AKB48チーム8が4月30日(日)に横浜・ぴあアリーナMMにてコンサート「AKB48チーム8 春の総決算祭り 9年間のキセキ」を開催。全国47都道府県の代表メンバーによって2014年に誕生したチーム8はこの日をもって活動休止。ラストまで残った29人のメンバーを見送るべく、7500人のファンが会場に集まった。
オープニングはメンバー全員が映像をバックにダンス。中学生が中心だったチーム8もほとんどのメンバーが大人になり、今は可愛さでなく、カッコよさで会場のボルテージを上げる。そして小栗有以と岡部麟の「AKB~!」と叫んで始まる『RIVER』、さらに初期の名曲『制服の羽根』、続いて本田仁美がセンターとなったAKB48の最新シングル『どうしても君が好きだ』と、一気に5曲を披露。
ユニットパートは、曲の前に坂口渚沙が中心となってコントを行なったり、お笑い担当の濵咲友菜がメンバーの秘密を暴露するなど、楽曲以外にも様々なことに挑戦してきたチーム8らしさがあふれる構成。
後半ブロックでは『ラブラドール・レトリバー』、『蜂の巣ダンス』、『夢へのルート』といったチーム8でおなじみの曲を連続パフォーマンス。本編ラストはチーム8活動休止にあたり書き下ろされた新曲で、過去のチーム8楽曲の印象的な振り付けが合間に挟み込まれた『サヨナラじゃない』を歌う。
アンコールはもちろんファン全力の「チーム8」コール。するとメンバーは会場のあちこちに登場。チーム8がAKB48グループ全体に広めた撮影タイムで、ファンはスマホやプロ顔負けのカメラ機材でメンバーたちとの最後の思い出を作っていた。
本当の最後に歌うのはチーム8とファンにとっての絆曲といってもいい『47の素敵な街へ』。ファンはありったけの声を振り絞り、メンバーは最高のパフォーマンスでそれに応える。濃厚なファンたちが盛り上げてきたチーム8らしいラストショーだった。
最後に小栗有以がメンバーを代表して会場に語りかける。
「チーム8は9年間みんなで活動してきました。楽しいこととか、うれしいこととか、悔しいこととか、苦しいこととか、全部みんなで共有してきました。
最初チーム8はAKBで認めていただけなくて、たくさんもがきました。でも今はこうして大きな会場で、たくさんのファンの方に見ていただけて、コンサートができています。スタッフのみなさん、そして好きになってくださったファンのみなさんおかげだと思います。本当にありがとうございました。
これから新しい道に旅立つメンバーもいます。チームとして休止になって、AKB48自体もチームがバラバラになることが発表され、でもAKB48としてひとつになるきっかけだと思っています。チームがバラバラになっても心はひとつ。今は48グループを盛り上げようという気持ちで、ひとりひとりが突き進んでいけたらいいなと思っています。
チーム8は私たちの青春そのものでした。私たちはチーム8が大好きです」
続いて本田仁美が総合プロデューサー秋元康からの手紙を読み上げた。
「チーム8のみなさんお疲れ様でした。2014年に結成されてから9年間、それぞれのメンバーが各都道府県の代表として、ここまで頑張りました。
各都道府県の顔となるわけですから、プレッシャーもあったでしょう。他の誰かと比較されたり、選抜に入る入らないであれこれ言われたり。身に覚えのないウワサを流されたでしょう。
でもその時に、生まれも育ちも違う君たちが声を掛け合い、話し合い、立ち向かってチーム8も少しずつ絆が生まれ、どこよりも結束力あるチームになりました。その成長ぶりに感動して僕はいくつもの歌詞を書きました。
『47の素敵な街へ』、『制服の羽根』。『一生の間に何人と出逢えるのだろう』。君たちのひたむきな姿勢がチーム8の楽曲を生み出したのです。
ここでチーム8の活動は休止となります。解散という言葉はやめましょう。チーム8は君たちメンバーの中で、応援してくれたファンの中で、支えてくれたスタッフの中で、もちろん僕の中でも生き続けるからです。だからさよならの代わりにこの言葉を送ります。ありがとう。また会いましょう」
本田は「先生が言ってくださったように、解散という言葉は使わずに、またみんなで会える機会を楽しみに。精一杯頑張っていきたいと思いますので、これからも私たちのことをよろしくお願いします!」と挨拶。
そしてメンバー全員がマイクを使わず自分の声で「9年間ありがとうございました!」と感謝を叫び、ステージは終了した。
最後に小栗は「悲しいことやつらいことがあったら、チーム8を思い出してください。チーム8のことを忘れないでください」と話し、倉野尾成美は「チーム8のこと忘れんなよ!」と叫ぶ。そして岡部が「約束!」と小指を上げてステージを去っていった。
チーム8が誕生した当初、既存のファンからはなかなか受け入れられなかった。AKB48といえば『会いに行けるアイドル』をコンセプトに活動していたが、チーム8は『会いに行くアイドル』として、47都道府県ツアーや、数人で各地のイベントに参加するなど、地道な活動でファンの裾野を広げ、今ではAKB48の中核として欠かせないメンバーにまで成長した。そんなチーム8のことをファンはずっと忘れないだろう。