『月下香』に出演した清瀬汐希
10月28日に映画『月下香』が公開された。主演を務めるのは「MISS QUEEN OF GALAXY2021」の日本代表にも選出された、グラビアアイドルで女優の清瀬汐希（きよせ・ゆうき）。
昨年、アイドルグループ・sherbetを卒業し、改めて女優活動へまい進する彼女は、不倫を題材にした今作で激しい濡れ場にも挑戦。映画出演の感想や自身の恋愛観を聞いた。
――今回演じた田中亜美は結婚しているにもかかわらず、年下の若き画家・柏木潤（演：松井健太）と出会い、恋に落ちます。作品や撮影の感想は？
清瀬 初めに台本を読んだときは、潤くんとの恋に焦点がいっていたんですよ。この時点ではどれだけ潤くんを想っているかとか、彼に対しての接し方について、監督さんとも結構話し合いました。撮影シーンもバラバラだったし、自分の気持ちのメーターを下げたり上げたりしなきゃで難しかったので。
――たしかに、亜美が少しずつ惹かれて、葛藤する様子はよくわかりました。
清瀬 亜美ちゃんはおとなしくて、真面目な女性なんですよ。だからこそ、潤くんへの愛情が蓄積して、爆発してしまうんですよね。
役について語る清瀬汐希
――亜美との共通点や、共感できる部分はありましたか？
清瀬 オーディションで選んでいただいたときは、正反対だと思ってたんですけど、脚本の方や監督さんからは「亜美ってちょっと清ちゃんに似てるよね」とは言われていました。たしかに、人妻っぽさはあって、グラビアやDVDもそういう作品が多いんですけど（笑）。
ただ昔のことにはなりますが、さっき言った「真面目だから爆発する」ことはよくあって、亜美ちゃんを演じているうちにすごく似ているなと感じました。
――どんなときに爆発していたんですか？
清瀬 仕事でもプライベートでも、人に相談したり、不満を指摘したりできなくて、後から爆発してケンカになったり、大泣きしたり。作中では、日常生活の細かい部分で、旦那さんに少しずつ不満が溜まっていくんですけど、それは本当にあるな～と思いました。
それこそアイドル時代も、同期の河路由希子とは言い合いになったし、橋本梨菜さんとぶつかったこともあります。途中からは先輩でもいじるようになったりして、改善されたんですけど。
長続きした恋愛はあまりしてこなかったと話す清瀬汐希
――恋愛面に関して、自身の経験と重ねたりは？
清瀬 それはかけ離れてますね。いままで恋愛もそんなに長く続かなったので、あんまり現実と重ね合わせることは無かったです。
ただ、浮気反対！ってタイプの人だったんですけど、撮影していくなかで「自分も将来もしかしたらしてしまうかも」と思いました。
――どんなところで、そう思ったんですか？
清瀬 私、最初は熱しやすく、だんだん冷めていくタイプだと思うんですよ。亜美ちゃんも、3年間旦那さんと暮らしていて幸せだけど平凡で、少しずつ不満も溜まっていく。そんななかで、いつもと違う潤くんといる時間が、特別で刺激的だったと思うんです。
だから私も、旦那さんとマンネリ化しているときに、潤くんみたいに真っ直ぐ気持ちをぶつけられると、もしかしたら......って。
愛について考える清瀬汐希
――潤のアプローチはかなりキザというか、女々しいというか、男から見ると違和感がありましたけど、そういうところが女心をくすぐるんですか？
清瀬 自分の経験ではこういう人には逆に、冷めちゃってました。甘えんぼな女のコに見えてきちゃうので。でも、自分が恋しちゃった側ならうれしいというか、そこまでしてくれるんだって可愛くみえてきちゃうんだろうなと思います。そういう意味では、私は今まで本気で恋していなかったのかも（笑）。
――それから男目線では、旦那さんが可哀想で仕方なかったです。
清瀬 そうなんですよ！ 旦那さんが本当にいい人なので、つらい部分が多いなって思います。最初はそんなこと全然考えていなかったんです。でも現場に入って演技をしているうちに、旦那さんの気持ちもわかってきて、泣きそうになっちゃって。
演じていた松本博之さんは、「役とはいえ潤くんとのふたりのシーンは気まずかった」っておっしゃっていたんですよ。そこまで役にめり込めるのって、本当にかっこいいなって思いました。
セクシーさを意識した清瀬のグラビア。清瀬汐希デジタル写真集『明日に向かってフルスイング』（撮影／小塚毅之）より
――今作ではヌードシーンや濡れ場がありますが、プレッシャーなどはありましたか？
清瀬 普通のお芝居の一環としか思ってないので。イヤな気持ちや躊躇はなかったです。ヌードを見せるのに、ダイエットし過ぎないようにはしました。グラビア撮影の際には必死にウエスト絞ったりしますけど、亜美ちゃんは普通の人なので。
あと、撮影してみると意外な葛藤はありました。絵にしてキレイだなってくらいの色気や女らしさを意識したんですよ。でも、やっぱりカメラと一対一だとグラドル・清瀬汐希が出てきちゃう（笑）。それを抑えるのが難しかったですね。
――そこだけDVDみたいに、急にセクシーでも違いますよね（笑）。ただ濡れ場の大胆さ、積極さには驚きました。それこそ自ら乳首を舐めさせたり......。
清瀬 濡れ場のシーンは、考えちゃうとキレイに見せようとか思っちゃうので、それよりも感情に任せて何も考えずにやりました。「潤くんを奪いたい！ 潤くん！」という気持ちだけで、何をしたか覚えてないくらい。
『月下香』の濡れ場撮影を振り返った清瀬汐希
――そこまで亜美に入り込んでいたんですね。
清瀬 そういう恋をしてる時って、もうそういう気持ちじゃないですか。やっぱ好きな人には、いろいろしてあげたいなって。特に亜美ちゃんは、今まで見せてこなかった気持ちを爆発させているわけですから。
私は素だったら身構えて、爆発する前に自分で引いちゃうから、そこまで出来ない。それだけ潤くんを愛してしまえるって、すごいことだなと思います。エロさというより、亜美ちゃんの情熱が伝わればいいですね。
――最後に改めて、作品の魅力や見どころをお願いします。
清瀬 今回、脚本家にも監督にも言われたのが、女性にぜひ見て欲しいということでした。自分自身も演じてみて、旦那さんへの罪悪感や恋に溺れる気持ちを痛感しました。本当に心揺さぶられることばかりで。
男性に伝えたいのは、女性の恋愛に対する心の変わり方ってこうなんだって思ってもらえたらいいなってことですね。多分、女性は一度心が傾いたら止められないです。だからこそ普段の生活を楽しくして、そういう気持ちにならないようにしようねって。
●清瀬汐希（きよせ・ゆうき）
1997年2月25日生まれ 神奈川県出身
身長170cm B92 W63 H88
○2019年～2022年5月までアイドルグループ「sherbet」のメンバーとして活動。昨年、ミスコン世界5大大会のひとつ「MISS QUEEN OF GALAXY2021」の日本代表に選出！ 初主演映画『月下香』は10月28日（金）にシネ・リーブル池袋ほか順次全国公開。
公式Twitter【@yuki_kiyose】
公式Instagram【@yuki_kiyose_】