デビューしてもうすぐ1年の大島璃音キャスターYouTubeやニコニコ生放送など複数のネット媒体で、24時間365日生配信されている気象情報番組「ウェザーニュースLive」。最新の天気予報もさることながら、ほのぼのとしたキャスターのトークに癒やされる人が続出中で、ファンによる切り抜き動画は1000万回以上再生されることも!

週プレNEWSでは現在11名が出演中のキャスターの中から5名にインタビュー。第1回は昨年12月のデビュー時から新人離れした安定感が絶賛され、F1と乃木坂46が大好きという趣味も話題の大島璃音キャスターが登場!

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――昨年末にキャスターデビューされた大島さんですが、なぜウェザーニュースに応募したのでしょうか?

大島 もともとウェザーニュースのことは知っていて、2020年のオーディションにも応募したかったんです。でも、当時は大学3年生で応募条件を満たしていなくて。もし次の機会があれば絶対受けたいと思って、ずっと待っていたんです。

――大島さんは乃木坂46ファンを公言していますけど、乃木坂46のオーディションは応募しなかったんですか?

大島 その質問はけっこうされるんですけど、本当にしたことないんですよ。ファンとして見ているのが好きなので、自分にできるかと言われたら、とてもじゃないけど自信がないです。でも、表に出ることに憧れはあったので、どうやって人前に出る仕事につくか考えたときに、天気という軸があったら勇気が出るんじゃないかと思ったんです。

――もともと天気に興味はあったんですか?

大島 はい。姉がCAをやっていて、私が高校生のときには働いていたので、学校からぼんやり空を眺めているときに、「もしかしたらあの飛行機にお姉ちゃんが乗ってるかもしれないな。今ここは晴れているけど、空は大丈夫かな?」と空想していたんです。それで、もし空の天気が地上からわかったらかっこいいし、この世にはわかっている人もいるんだと思って、天気の勉強を始めたんです。

――お姉ちゃんを支えるためにとかじゃなくて、「かっこいい」が大事だったんですか?

大島 「かっこいい」に憧れるんです(笑)。もちろん姉も飛ぶ前に天気を確認しているけど、それが自分でわかるようになったら、自分も家族も安心できるなと思ったんです。

――番組では「裏方になりたかった」みたいなことも言ってましたよね。

大島 そうですね。ちょっとオタク気質なので、データとかを見るのが楽しいんです。でも、ウェザーニュースは基本的に天気に詳しいか、アプリの開発とかエンジニアとしての知識があるか、その道を走っている人じゃないと採用されるのは難しくて。私の能力で現実的に採用してもらえる職種がキャスターしかなかったんです。

――その努力が実って、昨年12月にデビューされましたけど、新人らしからぬ落ち着いた進行が話題になっていました。ここまでを振り返っていかがですか?

大島 本当に「よくがんばった」って言いたい(笑)。最初は無我夢中だったんですけど、一旦落ち着いたときに、みなさんが思っている私と、自分が感じている私にギャップを感じて、ちょっとだけ苦しい時期があったんです。勝手にプレッシャーを感じていたというか......。

――全然そんなふうには見えませんでした。

大島 「次はこれをやらかすんじゃないか」みたいな、おもしろさを求められている気がして。もともとお天気を伝えたくて、裏方でも入りたかったくらいお天気を楽しみにしていたのに、そうじゃない部分に注目されている気がしたんです。それは自分がそうやって番組に出ていたから当然なんですけど、もう戻れないじゃないですか。素を隠せないことは最初からわかっていたけど、「もうちょっと違ったはず......」みたいな(笑)。


――ミスしたところを切り抜かれることが嫌だったんですか?

大島 そうですね。もちろん新人だし、ミスは誰にでもあると思うんですけど、ミスしたときの自分のリアクションとか、訂正の仕方とか、そういうところがよくなかったというか。もっとキャスターとして、しっかり対処できる自分になっているべきだったなと思いました。

――ダンゴムシ(言い間違えで気象予報士をダンゴムシ扱いしてしまい、切り抜き動画が1000万回近く再生された)がバズったのは本意ではなかったというか。

大島 ダンゴムシは正直、切り抜かれても仕方ないなと思います。誰が見てもトップレベルのミスだったので(苦笑)。

――切り抜かれる覚悟はできているから、切り抜かれても問題ない振る舞いを、ということなんですか?

大島 まさにそうです。以前は100%振り切って感情が出ていたので。そこがおもしろいと思っていただけた部分でもあるとは思うんですけど、今は「見られているんだぞ!」「切り抜かれる可能性もあるんだぞ!」と、少し冷静な心を持ち合わせられるようになりました。

――1年足らずでそこまで考えられるだけでも、素直にすごいなと思います。

大島 いやいやいや、いっぱい失敗した経験があるからです(苦笑)。


――番組ではよく家族の話をされていますけど、仕事についての相談もするんですか?

大島 家族はやっぱり大きな存在です。一緒にご飯を食べて、あったことを話したり、両親が思ったことを伝えてくれたりしたので、かなり精神的に救われています。

――よく「ママのんからダメ出しが」と番組でも言ってますよね。

大島 今日も「リボンが曲がってるよ」って送られてきました(笑)。

――リアルタイムで来るんですね(笑)。

大島 やっぱり心配なんだと思います。どんな顔なのかなとか、疲れてないかなとか。

――お父さんはF1の話題でよく出てくる印象です。

大島 もともと父がF1好きで、その影響で見るようになったので。今も毎レース欠かさず、だいたい父と一緒に見ていますね。

――いつかF1関連の仕事をしたい願望も?

大島 あります! ただ、まずはしっかりお天気の勉強をすることが大事だと思いますし、F1についてももっと知識をつけないといけないと思うので、今は勉強の日々ですね。どちらも常にアップデートが求められる複雑な世界なので。

――そこは今後の楽しみにしておきます。これまで番組をやられてきて、「ウェザーニュースLive」の魅力はどういうところだと感じていますか?

大島 生配信でお伝えしていて、チャットに対してキャスターがコメントを返すこともできるので、身近に感じてもらえているんじゃないかなと思います。災害が起きたときなども安心して見ていただけるように、日頃から距離感の近さは意識していますね。

――3時間のなかで、特に注目してほしいポイントは?

大島 (番組内で天気を解説する)気象予報士さんとの掛け合いです。本当に素敵な方ばかりなので、その魅力を引き出すことも私の仕事だと思うんです。たとえば本田(竜也)さんは、普段は寡黙な方なんですけど、天気図を自動で3D化するシステムを作られていて、社内で「本田システム」と名前をつけられるくらいすごいんです。それに、その技術はもちろんですけど、そこにかけている想いがチラッと見えたときにキュンとなるんですよ。いつか本田システム開発の経緯もお聞きしてみたいです。

――これからは気象予報士さんにも注目して見てみます! キャスターになってから、私生活で変化したことはありますか?

大島 雨が降る感じがわかるようになってきました。雲が広がってきたというだけじゃなく、ちょっとした色の違いで降る降らないが見分けられるようになってきたというか。視聴者さんが日々送ってくださるリポートでも、実際の天気と照らし合わせているので、そういうソラヨミは上達したと思います。

――やっぱり空を見る機会も増えましたか?

大島 圧倒的に増えました! もともと空を見るのが好きで、写真をたくさん撮っていたんですけど、今は毎日自分の目で確かめないと気が済まなくなっちゃいました。それに、空を見ると気持ちも上向きになりますよね。暗い日でも、雨が降っていても、上を見るだけでテンションが変わるんだなと実感しています。

――そんな大島さんの好きな気象現象は?

大島 ブロッケン現象という虹の輪のなかに影が映る現象があるんですけど、キャスターになる前、姉が乗務する飛行機に乗ったときに教えてもらったんです。飛行機から見える雲のなかに虹の輪ができていて、そこに自分が乗っている飛行機の影があって。太陽との位置関係とか、いろんな条件が揃わないと見られない現象なので、すごく思い出に残っています。

――ウェザーニュースはアプリにも力を入れていると思うんですけど、おすすめの機能はありますか?

大島 今の時期なら紅葉チャンネルですね。最近はインスタグラムで紅葉スポットを探す方も多いと思うんですけど、そういう方には「写真から人気の紅葉名所を探す」の機能を使ってほしいです。登録した紅葉スポットが見頃になったときに通知してくれるアラーム機能もあるので、ぜひ使ってみてください!

――プレゼンがうまいですね! この先はどういうキャスターを目指したいですか?

大島 やっぱり「まだまだだな」と思うことが多くて。親しみやすさは感じていただけたかもしれませんが、いざというときに頼りなく見えてしまっているかなとも思うんです。だから、もっと知識量を増やしたい。もう少しうまい言葉で伝えられたらよかったなと思うことも多いので、噛み砕いて伝えられるキャスターになれるように、日々勉強したいと思います!

(ヘア&メイク/栂野彩香(GiGGLE)

●大島璃音(おおしま・りのん)
1999年3月19日生まれ 東京都出身
趣味・特技=料理、読書、バトン、楽器(ピアノ、フルート、ヴァイオリン)
公式Twitter【@rinon_ohshima