■玉石混交のスマホゲーム!今年度、本当に面白かったのはコレだ!
年間、数万タイトルがリリースされるスマホゲームはまさに玉石混交、百鬼夜行のごとしですが、年間250作以上のスマホゲームを遊び、レビューを書いているわたくし高野メルドーが、「2022年度」(2022年4月~2023年3月)にリリースされたスマホゲームの中で、個人的に特に面白かったと思うものを5作、紹介させていただきます!
■無数の敵を自動攻撃でなぎ倒す、凶悪なる中毒性『Vampire Survivors』
『悪魔城ドラキュラ』のようなドット絵のキャラが無数の敵を殲滅する「無双ゲー」と、毎回違った楽しみができるローグライト要素のいいとこ取りをしたようなアクションRPG...それが『Vampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ)』!
最初は1種類しか武器やアイテムを持っていない主人公に、無数のコウモリやガイコツが襲い掛かってきます。しかし、そういった敵を倒していくうちに武器が増えていき、いつしか無双状態に!
この敵の群れを一気になぎ倒す爽快感、そして性能のインフレーションがもたらす中毒性の高さに、「電子ドラッグ」と呼ばれる事もあるほどの本作。遊ぶときは時間泥棒に要注意! ゲームは1日1時間...高橋名人もそう言っていましたが、大人だってそうそう守れる約束じゃありません! なのにこのゲーム...完全無料なんです!恐ろしい!(iOS版、Android版)
本作が火付け役となって「ヴァンサバ系」「サバイバー系」と称するゲームもたくさん出ておりますが、隠し要素や爽快感などを含めてまずは本作をオススメします!
■死と共に、強くなれ!『ローグウィズデッド - 戦略放置RPG』
スマホゲームの人気ジャンルに「放置系RPG」というものがあります。ゲームを起動していない間にも経験値を獲得して強くなれる、忙しい現代人にうってつけのものです。本作は放置系ゲームの気軽さはそのままに、多彩なユニットや主人公の行動を選ぶ戦略性が担保されており、放置させても、放置させないでも楽しめるものになっています。
そして、宝箱から出てくる「アーティファクト」と呼ばれる多彩なコレクション要素兼パワーアップアイテムがあり、主人公は死んでもアーティファクトは残るため、挑戦するたび(=死ぬたび)に主人公はどんどん強くなり、冒険も毎回違ったものになります。
この放置系ゲームのお約束ともいえるゲームシステムを逆手にとったストーリーとシステムが素晴らしい! そして、以前は苦戦したボスキャラを一蹴できた時の気持ちよさといったら! 去年一番遊んだゲームかもしれません。
■硬派なるインディRPG!「カルドラシル」
10年間も毎日のようにスマホゲームを遊び続けたわたくし高野が、最高のスマホゲームの一つだと断言する名作『ヒュプノノーツ』(2015年)を手がけた、インディーゲーム制作会社「石乃浦骨董店」さんが制作した新作カードバトルRPGが、この『カルドラシル』です。
カードバトルといっても対人戦要素はなく、1人プレイでデッキを構築し、街やダンジョンを探索してさまざまな敵と戦っていきます。今作の一番の面白さは、多彩なカードの中から30枚を選び、作戦を練る楽しさ。その戦略性の高さゆえに、骨太で硬派なゲームに仕上がっている印象です!
ちょっと宣伝させてほしいのですが、本作の次回作である『カルドラシル2(仮)』のBGMを、わたくし高野メルドーが担当いたします! スーファミあたりが直撃した世代として、ファイナルでロマンシングなファンタジー音楽を手掛ける予定です! お手柔らかにご期待ください!
■100メガショック!『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』
NEOGEO...それは我らがハイスコアガール世代のピコピコ少年たちが愛したアーケードゲームたち! それが今は「アケアカNEOGEO」シリーズとしてスマホでも遊べるんですよ! レイジングストーム!
それも、あの頃と違って(一度アプリを購入すれば)コンティニューし放題! 当時のアーケードを忠実に再現しつつどこでもセーブできたり、パッドのカスタマイズ機能があったりといろいろと便利機能もあるんです! ただ、格ゲーの入力はスマホのタッチ操作だとかなり厳しいので、Bluetoothコントローラーを用意したほうがいいでしょう。
別途Bluetoothコントローラーを2つ用意すれば、いつでもどこでも友人と気軽に対戦でき、出先がさながらゲーセンに! 夢のような時代到来です!
『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』以外にも「アケアカNEOGEO」シリーズはラインナップが充実していて、『餓狼伝説』シリーズはもちろん、『サムライスピリッツ』も『KOF』も! 『龍虎の拳』や『ワールドヒーローズ』もありますよ!
■麻枝准×WFSの黄金コンビが生み出したRPG『ヘブンバーンズレッド』!
最後に紹介するのは2022年度、と言っておきながらこちらは2022年2月にリリースされたものですが、非常に豪華な出来だったので特別に。
本作は『Kanon』や『AIR』(どちらもWindows版のほかドリームキャストやPS2などでリリース)、『CLANNAD』(Windows版、PS2、PS3、Xbox360など)のシナリオライターで、音楽家としても活躍する麻枝准さんが、13年ぶりに原作とメインシナリオを担当したRPGで、『消滅都市』(2014年)や『アナザーエデン 時空を超える猫』(2017年)などを手掛けたゲーム会社、WFSが共同開発したスマホゲームです。羊文学の塩塚モエカ氏もはまってるそうですよ。
麻枝さんといえば、アニメファンには2010年に放送された『Angel Beats!』(CBC、TBS、MBSなど)も馴染み深いかもしれませんね! わたしは『鳥の詩』(『AIR』の主題歌)を聴くたび、今でも鳥肌が立ちます。
さらにキャラクターデザイン、メインビジュアルは『アズールレーン』などで知られるゆーげん氏が担当。制作陣だけでも豪華なのに、ゲームシステムもRPG好きに非常に刺さる出来になっています。そして、謎の生命体に襲われ、危機に瀕した地球。そして絶望にあらがう少女たちの戦いというストーリーも、シリアスながら麻枝准スタイルもバッチリ!
無料で貰える報酬も豊富なので、今から始めても間に合いますよ!
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いやいや紹介したりない...ぬか漬けパリピマンの『実写版クソゲーRPG』やツクールゲー...SteamやSwitchから輸入されてきたインディーゲーム! スマホゲームの良作は、実はもっともっとたくさんあるんですYO!
今でも尖ったゲームや懐かしいゲームが、毎日のようにリリースされているスマホゲームの世界!ゲットレディ! フォーザフューチャー!
●高野メルドー(たかの・メルドー)
SuiseiNoboAz(最新作は2022年『GHOST IN THE MACHINE DRUM」)をはじめ、ゲスバンド、古都の夕べなどで活動するギタリスト。ゲーム好きとしても知られ、スマホゲーム専門メディア「アプリゲット」でレビューを執筆している。