グラビアライター・とりと、グラジャパ!スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』。第71回は、2023年から活動の拠点を中国に移す小島瑠璃子。彼女のグラビア愛溢れるラスト写真集について。
"こじるり"から"瑠璃"に
とり 今回は、2022年最後の美女画報です! せっかくなので、2022年最後の週プレで表紙を飾られた"あの方"について語ってみませんか?
金髪 "あの方"というと......、つい昨日(2022年12月23日)ラスト写真集『瑠璃』を発売したばかりの小島瑠璃子さんですね!
とり そうです! そのラスト写真集『瑠璃』は、2013年に発売されたファースト写真集『こじるりっ!』以来2冊目の作品となるわけですけど、金髪さん、もうご覧になられました?
金髪 もちろん見ましたけど......、そっか。まだ2冊目の写真集だったんですね。毎年のように、夏になると週プレのグラビアに登場しているイメージがあったから、どこかでもう一冊くらい写真集を出しているものだとてっきり思い込んでいましたよ。
とり 実際に小島さんは、2012年の初グラビア以降の2020年までの8年間、最低でも年に一度のペースでずーっと週プレのグラビアに出続けられていましたからね。その間、写真集を出していなかったのが不思議なくらいかもしれません。
金髪 ねー、そうだよねー。
とり でも、小島さんの芸能人生的には、どちらの写真集もちゃんと意味のあるタイミングでリリースされていますよね。スポーツ情報番組『S☆1』(TBS/小島さんは2012年~2017年まで出演)で注目を集め、"こじるり"として羽ばたこうとしている2013年に出されたファーストに始まり、まっすぐ芸能界を駆け抜けた後、活動の拠点を中国へ移す前の2022年12月23日、小島さんの29歳の誕生日に発売された、日本での最後の仕事として撮り下ろした締め括りのラスト写真集。2冊が揃うことで、スタートからひと区切りまでの長い歴史がひとつにまとまった感じがしますよ。
金髪 『瑠璃』を見ていて、いちばん最初に心を掴まれたのは、冒頭にある赤いドレスのシーン。というのも、これまでの小島さんのグラビアって、どちらかというと海で明るく元気に笑っている印象が強い気がするんですよね。でもこのカットは、表情もしっとりとして大人っぽいし、何より森の奥で撮ってるっていうのが新鮮で。
とり あーっ、分かります! 『瑠璃』本編の見どころは、間違いなくこの森のシーンですよね。冒頭の赤いドレスも素晴らしく美しいですが、それに対抗するかのように、後半にも森のシーンがあって、そこでは青いドレスを着ていらっしゃって。これ、スゴく面白い対比だと思いません?
金髪 ちょっと待って。私はそこまで考えていませんでした(笑)。どういう対比なの? 詳しく説明をお願いします!
とり ここからは全て私の勝手な妄想なんですけど......、まず赤いドレスは、タレント・小島瑠璃子のプロ意識を表していると思いまして。
金髪 あはは。とりさんの妄想ターンきましたね! どうして赤のドレス=プロ意識なんですか?
とり さまざまな才能に囲まれながら、高い瞬発力が求められるバラエティの世界を生き抜き、太陽のような明るさで視聴者である私たちの心を照らしてくれた。そんな小島さんが活動を通して見せてくれた、何事にも前向きに取り組む姿勢は、戦隊ヒーローに例えるとレッドだと思うんです。その確かな"赤色"が深い森の中で鮮やかに存在感を放っている。ラスト写真集にふさわしい佇まいですよ。
とり "人間・小島瑠璃子の純粋さ"を表している気がします。そもそも本作は、赤いドレス=タレントとしてのプロ意識を脱ぎ捨て、ひとりの人間として、新たな未来へ進んでいく決意を描いた写真集だと思っていて。タイトルが「瑠璃」なのも、名前の中でいちばん存在感のある単語を抜き出し、ピュアな部分で勝負していきたい意識の表れかなと推測したんですよね。
金髪 みんなから愛されているタレントとしての"こじるり"ではなくってことなのかな。でも、それがどうして青いドレスになるの?
とり 単純に、"瑠璃"は濃い青色を表す言葉でもあるから、青いドレス=小島さんのピュア(瑠璃)な部分を表現した衣装だというふうに解釈したんです。瑠璃(ラピスラズリ)は、小島さんの生まれ月である12月の誕生石でもありますしね。それに、赤青どちらのシーンにも頬杖をついているカットがあるんですけど、それぞれ目線の先が違うんですよ。赤いドレスのシーンではカメラ目線で私たちの方を、青いドレスのシーンでは目線を外し、斜め上の未来の方を見ている。この対比がスゴく印象的だと思いました。
金髪 私たちに笑いかけてくれたタレントの"こじるり"と、未来を見ている"人間・小島瑠璃子"の対比。なるほどね。きっと今の小島さんの中には、日本の芸能界を離れる名残惜しさと、新しい世界へ飛び出したい気持ちの両方が共存しているだろうし、わりと的確なんじゃない?
とり 前半と後半で着用しているドレスからそんな妄想が広がる中、その間には、これまでのグラビアを淡い記憶として回想するかのように、海での明るいカットが掲載されています。中でも、週プレ本誌(2022年12月19日発売1・2合併号)の表紙でも着用していた、こちらの薄ピンクのネオンカラーのビキニは、何とも小島さんらしいですよね。
金髪 うんうん、こんなふうに海で鮮やかなビキニを着て笑っているのが、小島さんのグラビアって感じがしますよ。
とり 過去にも、全編ネオンカラー水着の印象的なグラビアがあったんですよ(2014年9月16日発売39号/デジタル写真集『きらめきイルミネーション』)。このシーンは、まさしくその思い出の回想ですよね。「やっぱり"こじるり"のグラビアは、ネオンのように明るくなくっちゃな」って、改めて感じさせられるというか。
金髪 笑顔にも「らしさ」が出ていていいよね。
とり 今回私は、写真集と本誌掲載用に2度インタビューを担当させてもらったんですけど、本誌のインタビューで、小島さんが「(本作ができたおかげで)心置きなく中国に旅立てます」と語られていて。でも私たちからすれば、本作を残してくれたおかげで心置きなく中国へのお見送りができますって感じですよね。
中国へ旅立って、たくさんの刺激を受けて、小島さんはどんどん変化していく。それでも寂しさに押し潰されずにいられそうなのは、本作が今の小島さんの全てをちゃんと記録してくれているから。日本に戻ってきた時は「うわー、懐かしいなー」なんて笑いながら、本作を読み返す小島さんの姿が見たいものですね。
10年かけて作った写真集
とり ラスト写真集『瑠璃』は、本編のほかに、過去の撮り下ろしをダイジェストにまとめた別冊・傑作選がセットになっています。先ほどもお話ししましたが、小島さんは、2012年から2020年までの8年間、毎年欠かさず週プレのグラビアに登場されていたんです。なかなかスゴいことだと思いません?
金髪 8年はスゴいなぁ......。ドラマでもバラエティでも、テレビの仕事が増えるとグラビアを卒業していく人が多いですしね。
とり ここまでグラビアを続けられたのは、小島さん自身がグラビアを、週プレを好きでいてくれたからだそうですよ。その辺りの話もインタビューでうかがいましたが、その話ぶりには、確かにグラビア愛を感じました。
金髪 例えば、どういったところで?
とり まず、膨大な量の過去グラビアに対して、ひとつひとつ事細かにエピソードを話してくださったんですよ。それだけでもスゴいのに、「この時は船酔いがヒドくて」とか「編集さんの無茶振りにみんなでブーイングして」とか、ちゃんと笑える要素も盛り込んでくれて(笑)。最終的には「こんな素敵な写真集を作っていただいて......」と、目に涙を浮かべられていたんです。トータル1時間半くらいかな? もうね、目の前で小島さんの特番を見ているかのような目まぐるしい展開に、つい聞き入っちゃったわけですよ。
金髪 小島さん、さすがのトークスキルですね! でも、そこまで楽しげにたくさんエピソードを話せるのは、それだけグラビアへの思いがある証拠だよね。
とり いやぁ、本当にそうですよねぇ。と、いろいろお話をお聞きする中で、私がいちばんグッときた"歴代こじるりグラビア"は、初グラビア(2012年)で見せていた、この不思議なポージングのカットです。当時まだ18歳。ピンクの水玉ビキニもかわいらしいし、表情も初々しくて素敵じゃないですか?
金髪 おぉ~! 今見ると幼い! って、確かに可愛いけど、この独特なポージングは何(笑)!?
とり この時は、初めてで右も左も分からず、カメラマンの指示に従うか、困ったらとりあえず笑顔を見せるしかできなかったそうで。「どんなポーズを取ればいいんだ? うわー、どうしよう!」って、顔周りで適当に手を動かしながら、困った末にニカッと笑ったタイミングで撮れたカットなんですって(笑)。
金髪 初グラビアらしいかわいいエピソードだね。小島さんって、身振り手振りを大きくお話しされている印象があるから、困惑してあたふたしている姿がリアルに絵に浮かびますよ。
とり 逆に私は、テレビでのご活躍を見て、何事にも動じない対応力のスペシャリストだと思っていたので、かつての困ったエピソードが新鮮に感じましたよ。小島さんにも、そんな時期があったんだなぁーなんて、勝手に感慨深い気持ちになっちゃいました(笑)。で、金髪さんはどうです? "歴代こじるりグラビア"の中で印象に残ったカットとかありました?
金髪 そうですねぇ......。わりと最近のグラビアからなんですけど、このノースリーブニットの大人な小島さんが好きかな。元気なイメージだったのが、少しずつお姉さんみが増していったのを感じて。同性ながらキュンとしました。
とり おぉっ! 金髪さん、さすがですね! インタビューでお話をうかがったところ、小島さん自身も、「ずっと仕事第一で頑張ってきたけど、この頃辺りから、少しずつ女のコとしての自分を楽しめるようになった」と振り返られていましたよ。
金髪 やっぱり! 髪が伸びたのが大きいのかな? こうして過去グラビアをまとめて見返すことができたからこそ気づける変化もありますよね。傑作選、見応えあるな~!
とり グラビアの、写真の面白さって、そういった些細な変化を実感できるところにありますよね。小島さんも、テレビと違い、ちゃんと手元にカタチとして残るグラビアは特別なお仕事だったとおっしゃっていましたし。
金髪 毎日のように生放送に出られていた小島さんが言うと、かなり説得力があるなぁ。特に忙しかった時期は、毎回放送を見返すどころか、収録の振り返りをする暇もなかっただろうから。
とり それに小島さんは、大御所の芸能人の方と対面してもあまり緊張しないらしいんですけど、それでも百戦錬磨のお笑い芸人の方たちと並んで渡り歩くテレビのお仕事は、知らず知らずのうちにプレッシャーになっていた部分があると思うんですよ。
金髪 私たちは小島さんのトークスキルに対して「さすがだな」って思うけど、そもそもバラエティは、喋りがうまい人たちがたくさんいる世界ですからね。
とり そんな中、ずっと同じ撮影チームで、親戚のような関係性のスタッフさんたちに囲まれて仕事ができるグラビアは、唯一と言っていいくらい、思い切り羽を伸ばせる場所だったんじゃないかなぁと想像します。小島さんも「忙しない日々の合間に、グラビアで大好きな海や海外に行く時間は、バカンスでもありました」と振り返っていましたし。
金髪 初グラビアの2012年から数えると、週プレと小島さんのお付き合いは今年で10年目。そこまで変わらない関係を築くのは友達でも難しいだろうに、ましてやお仕事で、なんて、とても貴重な環境だったでしょうね。
とり まとめると本作は、週プレと小島さんの絆により10年かけて作られた写真集でもあるということですね。写真を撮るのは一瞬の作業だけど、10年もの関係性があったからこそ切り取れた瞬間がたくさん詰まっている。別冊の傑作選もあわせて見ると、その時間の濃度が伝わってくるはずです。......小島さんのご活躍の裏に週プレグラビアあり、というか(笑)。ちょっと誇らしい気持ちになりますね!
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