2004年に女優・南野陽子がリリースした写真集『FLOWERS』。その秘蔵アザーカットで新たに再編集された『FLOWERS 2023 Another edition』が、5月1日(月)に「週プレグ ラジャパ!」ほか、主要電子書店で一斉に発売された。

『FLOWERS』は、南野陽子の芸能生活20年目を記念して制作され、ハワイや彼女の地元・宝塚、都内のスタジオなど様々なシチュエーションで撮影、彼女の素顔に迫った。貴重な水着姿も多数収録された一冊だ。

今回発売された『FLOWERS 2023 Another edition』は、ハワイのシーンを中心に厳選されたアザーカットで構成。当時の溌剌とした姿からセンチメンタルな表情まで、37歳だった南野陽子の大人の魅力が溢れている。

本人に当時の撮影エピソードや『FLOWERS 2023 Another edition』の見どころ、また水着グラビアについての思いなどを話してもらった。

* * *

ーー最新刊『FLOWERS 2023 Another edition』は、2004年に発売された写真集『FLOWERS』の未公開カットを収めた一冊です。

南野 過去の焼き直し企画って、あまり好きじゃないんです。なので今回のお話をいただいたときは、ちょっと悩みました。でも30代でしっかり撮った写真って、意外と少ないことに気が付いて。だったらちゃんと残したいって気持ちになり、お話を受けることにしました。

ーー久々に写真を見返して、どんな心境でした?

南野 当時37歳ですよね。当たり前だけど、今より若いなと(笑)。三つ編みのカットもあって「年齢的にヤバくない?」ってツッコミを入れたくなるけど、そこまで違和感もなかったりするし。ただ、同時に自分の迷いも表れている気がします。

ーー迷いですか?

南野 30代半ばって、もう"何者でもない"って時期はとうに過ぎているんだけど、かといって確固たる自分にはまだ至っていない年齢というか。

笑顔といっても自信に満ちた笑顔ではないし、どこか不安そうな表情が多々ありますね。40歳の手前で、仕事でもプライベートでも模索していたというか。言い換えれば、その大人の揺れる感じがこの写真集の見どころなのかもしれないですね。

ーーもともと『FLOWERS』は、南野さんの芸能生活20年目を記念して撮影されたんですよね。

南野 写真集にそう書いてあったけど、本人的にはその意識はなかったです(笑)。ずっと懇意にしていた週刊プレイボーイの編集さんに「何かやりたいですね」ってお声がけしたのがきっかけ。気心知れたスタッフばかりだったので、とりあえずたくさん撮ろう、みたいなノリで進めていきました。なのですごく自然な形で作られた写真集なんです。

ーーハワイや、地元・宝塚、スタジオと各地で撮影されていますが、それは「等身大の自分を見せたい」という南野さんの意向もあったとか。

南野 そうです。ハワイでは開放的な自分を出せるけど、キリッとした表情や無防備な姿は出しにくい。だったらそれらをスタジオや地元で撮ろうと。30代半ばの自分をすべて出したかったんです。

ーー印象に残っている写真はありますか?

南野 地元で撮ったシーンですね。おばあちゃんのお墓参りに行ったり、実家で撮影したり。この『FLOWERS 2023 Another edition』にも載っていますけど、『スケバン刑事』で使った鉄仮面や『はいからさんが通る』のフィギュアも写してもらったんです。『陽子をひとりじめ......』(1986年発売のファースト写真集)を手にして笑っているカットがあったり。普段人前で見せないような、リラックスした雰囲気でした。

あと印象的なのは水着のシーンかな。どう撮るかでカメラマンさんとはかなりニラみ合いが続きました(苦笑)。

ーーデビュー当時はともかく、南野さんの水着カットが見られるのはレアですよね。

南野 ほとんどやってないですしね。だって水着はイヤだから。

ーーそんなにはっきり言わなくても(笑)。

南野 久々の写真集だし、ハワイで水着は自然なのでやろうって話になったんですけど、なかなかみんなの意見がまとまらなくて。いろいろあった末に、ワンピース水着で夕暮れの海と楽しそうに戯れました。

ーー『FLOWERS』には付録DVDが付いていて、メイキング動画が収録されています。そこで「水着など露出がある衣装のシーンでは、必ず小道具に花を使った」と話されてましたね。

南野 そうそう、髪にお花をつけたりして。花があれば水着でもセクシーになりすぎず、爽やかなイメージに見えますよね? 水着に対する私のささやかな抵抗です(笑)。おかげで気分良く撮れました。

ーーせっかくなので水着の話を伺いますが、南野さんはデビュー当時、『DELUXEマガジン』(週刊少年マガジンのグラビア増刊)のスタッフに直談判したことで、水着グラビアを撮るようになったんですよね?

南野 最初は『DELUXEマガジン』の新人紹介コーナーに出してもらったんです。でもメイクをしたことがなかったから、トイレで無理やり落とそうとしたんですね。そうしたら目の周りが黒くなって、その変な顔のまま載っちゃって(笑)。

あまりに悔いが残ったので、学校帰りに編集部に寄ってそのことを言ったら、編集長が「じゃあ、あなたが納得いく写真を撮ろう」って。たくさん撮った中には水着も少しだけ入っていて、結局36ページありました。

ーーいきなりすごいページ数ですよね。

南野 同時期にデビューした同期の方が、先に誌面で水着グラビアをやっていたんですけど、それがぜんぜんイヤらしくなくて。これなら自分もできるかもと思って(笑)。でも撮影前は悔いが残らぬよう、いろんなアイドルのグラビアを見て研究しましたよ。

ーーその後も何度か水着をやっていましたけど、抵抗は?

南野 もちろんありました。そういうときはわざとふて腐れた顔や寄り目をするんです、そうすればその写真は使われないだろうと(笑)。それでも使われちゃうんですけどね。

ーー『FLOWERS』のアザーカットを見返していたら、ふて腐れた顔の写真ががありましたよ。

南野 え!? ありました? それは心中を察してもらえれば(笑)。でも水着に限らず、撮影はスタッフとの信頼関係ありきでやっているので、気持ちは常にオープンなんです。たとえイヤそうな顔をしていても、等身大の私としての表現ということで見ていただきたいですね。

ーーちなみに5月28日(日)からは舞台『泣いたらあかん』(演出/武園元)の上演が控えます。

南野 昭和の初め、劇団で奔走する女優姉妹のお話です。私は藤山直美さん演じる、座長を務める女優の妹役。芸達者な姉と対照的に、見てくれだけの女優で、チャイナドレスを着て歌います。

ーー役作りはいかがですか?

南野 歌って踊ってピッタリした衣装を着て、2,30代の頃は避けていたことを50代後半の今やるという(笑)。ただ、そういうことをやってみようと思えるのも、歳を重ねてオバサンに「進化」したんだなと。

ーーオバサンに進化?

南野 歌もそう。昔は、自分は下手だから歌っちゃいけないと思ってたんだけど、今はみんなと楽しい時間が持てるなら歌っちゃおうかな!に変わって。それまで否定的だったものを受け入れ、失敗することも怖くなくなり......。おかげでいろんなことができるようになりました。

ーー年を重ねて前向きに可能性を広げているから、オバサンに「進化」と。

南野 そうです。今回も上手に演じられなくて恥をかくかもしれないけど、藤山さんとご一緒できるし、何か得られればきっと次につながるはずだから堂々とやればいいかなって。もう毎日が楽しいです。

ーーもうすぐ芸能生活40周年ですよね。何かを企画しているんですか?

南野 40周年かー。『FLOWERS』を出したときもそうだったけど、過去を振り返って区切りをつけることに興味がないんですよ。わざわざそんなことをしなくても、『泣いたらあかん』みたいに、ご褒美みたいに素敵な毎日を送らせてもらっていますから。これからも普段通り、楽しくやっているはずです。

あ、でも同期のみんながやりだしたら、やっぱり私もやればよかったと思うかも(笑)。そのときは週プレさん、何かさせてください。お願いします!!

南野陽子(みなみの・ようこ)
1967年6月23日生まれ 兵庫県出身
〇1985年6月23日にレコードデビュー。
『スケバン刑事Ⅱ』で主演し、一躍トップアイドルに。
その後も数々のドラマや映画、歌にCMと多方面で活躍。
2025年で芸能生活40周年を迎える。
5/28~6/20、大阪・新歌舞伎座にて上演される
舞台『泣いたらあかん』に出演する

南野陽子デジタル写真集『FLOWERS 2023 Another edition』撮影/山内順仁 価格/1980円(税込)南野陽子デジタル写真集『FLOWERS 2023 Another edition』撮影/山内順仁 価格/1980円(税込)
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