桜の木の下でほほ笑む川津明日香
グラビアライター・とりと、グラジャパ！スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報～女子のためのグラビア講座』。第78回は、春が待ち遠しい！ "映える"花グラビアには女のコの気持ちがつまっている!?
■"映え"の裏側
とり ふぅ、もうすぐ春ですねぇ。
金髪 えぇっ、ちょっと気が早すぎない!?
とり まぁまぁ、良いじゃないですか（笑）。金髪さんは、お花見とか行きますか？
金髪 うーん、誘われたら行きますけど、正直「春だし桜を見に行きたい」と思うタイプではないですね。行くとしても、お花見という名目の集まりに参加しているだけというか。何なら、外だとお弁当の上に桜の花びらが飛んでくるかもしれないし、どうせ集まるなら部屋の中で良いじゃんと思っちゃいます（笑）。
とり そ、それお花見じゃないですよ！ ひらひら散っていく、刹那的な感じを楽しむのが醍醐味なのに！
金髪 散ったり枯れたり、そもそも劣化するものが好きじゃないんだよね。それだったら、造花とかドライフラワーの方がまだ見ていられるんです。とりさんは、お花見とか好きそうだよね。そういう変化を楽しめるタイプでしょ？
とり そうですね。変わりゆくものほど見ていたいタイプかもしれません。実際、好きなお店で焼き菓子とカフェオレを買って、散歩しながら綺麗に桜が咲いている公園を探して、そこでボーッとするのが春の楽しみだったりします。ひとりでいたいので、お花見と称した集まりには極力近寄りたくないですが（笑）。
金髪 とりさんらしいね～（笑）。
とり と、初っ端から話が合わないですけど（笑）、桜などの花が写り込んだグラビアって、結構印象的じゃないですか？ 例えば、川津明日香さんのファースト写真集『明日から。』では、満開の桜の木の下で無邪気に笑っている姿が見られるんですよ。一枚の写真として、とても素敵ですよね。
川津明日香『明日から。』（撮影／桑島智輝）
金髪 「お花見なんて興味ない」みたいなことを言いましたけど、写真で見ると「綺麗だなぁ」って思いますよ。いわゆる"映え写真"だよね。
とり 川津さんの写真集は、1年間で四季を分けて撮影されているんですよね。桜は春の象徴だし、ほかにも夏はひまわり畑で、冬は雪の中でと、四季折々の景色が楽しめるのが見どころとなっていて。そう考えると花は、その季節特有の温度感や気持ちを伝えてくれる効果があるような気がします。桜の花を見ると、始まりの予感がしてワクワクする、とか。鼻がむず痒（がゆ）くなる人もいるかもしれないですけど（笑）。
金髪 私はそこまで感じないけど、お花畑で女のコが楽しそうに笑っている写真は好きですよ。単純にかわいいもんね。高崎かなみちゃんのファースト写真集『カナミノナカミ』の冒頭にあるこのカットなんてどうです？ 白いワンピースに大きな麦わら帽子を被って、青空の下を無邪気に駆け出している。これこそ物語が始まるワンシーンみたいで、楽しい気持ちになりますよね。
高崎かなみ『カナミノナカミ』（撮影／佐藤裕之）
とり おぉーっ、絵に描いたようにきれいな飛び方をしていますね。かわいいです。って、何だかんだ言いながら金髪さんも、花グラビアの魅力を分かってくださっているみたいでホッとしました。
金髪 見る分にはね！ 実際、お花が咲いている場所で写真を撮るのって結構大変なんだから。一度、プライベートで昭島の昭和記念公園にあるお花畑まで写真を撮りに行ったことがあるけど、ここだけの話、お花畑には虫がいっぱいいるし、映えるポイントまで辿り着くまでの苦労があるんですよ。知らない間にトゲか何かで怪我したりさ。仕事ならまだしも、プライベートではもう2度と行かないと思う（笑）。
とり そんなハッキリ言わなくても！ 私も、学生時代は兵庫県の篠山（ささやま）という場所によく遊びに行っていて、ドライブがてらお花畑に写真を撮りに行ったことがありました。普通に楽しかったですよ。虫が多いとか、言わんとしていることは分かりますけど。空気が心地良いし、時間の流れがゆっくりな気がして、長閑（のどか）な気分になるんですよねぇ。
金髪 うーん、やっぱり私たち、考え方が真逆だねー（笑）。何度も言いますが、花グラビアを見るのは好きなんですよ。自ら撮りに行くのは億劫なだけで、見たい気持ちはめちゃくちゃあるんですよね。だからとりさん。機会があれば是非、私の分まで花グラビアをたくさん撮ってきてください！ 楽しみにしています!!
とり え、えぇ～!?
■花から広がる感情表現
とり 花というと、私、散歩をするときフィルムカメラを持ち歩くことが多くて。撮った写真は全部プリントしていて、アルバムに時系列でファイリングしているんですね。それを見返すと、その辺に咲いている花とか木の根っこばかり撮っているんですよ。「私、本当に下ばかり見て歩いているんだなー」とハッとするのと同時に、やっぱり花の写真は撮りたくなるんだなぁと、改めて感じまして。
金髪 いやー、私は散歩もしなければ、道端の花を撮りたいとは思わないよ（キッパリ）。実際とりさんは、何で花の写真を撮りたくなるんだと思う？
とり えーっと、まず、桜や花畑を見に行くのは一大イベントじゃないですか。旅先で珍しいものを見たときの感覚というか、写真を撮りたくなるのは、わりと自然なことだと思うんですよね。
金髪 まぁ、わざわざ花を見に行っているわけだもんね。
とり はい。対して私が散歩中に撮っているのは、誰にも見向きされないような場所で、ひっそりと懸命に咲いている名前も知らない花なんです。って、何だか歌の歌詞みたいな言い回しになっちゃったけど（笑）、そういう健気さに共感しては、ついときめいちゃうんですよね。
金髪 ほ、ほう......。懸命に咲く健気さにグッとくるからこそ、写真を撮ってしまうってことね。
とり そうそう。私が撮らないと、本当に誰にも知られないまま枯れていくかもしれないから......なんてことを、無意識的に感じていますね。
金髪 うんうん。
とり この話の流れで、奥仲麻琴さんのファースト写真集『RUN RUN まこと』を見てもらいたいです。アイドルデビューから2年経った17歳の頃（2011年）に撮られた一冊なんですけど、道端に咲いている何でもない花と写ったカットが多くて、無性にキュンキュンするんですよね。華々しい芸能界。大スターになれなくても、私は私らしく、小さくても綺麗な花として生きてやるぞ、みたいな健気な主張が聞こえてくるようです。
奥仲麻琴『RUN RUN まこと』（撮影／川島小鳥）
金髪 そういうマインドにキュンとくるんだね、とりさんは。確かに、小さい花と写っているのもかわいいなー。
とり 話していたら、アクセルがかかってきました。他にも、女のコの気持ちを代弁しているように見える花のグラビアがいくつかあるので紹介させてください！
金髪 おっ、ぜひお願いします！
とり まず分かりやすいところからいくと、スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』に出てくる"キカイノイド"、マジーヌのグラビア（デジタル写真集『ヒロインの証明』）。表情に変化がつけられない分、花などの小物が活きているんですよね。こちらのカットとか、誰かを思う気持ちや、何かに憧れる気持ちなど、花があることで不思議と感情が見えてくる気がしません？
マジーヌ『ヒロインの証明』（撮影／桑島智輝） ©2021 テレビ朝日・東映AG・東映
金髪 ふむふむ、なるほど。
とり ほかにも、カーテンに隠れたり、クッションを抱えたりと、さまざまなアイテムを用いて感情表現されていて面白いグラビアなんです。そのなかで唯一、花は枯れてしまうもの。機械といえども、気持ちは永遠じゃない。どんどん変化していくものなんだって。そんなふうにも読み取れましたね。
金髪 またかなり踏み込んだ妄想だね（笑）。
とり それから、逢沢りなさんのデジタル写真集『青春の輝き』に収録されているこちらのカットも見ていただきたいです！ デビュー10周年の節目に、10代の頃にグラビアでご一緒されたカメラマンの川島小鳥さんと韓国釜山へ。当時を思い出しながら、青春をテーマに撮影されたグラビアです。小さな花を持つことによって、逢沢さんの少女性が描かれている感じがしますよね。
逢沢りな『青春の輝き』（撮影／川島小鳥）
金髪 確かに、少女っぽい感じがするかも。
とり こちらもさらに踏み込んでみると、まっすぐ伸びる黄色い花と曲線を描くピンクの花で、逢沢さんの二面性がそれぞれ描かれているように見えてきます。一見、少女らしく素直な人柄でありながら（黄色い花）、素直になれない複雑な乙女心も持ち合わせている（ピンクの花）みたいな。ずっと少女のままではいられないですからね。うん、切なくもどかしい妄想が膨らみますよ。
金髪 たくさんの妄想、ありがとうございます！ なかなか自分では考えないお話ばかりで面白かったですよ。それにしてもとりさんは、だいぶ花好きみたいだね。いつから好きなの？
とり わりと最近ですよ。それこそ、コロナ禍でいろんな情報が錯綜し始めた頃、人間不信になりかけたというか。何を信じれば良いか分からなくなった時期があったんですよ。人とのコミュニケーションも極端に減りましたし......。そんなときフラッと散歩に出かけると、道端に咲いている花は嘘をついている感じが全くなかった。誰に見られるわけでもなく綺麗に咲いている花が、人を欺（あざむ）くわけない！ って思ったんですよね。
金髪 そ、そんな真面目な理由があったとは！
とり それで、一時期家で生花を育てていたんですけど、毎朝水を変えるときに「今日もきれいだね」なんて声をかけて。その言葉が花を通して自分にも降りかかるようで気分が良かったのを覚えています。金髪さんもぜひ、花とコミュニケーションを取ってみてください！
金髪 ちょっとコワイよ！
川津明日香『明日から。』 撮影／桑島智輝 価格／2970円（税込） 2021年10月に発売された川津明日香さんのファースト写真集デジタル版です。春、夏、秋、冬と四季を分け、1年かけて撮影された本作は、景観の変化だけでなく、川津さん自身にも絶妙な変化が見られるところがポイントです。季節ごとに登場する花にも注目して見てみてください！
高崎かなみ『カナミノナカミ』 撮影／佐藤裕之 価格／2970円（税込） グラビアオーディションで3冠を達成した「無敵のグラドル」高崎かなみ待望のファースト写真集デジタル版です！ 笑顔あふれる活発少女な一面から、しっとり表情をキメるオトナな一面まで、数々の撮り下ろしグラビアで培ってきた表現力を大放出しています。
マジーヌ『ヒロインの証明』 撮影／桑島智輝 価格／0円（税込） ©2021 テレビ朝日・東映AG・東映 2021年放送のスーパー戦隊シリーズ「機械戦隊ゼンカイジャー」に登場する「キカイノイド」マジーヌがまさかのグラビアに挑戦！？ 表情が動かせない＆機械体型の彼女ですが、見事に愛らしいグラビアとして表現されています。大事そうに抱える花に、深い意味を考えてしまう......。無料でダウンロードできるので、グラビアファンには是非一度、お手に取ってもらいたいです！
逢沢りな『青春の輝き』 撮影／川島小鳥 価格／1980円（税込） デビュー10周年を迎えた2019年に実現した韓国釜山での撮り下ろし。カメラマンは、初グラビアから何度も一緒に撮影してきた川島小鳥さんが担当。ほのかに青春のかおりが漂う、ノスタルジックなグラビアに仕上がりました。逢沢さんが10代だった頃のグラビアと見比べてみると、いろいろな発見があるかも？ 青春の輝きは、色褪せることなく眩しく光っています。
金髪りさ
1992年生まれ、兵庫県出身。
元週プレ酒場店員で200人を超えるグラドルを担当した。
趣味／ホラー映画鑑賞
Twitterアカウント【@sutekiend】
とり
1997年生まれ、兵庫県出身。
妄想を得意とするグラビアライター。
趣味／散歩、レコード収集
Twitterアカウント【@seikatsu_tori 】
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★『グラビア美女画報～女子のためのグラビア講座』
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