じゃい
あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第44回】「フルゲートのハンデ戦は買わない」「この産駒は道悪で絶対に買う」「ダートでは馬体重を重視する」など、馬券を買う際の、じゃいさんなりのルールや決め事があれば、なんでもいいので教えてください。その理由も知りたいです。(50代・男性)

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日曜日に行われたフィリーズレビューは、3連単で1000倍を越える高配当馬券になりましたね。勝ったシングザットソングは僕がスタートさえ決まれば勝てると思っていた馬でした。他はもう展開次第で10回走って10回違う結果になるようなメンバーで、いやあ難解でしたね。

金鯱賞はプログノーシスが勝ちましたが、G1でも好走出来る馬だと思っています。本命だったマリアエレーナに関しては、どういうこと?って感じですが......。

まず前に付けられなかった時点で厳しかったですし、まさにチグハグな競馬でしたね。まあこんなこともあるのが競馬です。アネモネSに関しては分からなすぎて買いませんでしたが、荒れるという予想だけ当たってました。

じゃい

ご質問ありがとうございます。今回の質問をいただいた時に一瞬不安が走りました。

なぜか? それは「じゃいさんなりのルールがない」の一言で終わってしまい、コラムとしてはありえないような文字数で終わってしまう可能性があると思ったからです。

なぜじゃいさんなりのルールがないのか?

質問者が例で出している事例なんですが、当然無視するというわけではなく、むしろ素晴らしいことだと考えます。要素の1つとして当然考慮はします。

実は、昨年出した書籍「稼ぐメンタル」でもこのことについて記していますので、重ねてお話しします。本の中では「ルーティーンは持たない」というタイトルで書いています。

競馬を予想する上でのパターンや定石は存在します。

「この産駒は休み明け走りやすい」
「ダート替わりで狙いたい」
「距離短縮、延長で狙いたい」
「道悪で狙いたい」
「この競馬場のこの距離は内枠を狙いたい」
「小頭数で堅そうなレースは買わない」
などなど。

それは数えきれないくらいの自分なりのセオリーが存在します。

今週のギャンブル格言【ルーティーンは持たない】 今週のギャンブル格言【ルーティーンは持たない】

しかし、それを決してルールにはしません。それはなぜか? 同じレースというのは存在しないからです。

仮に、同じ競馬場、同じ距離、同じメンバーのレースがあったとしても、時期が違えばそれはもう同じレースではありません。

もちろんリピーターがよく来るレースはありますが、必ず来る訳ではありません。

例を出します。とあるレースの10番人気馬の成績が(0.0.1.19)だったとしましょう。

普通は「来ない!」となるでしょう。でも、1度は3着に来てる事実があります。だから、データを見ただけで反射的に外すということはしません。そもそもメンバーが違うのだから、そのデータが次のレースに当てはまるとも思いません。

もう一つ例を出します。

「1番人気がここ10年必ず馬券に絡んでいる」というデータがあったら、「1番人気が来る」と考える方は多いと思います。

でも、僕はそうは思いません。そもそも1番人気かどうかを決めているのは馬券購入者ですし、人気かどうかのデータ自体は、僕の中ではデータとすら思っていません。

ここで大事なのが、
「なぜこのレースは堅く決まることが多いのか?」
「なぜ荒れることが多いのか?」
という理由なんです。そこに踏み込まなければまず勝てないと考えています。

ルールを決めるということが悪いというわけではありません。ルールに縛られ過ぎるのが成長を止めてしまい、柔軟性が失われてしまうと考えているんです。質問の答えになっているかどうかは分かりませんが、一応これが僕なりの回答です。

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じゃい

じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

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