安倍 乙『週刊プレイボーイ』2018年9号(撮影/佐藤裕之)安倍 乙『週刊プレイボーイ』2018年9号(撮影/佐藤裕之)

『週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』

今回はドラマや映画などで活躍する劇団4ドル50セントの女優・安倍 乙さんの前編。安倍さんは2017年、秋元康プロデュース「劇団4ドル50セント」のオーディションに合格して入団。その後、恋愛リアリティショー『オオカミくんには騙されない♡』(ABEMA)に出演し一躍ブレイク。現在は映画、ドラマ、バラエティーなどで広く活動をしています。

『週刊プレイボーイ』では2018年9号で初グラビアを表紙・巻頭を飾って登場。以降グラビアでも、各雑誌の表紙や誌面など賑わせています。

今回は安倍さんを直撃。デビューのきっかけから、4ドル50セントでの活動、また初グラビアについて話を聞きました。

安倍 乙

――安倍さんは中学生の頃から女優さんを志すようになったとか。

安倍 はい。もともとお姉ちゃんが大学で舞台芸術を勉強していて、たまに脚本を一緒に読み合わせしていたんです。それが楽しくていつ頃からか、自分も女優になって表現してみたいなと思うようになりました。オーディションは中学1年から受けるようになりましたね。

――憧れてた女優さんはいたんですか?

安倍 黒木華(はる)さんです。黒木さんは朝ドラから映画まで、いろんな作品に出演されていますよね。しかも役を問わず素晴らしいお芝居をしている。身近な存在だし、自分もあんな風になりたいって昔からずっと憧れています。

――女優を目指していたということは、学校では人気者だった?

安倍 いえ。めっちゃ盛り上がるコと影に隠れるコの真ん中くらい。決して目立つタイプでも自己主張が激しいタイプでもなかったです。私が劇団(4ドル50セント)に入ったと知った時は、みんな衝撃を受けていました(笑)。それくらい普通のコでしたね。

――受けていたのは事務所に入所するためのオーディション?

安倍 はい。10社近く受けたと思いますけど、ひたすら落ちまくりました。ある時なんて、某大手事務所のオーディションで最終面接までいったんですけど、結局それもダメで。もう絶対に受かるだろうなと思っていたので、予定していた海外留学もキャンセルしちゃって。その時は、めちゃくちゃ泣きましたよ。

――ふたつの夢を一挙に手放したわけですもんね。

安倍 その後、お母さんがもう一度だけ受けてみたらと見つけてきてくれたのが劇団4ドル50セントのオーディションだったんです。これがラストチャンスというか、ダメだったら女優になる夢は諦めて、普通に大学に行こうと思って受けて。おそらく大好きな語学を勉強して、それを活かす仕事に就いていたと思います。

――結果は見事に合格! オーディションには31名の合格者に対し、約5千人の応募があったそうですけど、安倍さんのどこがよかったんでしょう。

安倍 正確にはわからないですけど、秋元(康)さんが選ぶ基準は洗練されていないコだと聞いたので、田舎っぽい感じがよかったんじゃないですかね(笑)。眉毛も今以上に太かったし、体型ももっと太かったし。

正直、ダメだと思っていたので、合格通知をいただいた時は嬉しいというより驚きました。あまりの衝撃に目の前の景色が急に変わりましたもの! その後、実感がじわじわと湧いてきましたね。

安倍 乙

――4ドル50セントは旗揚げ時、メンバーの9割が演技未経験だったと聞きました。稽古は相当厳しかったんじゃないですか。

安倍 そうですね。華やかな世界をイメージしていたのでびっくりしましたよ(笑)。稽古は朝から夜遅くまで、ほぼ毎日。内容は発声や筋トレなど基本に始まって、エチュード(即興劇)、脚本のある芝居の稽古、歌とダンスの練習もあって。毎回、終わる頃はみんなヘトヘトです。

――現場の雰囲気は?

安倍 すごくピリピリしていました。「もうやめちまえ!」「そんなみっともない芝居するな!」なんて、演出家さんの怒号がずっと飛んでいて。

最初の頃はチームワークもできていないからみんなに気を使うし、体力的にもきつい。稽古中に泣きすぎて過呼吸になっちゃうコがいたり、あとイライラが募って劇団員同士のケンカもありました。

――安倍さんは大丈夫でしたか?

安倍 なんとか必死に食らいついていました。でも、入って間もなく劇団のPRを兼ねた特別ユニットが組まれたんですけど、そこに選ばれなかったのが本当に辛くて。

ユニットは劇団の顔として、お芝居でもセリフがあったり、専用のオリジナル楽曲があったりするんです。そこに入れなかったことで、この先、私はどんどん置いてけぼりになるのかななんて不安でしたね。

――旗揚げ本公演「新しき国」(2018年2月8~12日)に出演された時は?

安倍 人生で一番と言っていいくらい緊張しました。私、キャラが天然だと思われていたので、役名が「テンネン」(笑)。女子高生役でセリフも一言二言だけだったんです。それでも言葉が出なくなりそうでした。

そもそも大勢の人前に立ったことなんてなかったし、自分が出たわけじゃないのですが公演前に記者会見があり、注目されていることがひしひしと伝わってきましたから。

――セリフが一言二言って、決して目立つキャラではなかったんですね。

安倍 全然ですよ。31名いる劇団員の中で、私はかなり下のほうだったと思います。それだけに毎日危機感を募らせていたし、稽古に出ても満足いく芝居ができず、いつも落ち込んでいました。

安倍 乙

――その後、活動するなかで転機となったのは?

安倍 恋愛リアリティショーの『オオカミくんには騙されない♡』(ABEMA・2018年)ですね。あれに出演させていただいたことで同世代を中心に、SNSのフォロワーが一気に増えました。そこから、人から見られる意識が芽生え、だんだん自信が湧いてきました。どこかへ出掛けても、たくさんの人から声をかけられるようになりましたね。

――「オオカミくん~」出演当時のインタビューでは「彼氏が欲しい」なんて発言もしてましたね(笑)。

安倍 あははは。うちの劇団はアイドルグループじゃないので、恋愛禁止ではないんです。でも、いまは欲しいとは思わないです(笑)。恋愛すると感情が左右されちゃうから、どうしても普段のお芝居にも影響がでるというか。いまは仕事に集中したいんですよね。

――さて、安倍さんは『週刊プレイボーイ』2018年9号で初水着グラビアを披露しています。これはどういう経緯で?

安倍 乙『週刊プレイボーイ』2018年9号(撮影/佐藤裕之)安倍 乙『週刊プレイボーイ』2018年9号(撮影/佐藤裕之)

安倍 当時、週プレの編集さんが「新しき国」にいらしていて、劇団から5~6人を集めて行うテストシュートに呼んでいただいたんです。最終的にその中から選んでいただきました。あんな一言二言で選んでいただくなんて思ってもみなかったからびっくりしましたよ。

――テストシュートの時点で、水着グラビアだってことは聞いていたんですよね。肌を出すことに抵抗はなかったですか?

安倍 正直に言うとありました。でも恥ずかしいとか言ってる場合じゃなく、水着だろうが、いただけるお仕事はなんでもモノにしてやるぞって一心でした。

テストシュートはスタジオにみんな集まって、ソロカットに加え、集合カットも撮影したんです。それもやる気を掻き立てられました。

いま考えるとどう動いていいかわからないから、カメラを向けられても仁王立ちとか、かなりぎこちなかったと思うけど(笑)。

――グラビアを見たことは?

安倍 ありましたよ。実際に雑誌を手に取ることはなかったですけど、インスタグラムとかwebの記事でよく目にしてましたし。

モデルで言えば、篠崎愛さんが可愛くて好きでした。でも週プレさんのグラビアが決まって何より驚いたのは、それが台湾ロケで、しかもいきなり表紙だってこと。聞いた瞬間「え~!」ってそれだけ。言葉を失っちゃって、一体何が起こったのかよくわからなかったです。

安倍 乙

☆後編⇒『オオカミくんには騙されない?』出演女優・安倍 乙が語る初グラビア撮影「『あの時はネコかぶってたよね?』って言われます」

■安倍 乙(Oto ABE)
2000年1月18日生まれ 大阪府出身 身長156㎝
○秋元康プロデュースの「劇団4ドル50セント」に所属。劇団の最新公演『Take Off!!!!』では主演を務めたほか、ドラマ『おっさんずラブ』や映画『左様なら』など、女優として幅広く活動。ファースト写真集『吐息の温度』が発売中。
公式Instagram【@abeoto0118】
安倍乙1st写真集公式Twitter【@abeoto_1st】

☆安倍 乙のグラジャパ!プロフィール

『初グラビア物語~My First Gravure Story~』
【週プレ プラス!】+コラムと『週プレNEWS』にて毎週水曜配信
https://www.grajapa.shueisha.co.jp/plus
*『週プレ プラス!』(30日間、税込1500円/初回&クレジットカード決済限定 30日間無料)は『グラジャパ!』で加入できるグラビアに特化したサブスクリプションメニューです。