HKT48の16枚目シングル『君はもっとできる』センター矢吹奈子 HKT48の16枚目シングル『君はもっとできる』センター矢吹奈子
HKT48の16枚目シングル『君はもっとできる』が2月8日に発売された。センターを務めるのは矢吹奈子。2018年から21年まで日韓合同のアイドルグループ「IZ*ONE」のメンバーとして韓国で活動し、最近ではバラエティやドラマにもソロ出演するなど活動の幅を広げている。そんな彼女が先日、グループからの卒業を発表。4月1日にパシフィコ横浜・国立大ホールでの卒業コンサートが予定されている。そこで今回、卒業の経緯や卒業コンサート、グループへの思いなどを聞いた。

――いつから卒業について考えていたんですか?

矢吹 よく聞かれるんですけど、いつというのはなくて。もともと「今を楽しむ」じゃなくて、結構先の人生を考えて選択してきたタイプなんです。そんななかで、メンバーやファンの方にきちんと感謝を伝えられて、全員からちゃん笑顔と送り出してもらえるタイミングはいつなんだろうって考えていました。

――それがうまくハマったのが今ということなんですかね。

矢吹 もちろん、自分のやりたいことが見つかったのがいちばんですけど。あとは後輩がチームのキャプテンになったり、レッスン中にも自分が立ち位置だったりを後輩に聞くようになって、すごい頼もしいなって気づいたんです。

――後輩の成長を感じたんですね。ずっと可愛がってもらっていた先輩の指原莉乃さんにはどう伝えたんですか?

矢吹 もともと卒業に関して軽く話したりしてたんですよ。それで卒業するって決めた時に改めて連絡して。そしたら「頑張ってね」って。

――盟友の田中美久さんには?

矢吹 メンバーには誰も卒業を決めたことを言ってなかったので、みくりんも知ったのは卒業発表したタイミングです。でも発表の後に「なんかそうだと思ってた」って言われました。

――今後やりたいことっていうのは?

矢吹 これから俳優業に行くので、お芝居がしたいです。

――以前に連続ドラマ「顔だけ先生」(フジテレビ系)に出ていましたよね。

矢吹 ドラマのレギュラーでは初でした。学生役というのもあって、同年代のコがいっぱいいて。あと台本を見て現場に行くじゃないですか。でも実際にやってみないとわからないことがあって、撮るたびに違うものが見えてきたり、そういうのが面白いなと。そこからすごくお芝居に興味を持つようになりました。

――最近は「ラヴィット!」(TBS系)とかバラエティも出てるけど、そちらは?

矢吹 うーん、勝手に苦手だと思っちゃってます(笑)。楽しいんですけど、客観視できなくなっちゃったりするんです。あの時こう言えばよかったとか反省しちゃったり、全部録画はしてるんですけど、いい回だけを見ちゃいます(笑)。

――バラエティで活躍してる先輩もたくさんいるし、相談してみたら?

矢吹 でもバラエティって頭の回転の速さじゃないですか。だから聞くと言っても、その人にしかできないことってあると思うんですよね。村重(杏奈)さんとか。

――村重さんは、そうですね。指原さんはもうMCクラスだしな。

矢吹 あんまり着飾りたくないので、そのままでいようっていうのはあります。

HKT48の矢吹奈子

――自然体ですね。でも加入して10年経って、「なこちゃん」って呼ばれることが減ってるんじゃないですか?

矢吹 でもバラエティ番組とかに行くと、そんなに変わらないかもです。

――HKT48では先輩もほとんど卒業して上から4番目ですよ。

矢吹 自分がすごい大人になったんだなって感じます。6期生の最年少は10歳とかですよ。私21ですもん。私の半分しか生きてないコがいるって......。

――昔はコンサートの合間に鬼ごっこをしてたのに、時の流れを感じますよ。最近のHKTはどうですか。

矢吹 相変わらず仲がいいです。先輩から作り上げてきたものがあるからなのか、先輩後輩の壁がない。もちろん6期生は入ったばかりなんで、まだ恐れ多い感が出てますけど、4期生とかは同期みたいな感覚です。(豊永)阿紀ちゃんとか、(武田)智加ちゃんとか(笑)。

――この先、グループがどうなってほしいと思いますか?

矢吹 すごい考えてたんですけど、何が正解なのかなって。HKT48の良さをなくしたくないから、あんまり変えたくないですけど、変えないと新しいファンの方って入ってこないし。変えすぎて今までのファンの方がいなくなっても困るし......。

うーん、でもHKT48って今回のシングルで6期生がふたり入ったみたいに、加入してすぐ選抜メンバーっていうのも結構あるんです。チャンスはみんなにあると思うから、どこかで見つかってほしいですよね。

――チャンスを掴むには、どうしたらいいんですかね。

矢吹 答えになってないかもしれないですけど、人って短所と長所があるじゃないですか。短所を磨こうとする人が多いと思うけど、それだとみんなと同じぐらいまでしか行けない。だったら長所を磨いた方が、そこがずば抜けていたら、絶対に前に出れると思うので。自分の特技とか長所、優れてる部分を見つけ出して、そこを磨いたらいいのかなって思います。

――矢吹さんはそうしてきたんですね。

矢吹 私も以前は長所を伸ばそうとしてなかったんですよ。韓国に行ってからです。周りに歌もダンスもうまいコがいっぱいいたから、その中でどうしようって思って。自分の唯一無二なところを見つけ出そうって、そう考えるようになりました。

――グループで活動することの良さですよね。卒業してひとりになったら、見つけにくくなるんじゃ?

矢吹 でも、お芝居とかでは相手の方がいるわけで、そこで生まれるものとか、見つけられるものとか、盗めるものもいっぱいあるんじゃないかなって思うと、すごい楽しみです。

――卒業後に不安はない?

矢吹 全くないと言ったら嘘になっちゃうけど、楽しみの方が大きいです。やりたいことがどんどん出てきて、何からやろうみたいな感じになっちゃってます。

HKT48の矢吹奈子

――それならファンも安心して送り出せそうですね。4月の卒業コンサートはどんなことをやる予定ですか?

矢吹 まだ全く決まってないんです。だけど自分のやりたいことができるので、曲とかを選んでるんですけど、もうありすぎてカットしなきゃいけない(笑)。でも、できるだけ詰め込んで、エモいコンサートにしたいです。

――ファンはみんな泣くんでしょうねぇ。

矢吹 どうなんだろう、面白くもあるのかな? でも明るくしても、なんか泣けてきますもんね。

――それはそれで悲しくなるんですよね。

矢吹 みんな泣いちゃうかな?

――間違いなくそうでしょう。

矢吹 自分も泣いちゃいそう。でも卒業コンサートって、卒業するメンバーがあまり泣いてないイメージなんですよね。周りのメンバーは泣いてるけど。

――本人は意外とサバサバしてたりしますよね。

矢吹 なんで? と思って。私、もう想像しただけで家で泣いちゃったぐらい。コンサートのセットリストを考えてたんですよ。この曲で始まってと思ったら、もうスンって、涙が出てきちゃって。

――当日は最後までやりきれるのか?

矢吹 ずっと泣いてたらどうしよう(笑)。

――それも含めて楽しみなコンサートになりそうですね。

矢吹 もうバッタバタだろうなー。メンバーのみんなにもダンスとかたくさん覚えてもらわなきゃだから、早くセットリストを決めないと。

HKT48の矢吹奈子

矢吹奈子(やぶき・なこ)
2001年6月18日生まれ 東京都出身
指原莉乃に憧れて、2013年にHKT48の3期生としてデビュー。
自身がセンターを務める『君はもっとできる』が好評発売中!
2月25日よりスタートのドラマ「沼る。港区女子高生」(日本テレビ)出演。
公式Twitter【@nako_yabuki_75】
公式Instagram【@75_yabuki】