今春に高校を卒業した8名の門出を祝い、高校生としては最後の制服姿を撮り下ろし。それぞれのジャンルで活躍する彼女たちに、青春の思い出や卒業後の目標を語ってもらった高校卒業記念インタビューです!
今回は、高校時代に"JKラッパー"としてフリースタイルラップ界をザワつかせた#KTちゃん。制服姿で強面(こわもて)の男たちと渡り合った彼女に高校時代の思い出を振り返ってもらった。
――高校時代はフリースタイルラップ界に突如現れた"JKラッパー"として話題をさらった#KTちゃんですが、そもそもどういった経緯でラップと出会ったんですか?
KT もともと小さいころからアーティストや表現者として活動したいという夢があって、いろいろ習い事をしていたんです。小学生のころは子役としても活動していて、ダンスだったり、歌や演技といったスキルも身に付けていました。
その中でも歌手になりたいという思いは強かったので、いろんな曲をたくさん聴いていたんですよね。それで、最近の曲ってポップソングとかでもラップが入っていることが多いじゃないですか? それを聴いているうち、次第にラップってかっこいいなって思うようになって、見よう見まねでやってみたのが一番最初の出会いです。
――本格的にラップにチャレンジし始めたのはいつ頃ですか?
KT ちゃんとラッパーとして活動を始めたのは、高校2年生で今の事務所に入ってからですね。事務所のオーディションでラップを披露したこともあって、A&R兼マネージャーさんが「ラップでいこう!」ってレッスンを受けさせてくれて。それからより本格的にラップに取り組むようになりました。
――では、ラップに手応えを感じ始めたのは?
KT やっぱり高校3年生の夏に出場した『第17回高校生RAP選手権』ですね。そこで決勝大会に進出できたことが今につながっています。
――どうして出場しようと?
KT 私の高校生活はまさにコロナ禍だったので、入学してから一回も学校の行事らしい行事が出来ていなかったんです。それで「やばい! このままだと高校生の思い出、全然なくね!!」って思って、何かひとつ思い出を作ろうと高校生RAP選手権に出場しました。
それで、ありがたいことに決勝大会に出場させていただけて、そこからいろんなイベントに呼んでいただけるようになりました。
――思い出作りで出場したら一躍話題になってしまったんですね! #KTちゃんがやられている『フリースタイルラップ』は即興でラップをするスタイルですが、どんなところが魅力なのでしょうか?
KT 自分の個性だったり、考えや意見はもちろん、コンプレックスでさえも「自分だ!」って発信できるのが面白いと思います。しかも、そういうことをお互いに理解したうえで、対戦相手とバトルして共有するっていうのは、なかなか無い文化ですよね。戦っているようで実は相手を尊重しているというか。だからこそ、私みたいな女のコだからこそできるラップもあって、それを認めてもらえているのはすごくうれしいです。
――フリースタイルラップというと強面の男たちが激しく相手をディス(罵り)合うイメージですが、#KTちゃんのファンシーな感じはそれとは一線を画しますよね。
KT 私はファンタジーな言葉とか世界観、ポップなイメージのものが好きなので、それをラップに活かせないかなって思って積極的に取り込んでみたらうまくハマって、ほかの人とは違うファンシーなラップというスタイルが出来たんです。そういう自分ならではの個性を活かせるのもラップの魅力ですよね。
――数々のラッパーとバトルをしてきた#KTちゃん。その中でも1番印象に残っているバトルは?
KT タマちゃん(DOTAMA)とはバトル出来てうれしかったですし、それこそ『高校生RAP選手権』の時の長瀬ちゃんとのバトルも熱かったなぁ。ほかにも思い出深いバトルがいろいろあってなかなか選べない~!!
でも、やっぱりカルちゃん(呂布カルマ)とのバトルは印象深いですね。「あの呂布カルマさんとバトルしてる!」っていう感動もですし、内容自体も楽しかったというのもあるのですが、実は高校生ラップ選手権の時の審査員の一人がカルちゃんだったんですよね。
その時に、審査員の中で唯一私に票を入れてくれて、「女の子版のDOTAMAを見ているようだ」って言っていただけたのが本当に胸に響いて! 正直まさかそれから2か月後にバトルすることになるとは思っていなくて、めちゃくちゃ感慨深かったです。
――そんな#KTちゃんの今までのバトルの中で自分の最高のパンチライン(フレーズ)は?
KT それもカルちゃんとのバトルの時に出した一節ですね。『カルちゃんバトルの裸の大将、インスタだったらブロック対象』っていうのは、自分のJKという立ち位置も踏まえて吐き出せた私らしい一節なんじゃないかなって。今もお気に入りのパンチラインです!
――それを呂布さんにぶつける度胸すごいです(笑)。ちなみにラッパーの方々ってすごい怖いイメージがあるんですが、実際怖くないですか?
KT 怖く見えるかもしれないですけど、私が出会った方々は基本みんな優しいです! 少なくとも私の前では優しくしてくれます。実際のところはわからないですけど(笑)
――その中でもここだけの話、#KTちゃんに特に優しいのは?
KT え~だれだろう。でもぺーちゃん(晋平太)はめちゃめちゃ優しいですね! 会うと「イエーイ! KTちゃんヤッホー!!」みたいな感じでハイタッチしてくれます!
――いい話が聞けました(笑)。そんなラップと出会った高校生活をあらため振り返ると?
KT ラップと出会って、幼い頃から抱いていたアーティストとして活動をしたいという夢の第一歩を踏み出すことができました。その運命の輪が回り始めた高校生という期間は私にとって一番の宝物だと思います。
――高校を卒業して"JKラッパー"という肩書は取れましたが、今後はどんな活動を?
KT カルちゃんにバトルの時に言われた「制服脱いでからが本当の勝負だぞ」っていう言葉がずっと心に残っていて。それに応えるじゃないですが、制服を脱いでも「私は私なんだ!」っていうところを見せたいです。
だからこそ、卒業してJKというブランドは無くなったけど、自分のスタイルはブラさずに活動していけたらって思います。
●#KTちゃん(ケイティーチャン)
2004年10月6日生まれ 横浜出身。
〇ペコちゃんとのコラボでも話題のシングル『ぴーおーぴー feat. DJペコちゃん』が各音楽サブスクで配信中。
公式Instagram【@kt_disritakunai】
公式Twitter【@kt_disritakunai】