているんですけど、中でも私がグッときたのは、このクマの着ぐるみ姿。めちゃくちゃかわいくない?
とり かわいい! けど、着ぐるみってコスプレなんですか?
金髪 「グラビアの中で」って考えれば、コスプレにあたるんじゃないかな? 私も、このカットみたいな"もふもふのパンダの被り物"をしたことがあって。気分的にはコスプレと同じでしたよ。
とり 経験者がそう言うのならそうなのかも(笑)。
金髪 私が"もふもふのパンダの被り物"をしたのは、先輩の結婚式の二次会。ドレスコードが"コスプレ風な格好"だったんです。それでパンダになってみたら、思いのほか目立ってしまって(笑)。テーマパークにいるマスコットキャラクターみたいに、いろんな人から「一緒に写真撮って~」って言われたんですよね。過去最大にモテた1日でした。
とり あはは。金髪さん、エンターテイナーだなぁ。新婦より目立って気まずい......みたいにはなりませんでした?
金髪 大丈夫! 賑やかしになったので、むしろ大好評でしたよ。と、そんな思い出もあって桜木さんのグラビアを選ばせてもらいましたが、もはやこのかわいさは説明不要ですよね? 普段なかなか着る機会のない着ぐるみは、女のコ的にテンションが上がる衣装。世界観もちょっぴりメルヘンになるから、水着姿でもいやらしくならないし。エビ中は女のコのファンも多いだろうけど、グラビアに馴染みのないコでも見やすい仕上がりになっているんじゃないかな?
とり なるほど。まぁ、かわいいですよね!
金髪 もうひとつ、またヤングジャンプのデジタル写真集になりますけど、山田かなさんの『私が元気にしてあげます。』も素晴らしいですよね。同誌で連載しているマンガ『バツハレ』に登場する、渋谷くるみのコスプレです。私、こういう銀フレームのメガネ大好きなんですよ。エロくない? メガネグラビアも、もっと増えたら良いのに。
とり 脱サラ女子大生の山田さん。実際に社会人として会社で働かれていた時は、営業成績1位を獲るほど優秀だったそうなので、OL姿は妙にリアルな感じがしますね。
金髪 OL、良いよね。会社の中でも死角になりやすい給湯室で......ってシチュエーションも、エロくて最高です。って、私の中に住んでいる"50代の童貞おじさん"がそう言っています(笑)。
とり 出た! 着衣グラビアの回でも言っていた"50代の童貞おじさん"!
金髪 そもそもコスプレグラビアの魅力は、記号的な存在(OLや女教師など、特徴的な衣装だけでイメージが膨らむ存在)から想像するエロいシチュエーションを、写真として形にしてくれているところ。そのリアルとファンタジーの塩梅を楽しむのが醍醐味なんですよね。
とり 連載マンガとのコラボグラビアという点はどうですか? 自社コンテンツとの掛け合わせは相乗効果もあるのかなーと思いつつ、原作ファンが抱く違和感も分からなくはない。難しいところですよね?
金髪 私は、マンガ家の先生が公認しているなら、どんどんやっていくべきだと思いますけどね。実際、グラビアがきっかけでマンガに興味を持つパターンもありますし。確実に需要はあるでしょ!
コスプレをしていてこそグラビア的
金髪 とりさんは、どうしてハロウィンイベントに参加してこなかったんです?
とり 何というか、みんなでコスプレをして「イェーイ!」みたいな空間って馴染めないんですよね。子どもの頃から、いわゆる"ごっこ遊び"が苦手だったし。妄想家なわりに、表面的な何かにはなり切れないんです。って、せっかくのハロウィンなのにノリが悪いですよね......。
金髪 そ、そんなに暗くならないでくださいよ! じゃあ、コスプレグラビアはどうですか?
とり 正直に言うと、コスプレグラビアの楽しみ方はイマイチ分かっていません。「かわいいな」「似合っているな」とは思うものの、どちらかというと女のコの心情が読み取れるようなグラビアが好きだから、そのコじゃない姿になっているコスプレグラビアを見ると少し戸惑っちゃうんですよね。
金髪 まー、難しく考えて見るものじゃないですからね。コスプレグラビアは。
とり はい。ただ、世界を股にかけて活躍されているえなこさんのコスプレグラビアとなれば話は別です。中学生でアニメにハマり、コスプレ活動をスタート。趣味を超えたクオリティの高さで、本格的に職業として認められるほど、コスプレ文化を世に広めたパイオニアですから。衣装やウィッグはほぼ自作。しかも、キャラクターに合わせたつけまつ毛を馴染ませるために、自まつ毛を全て抜いているそうじゃないですか。
金髪 あー、その話聞いたことがあります。
とり サラッと言っていますけど、この徹底ぶりはスゴいですよ。高いクオリティの裏側には、それだけの努力があるんだなって。だからなのか、えなこさんのコスプレグラビアは、作り込んだ世界観にもかかわらず、ちゃんとえなこさん自身の人柄や感情が伝わってくるんです。
金髪 間違いなく、昨今のコスプレグラビアブームの火付け役はえなこさんですよね。ただ「人柄や感情が伝わってくる」というのは、分かるようで分からないような......。詳しく教えてもらえます?
とり 例えば、人魚姫をテーマにしたデジタル写真集『マーメイド・プリンセス』を見ると、泡に包まれたお風呂の中で、足についたウロコを剥がすシーンがあるんですよ。分かりやすく人魚の格好だけで攻めそうなところを、あえて人魚から人間になるまでの物語を描いているんです。
金髪 おーっ! 確かに新鮮だね。
とり 見方によっては普通の水着グラビアと変わらない姿で、"人間の足を手に入れた人魚姫"を感じさせてくれている。それはきっと、えなこさんが、写真には直接的に写らない感情や、些細な動作も含めてコスプレされているから。見えないところまでこだわりたい人柄。いちコスプレイヤーとしての高いプロ意識......。この写真に写っているのは、人魚姫でありながら、コスプレを生業とする"えなこさん自身"なんですよ。
金髪 なるほど。側(がわ)だけを作り込んでいるんじゃないぞ、と。
とり グラビアのフィールドで求められるコスプレは、先ほど金髪さんが言っていたように、ただの水着姿とは違ったかわいさがあれば成立するんです。「〇〇ちゃんが〇〇の姿に!?」となるだけで、十分な引きが生まれますからね。でもえなこさんは、絶対そこに甘んじない。過去には、一切コスプレをしていないグラビアにも挑戦されていましたけど、むしろえなこさんの場合は、コスプレをしていてこそグラビア的だと思ってしまいますよ。
金髪 コスプレをしている方が、えなこさんの人柄がありありと伝わってくるってことですね。
とり はい。それから、ヤングジャンプで披露されていたオノマトペのコスプレ(デジタル写真集『えなこがおのまとぺ』に収録)も斬新で良かったです。半ば無理やり感は否めませんが(笑)、コスプレを極めしえなこさんだからこそ、辿り着けた境地ですよね。
金髪 ここまで来ると、アイデア次第で何にでもなれる気がしてきますね(笑)。
とり "さらさら""きらきら"など、自然の音やモノの状態を表すオノマトペは、マンガ表現に欠かせません。ちなみにこのカットは、"ひらひら"のコスプレだそうですよ。
金髪 "ひらひら"のスカート以外にもツッコみたいポイントはたくさんあるけど!
とり いやー、自由で良いじゃないですか。金髪さんは、「コスプレグラビアは記号的なエロさが良い」とおっしゃいましたけど、私は、むしろ格好のイメージに囚われることで、そのコ特有の表現が制限されるのは難点だと思っていました。コスプレグラビアの見方が分からなかったのは、結局そこに、そのコ自身が写っていない気がしたからなんです。
金髪 "コスプレ"というジャンルではそれで良くても、人を写す"グラビア"でそのコ自身が写っていないのは、本末転倒だと。
とり でも、オノマトペのコスプレは、えなこさんの想像力ありきじゃないですか。そこには、ちゃんとえなこさん自身が写っていると言えると思うんです。コスプレは、その格好のイメージに囚われてしまうものだと思っていたけど、必ずしもそうじゃないのかもしれないなって。えなこさんのコスプレを見ていると、だんだんそう思えてきて、いつの間にか身構えることなく、コスプレグラビアを楽しめるようになっていたんです。
金髪 何かになり切りながらも、ちゃんと"えなこさんらしさ"を感じさせてくれるところが、えなこさんのコスプレのスゴいところだってこと?
とり はい。アイデンティティが確立されているからこそ、どんなコスプレもモノにしてしまえるんだなぁって感じですね。すみません、難しい話になっちゃって。
金髪 いやいや! それだけコスプレグラビアは奥が深いってことじゃないですか。普通のグラドルさんがやるコスプレグラビアと、えなこさんのようなプロのコスプレイヤーがやるコスプレグラビアは別物ですしね。
とり と、こうして語っていたら、ちょっとだけコスプレに興味が湧いてきましたよ。今年は渋ハロ、行ってみようかな......?
金髪 うそ、本当に行く? 絶対行かないでしょ(笑)!
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