さまざまなメディアで話題を振りまく ひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームをじっくり語る連載コラムだ。
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■『PV-7』との出会い
小学3年生のとき、ファミコンが欲しくてビックカメラに行ったら「パソコンのほうが良いよ」と親に丸め込まれちゃって、結局買ってもらえなかったんですよね。
その代わりに親が買ってくれたのがカシオのMSX『PV-7』。当時は定価3万円ぐらいで、ちょっとしたプログラミングやゲームができるパソコンでした。これが僕がはじめて手に入れたゲーム機でもあります。
当時の僕は「カセットを出し入れしてゲームができるからファミコンと一緒だろ」なんて思っていました。
でも、全然違った(笑)。パソコンってカーソルキーあるじゃないですか。PV-7はカーソルキーが本体の右上に一列で【↑↓←→】と横並びなんです。キャラを斜めに動かせない仕様だから、とにかく遊びづらくて。
最初は『チョップリフター』や『ハイパーオリンピック』といったシューティングやスポーツのゲームをやっていました。面白いかと聞かれたら面白くはないです(笑)。それしかやるものがなかった、という感じ。
その後は、パズルゲームの『ザ・キャッスル』や『ハイドライド』というアクションRPGをやっていました。
『ハイドランド』を開発したT&E SOFTってメーカーが創立5周年(1987年当時)を記念して、自社のゲーム音楽を収録したカセットテープを配ったんですよ。ハイドライドやSTG『ディーバ』とかの音楽が収録されていて、僕それがすっごい好きなんです。
たぶん、【T&E SOFT 5周年】とかでググれば出てくるんで、興味があったら聞いてほしいですね。
■ゲーム機よりパソコンのほうがいい
当時、『MSXマガジン』や『MSX・FAN』といった雑誌がありまして。友だちから雑誌を借りて、そこに載っているプログラムを打ち込んで、カセットテープに保存するんです。
まあ、プログラミングというより写経みたいなもんなんですけど(笑)。ちょっとしたゲームができたり、アニメが表示されて楽しかったんですよね。そんな写経を続けてプログラミングというものを認識しはじめたのは、小学校の高学年の頃でした。
そういった意味ではビックカメラでMSXを買ってくれた親に感謝しています。でも、これって現在でも同じじゃないですか。ゲーム機より、パソコンのほうが絶対に良い。
例えば『マインクラフト』にしても、据え置き機でやると与えられたゲームを遊ぶだけになりますが、パソコン版ならゲームをMOD(改造データ)でカスタマイズできる。
これ、プログラミングを学ぶきっかけになりますよ。なので、ファミコンからゲームをはじめた大人も、自分の子供がゲームをやりたいと言ったらパソコンを勧めてほしいですね。
●ひろゆき(西村博之)
1976年生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『考えて生きる~合理性と好奇心を併せもつ~』(成毛眞氏との共著、集英社)など