あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第60回】夏の競馬は荒れると言いますが、東京、京都、阪神で勝ってきた馬は怪しいと思っています。地方はコースの形や芝が違いますし、とくに札幌、函館、福島あたりは荒れると睨んでいます。夏競馬の楽しみ方や、馬券のポイントがあれば教えていただきたいです。(40代・編集者・やまぐち)
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まず、先週の振り返りを。今回の2重賞はCBC賞とラジオNIKKEI賞。更に、僕自身は函館でライブがあり、1部と2部の間に車で5分くらいの函館競馬場に行ってまいりました。結構久しぶりの中央の競馬場にちょっと感動。改めて見ても函館の直線は短いなぁと思いましたね。
まずCBC賞ですが、本命のヨシノイースターが出遅れ、馬券になるだろうと思っていたマッドクールが9着と惨敗。ナイツの土屋君にレース前に「穴で来るとしたら何だと思いますか?」と聞かれて、「サンキューユウガとジャスパークローネ」と答えたのだけど、まさかの1、2着。開幕週ということもあり、トラックバイアス大きかったなぁ。
一方ラジオNIKKEI賞は本命馬がシンガリ負け。ここまで負けたら清々しい!という想いと、誰か僕を◯してください!という想いが錯綜。まあとにかく散々なメインでしたね。僕も大敗でした。
函館競馬場でたくさんの方に声を掛けていただき、写真を撮りました。ありがたいです。とあるカップルが色紙を出して「サインしてください!」と言ってきてので「いいですよー!」と答えたけど、「マジック忘れたのでやっぱり大丈夫です!」と言われました。
大負けしたのですが、笑顔で函館競馬場を後にして、ライブの2部で楽しくネタをやって函館から東京に帰りました。いい1日でした。
さて、今回の質問です。
競馬には堅いレース、荒れるレースがあります。最近だと3連単で100倍以下は堅い、1000倍以上は荒れるといった感じでしょうかね。
果たして、荒れるレース、堅いレースは結果論なのでしょうか? 中には「このレースは間違いなく荒れそうだ」といったレースも存在します。マーメイドステークスなんかは割と荒れると言われますね。昔の2歳牝馬も荒れるイメージが強かったと思います。
だがしかし、果たしてそんなレースは存在するのでしょうか? 毎年メンバーは違うし、荒れる、荒れないなんてその年によって違うでしょう。「そんなもん走ってみなきゃ分からないじゃん!」となるはずです。
しかし、現実には、傾向的に堅くおさまりやすいレース、割と荒れるレースが確実に存在します。
ここで大事なことは、なぜこのレースが堅くなりがちなのか?荒れる傾向にあるのか?これを紐解くことです。
よくあるデータで、「この10年で8回1番人気が来ている」というのがありますが、僕は完全無視するデータですね。
なぜか? 人気は馬券購入者が決めるものだからです。
例えば5年連続1番人気が来ているレースがあるとします。中にはデータ的に1番人気を買う人はいるでしょう。しかし、その1番人気は1.2倍のダントツの人気だったのか? 1番人気が4.0倍で2番人気が4.1倍だったのか? そういうことを無視する人は多いですね。
人気と馬の力は関係ないです。もちろん皆さんは強い馬を買うから、人気は実力通りになることは多いですが。
今回の質問について、夏競馬は荒れる、とのことですが、やはりなんで荒れるのかを理解しないといけません。
荒れるというのは、人気馬が飛ぶ、穴馬が来るということです。これは単純にどういうことなのか?
簡潔に言うと、買う人達が見誤っているということなのです。
まず人気というのはほとんどが成績によって決まります。連勝していたら人気になるし、負け続けている馬は人気になりません。
これが基本です。
しかし、質問者も述べているように、競馬場、芝などにより馬の適性は違います。
例えば、分かりやすくいうと、将棋の藤井聡太7冠が将棋で10連勝してる状態で、次は将棋ではなく50M走で戦う!となった場合に皆さんは藤井聡太7冠にベットするでしょうか?
まあこれは極端すぎる話ですが、このような状態で藤井聡太7冠に賭けている人が多いということです。
荒れるレースは
・馬の成績とトラックバイアスが大きく違う(例えば、先行有利な馬場で人気馬が追い込み馬など)
・馬の調子の良し悪し。人気薄が良くて、人気馬が良くない
・ハンデ戦
まあ他にも色々と荒れる要素はありますが、単純に夏競馬=荒れるではなく、なぜ夏競馬は荒れるのか? なぜこのレースは荒れるのか?
それを紐解いて予想することにより、高配当をゲットする精度も上がっていくと思います。さらに、予想力にも磨きがかかると思います。
まあ基本的には外れる可能性の方が高いというのは念頭に置いていただけたら。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。