YouTubeやニコニコ生放送など複数のネット媒体で、24時間365日生配信されている気象情報番組「ウェザーニュースLive」。最新の天気予報もさることながら、ほのぼのとしたキャスターのトークに癒やされる人が続出中で、ファンによる切り抜き動画は1000万回以上再生されることも!
週プレNEWSでは現在11名が出演中のキャスターのなかから5名にインタビュー。最後となる第5回はスキあらばアニメやゲームへの強すぎる愛を語りだす一方で、緊急地震速報時に見事な対応をした際の切り抜き動画が、3000万回近く再生されたことも話題となった檜山沙耶キャスターが登場!
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――今や多くのファンに注目される存在となった檜山さんですが、そもそもウェザーニュースのキャスターに応募したきっかけは?
檜山 学生時代に地元の茨城で東日本大震災を経験して、自分も減災防災のために役立てたらなと思ったことがきっかけです。また、当時は暗いニュースが多いなか、天気予報を見てホッとした気持ちになっていたことも、お天気キャスターを目指すきっかけになりました。
――この10月でキャスター5年目に入りましたが、改めて番組の魅力はどういう部分だと感じていますか?
檜山 穏やかな天気の日でも、荒れた天気の日でも、毎日配信しているところだと思います。
――穏やかな日と荒れた日では、キャスターの仕事内容も変わってくるんですか?
檜山 そうですね。まず業務量がかなり違いまして。番組で使うコメントを書くにしても、台風が来たり、前線の影響で雨が長引いたりすると、それだけ情報量が多くなるので、どこでどんな災害があったとか、何ミリ雨が降ったとか逐一調べているので、どうしても業務量が増えてしまうんです。
――どのくらい違うものなんですか?
檜山 穏やかな日と比べると、2~3倍の時間は使いますね。私たちの職業あるあるだと思うんですけど、基本的に出ている時間よりも準備している時間のほうが長いので、準備時間に何をするか意識しているキャスターは多いのではないでしょうか。
――これから天気が荒れている日は、今日はキャスターさん忙しかったんだなと思いながら見ます(笑)。
檜山 げっそりしていたら察してください(笑)。
――番組は1人のキャスターが3時間を担当する長丁場ですけど、どんなことを意識していますか?
檜山 昔は3時間ずっと気が抜けなかったんですけど、今はいい意味で肩の力が降りて、少し恥ずかしいところを見せても、みなさん受け止めてくれるだろうなって(笑)。そう思えるようになりました。
――始めた頃よりは、素に近い状態で出演できている感じですか?
檜山 そうですね。昔は素を見せることに抵抗があったんですけど、1日3時間、週5で出演していると、どうしても見せざるを得なくなってくるといいますか。もう「これでいいんだな」という気持ちです(笑)。
――そんな素の姿も注目されて、この1年くらいで檜山さんの名前を聞く機会がとても増えたと感じます。切り抜き動画をきっかけにファンになった人も多いと思うんですけど、ご自身で見られることはありますか?
檜山 自分から積極的に見る感じではないですけど、教えてもらってチェックすることはありますね。
――昨年2月の緊急地震速報の切り抜きは、もうすぐ3000万再生に達しそうですよね。
檜山 え、そうなんですか!?
――あれが檜山さんの名が一気に知れ渡ったきっかけだと思うんです。
檜山 当時たくさん話題にしていただいたのは覚えているのですが、そこまで再生されていたのは知りませんでした。あと、この切り抜きだけじゃなくて、デビュー時からずっと切り抜いてくださっている方がいらっしゃって。もう頭が上がらないです。
――檜山さんのファンは、愛のある切り抜きをされる方が多い印象です。
檜山 そうですよね。お礼の仕方がわからないですけど、本当に感謝していることをお伝えしたいです。そういう方がいたからこそ今があるなと思いますし、(知名度が上がって)少し戸惑うこともあるんですけど、変わらずに応援してくださる方の存在が心の支えになっているなと、最近つくづく思うんです。なんか、泣きそうになっちゃいますね......。
――いえいえ(笑)。檜山さんと言えばアニメ好きの印象も強いですけど、アニメも心の支えになっている感じですか?
檜山 そうですね。ちょっと立ち止まる時は、『ARIA』を見ます(笑)。私の人生の教科書なので。
――ゲーム好きでもあるんですよね?
檜山 はい。最近は『スプラトゥーン3』三昧です。
――アニメとゲーム、どっちを先に好きになったんですか?
檜山 最初はアニメでした。中学生の頃に『涼宮ハルヒの憂鬱』にハマって、そこからアニメ好きが始まったんですけど、高校のクラスメイトが半分くらいオタクで、私にとってはパラダイスだったんです。それでアニメ好きが加速したんだと思います。
――ちなみに天気と関係するアニメもあるんですか?
檜山 私が大好きな新海誠さんの作品は、天気描写や自然描写が本当に素敵なんです。それこそ『天気の子』という映画もありますし、『秒速5センチメートル』では雪が描かれたり、『言の葉の庭』は梅雨が題材になっていたり。今度11月11日に『すずめの戸締まり』がロードショーするみたいで、どこまで天気が関わってくるかまだわからないですけど、予告編を見た限りでは田舎と都会の空の描写がとてもきれいだったので、絶対に見たいなと思っています。
(※この取材は映画『すずめの戸締まり』の公開前に行われたものになります。公開後には自身のSNSで鑑賞のご報告をされていました)
――日付までパッと出てきたところに本気度を感じました(笑)。
檜山 それに合わせてお休みを取りたいなと思っているので。
――映画のために休みを取るんですか!?
檜山 私、そうなんです。『スプラトゥーン3』も9月9日発売だったので、それに合わせて前後で休みを取りました。もちろんお仕事が最優先なので、希望が通ったときだけですけど。
――発売日じゃないと嫌なんですか?
檜山 やっぱり発売日にやりたい、公開日に見たいので。だから11月11日が本当に楽しみなんですよ。花澤香菜さんがまた出られるんだと思うと......あ、ごめんなさい、勝手に語り始めてしまって。
――いいですよ、どんどん語っていただいて(笑)。
檜山 花澤香菜さんは『言の葉の庭』『君の名は。』『天気の子』にも出られていたので、4作連続で出るんだと思うと胸が熱くなります!
――そうなんですね(苦笑)。また番組で感想を聞かせてください。
檜山 はい! ネタバレには気をつけつつ、視聴者のみなさんとも感想を共有できたらうれしいですね。
――天気の話に戻しますけど、読者におすすめの気象現象はありますか?
檜山 オーバーシュートという現象はいかがでしょう。積乱雲が成長して圏界面(対流圏と成層圏の境界面)に達すると、上昇が抑えられて水平方向に広がり「かなとこ雲」になるんですけど、成長の勢いが強いと圏界面を突破して上にポコって出るんです。夏に現れやすい現象で、強い雨を降らせることもあるので注意が必要なんですけど、名前もかっこいいですよね(笑)。
――これからの季節で注目してほしいことはありますか?
檜山 秋は雲がきれいなので、空をたくさん眺めてほしいです。うろこ雲とか、ひつじ雲とか、すじ雲とか。それに、秋は空気の違いで空の青が強くなるので、空が高く感じるんです。そういったところからも季節を感じていただけたらうれしいです。
――ウェザーニュースはアプリにも力を入れてますけど、おすすめの使い方はありますか?
檜山 便利な機能はたくさんあるんですけど、他のキャスターさんが紹介していると思うので、私はお天気ニュースチャンネルをおすすめしたいです。ニュース記事を配信していまして、アイコンや数値だけでは説明しきれない天気予報の詳細や、珍しい気象現象が起きたときの解説などが読めますし、今の季節ならおいしい梨の食べ方とか、旬な生活情報もありますので、ぜひご活用いただけたらと思います。
――ありがとうございます。では最後に、これからどんなキャスターを目指したいですか?
檜山 最近は後輩も増えてきて、今はちょうど中間に当たるんです。でも、まだまだ先輩方の後を追う形になると思いますね。本当に尊敬する方々ばかりなので、これからも先輩方のいいところをたくさん見て、より成長できればいいなと思います。
●檜山沙耶(ひやま・さや)
1993年10月27日生まれ 茨城県出身 防災士 いばらき大使
趣味・特技=アニメ、ゲーム、カメラ、テニス
公式Twitter【@sayahiyama_1027】