あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第63回】私は今年で57歳、おおよそ40年近く競馬を楽しんでいますが馬の善し悪しは、競馬場に行って馬を見ても分かりません。
なので私の馬券の買い方はオッズはまったく見ないで、騎手だけで買っています。長距離は騎手で買え、という格言などがありますが、こんな買い方は邪道ですか?(50代・男性)
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荒れる可能性が高いと思っていた中京記念ですが、中荒れでしたね。とはいえ推奨馬にあげていた8番人気のセルバーグの勝ちは良かったかなと思います。
本命に挙げたアナゴサンですが、YouTubeを見ていた方は分かると思いますが、マイナス体重だと危険と思っていました。回復すると思ったのですが、なんとマイナス6キロ......。「あー、来ないな」と思いました。
対抗のウイングレイテストは鼻差の4着。先週の函館記念のように、推奨馬4頭が1~4着とまではいきませんでしたが、今回は推奨馬4頭のうち3頭が4着以内というのは上出来でしょう。じゃいさんのおかげでセルバーグを買えて当たりましたという声も多数いただき、こちらとしてもうれしい限りでございます。
さて、今回の質問ですが、騎手で馬券を買うとのことですが、全然良いと思います。
僕は騎手買いはしません。もちろん連続騎乗、外国人騎手などは、ファクターの1つにはしておりますが、予想をする上で騎手要素は5%にも満たないと思っています。
ですが、競馬を買う人の中には、「結局ルメールを買っておけばいいんだよ」「レーンを買っておけば勝てるんだよ!」なんて人もいます。それで勝ってる人もいます。
実際に騎手はレースの勝ち負けを左右するとても大事な役割を担っています。「長距離は騎手で買え!」というのもよく言いますね。長い距離になればなるほど騎手の腕が反映されるのは当然のことかもしれません。
昔、とあるジョッキーがこんなことを言っていました。「僕だったらダイワスカーレットをあんなに勝たせられない」と。めちゃくちゃ弱気な発言ではありますが、リスペクトを感じる素晴らしい発言とも取れます。それくらい騎手によって結果も変わってくるということなのです。
もし騎手が大事ではなければ、馬主だってそんなに騎手を選ばないでしょう。実際はこの騎手に乗って欲しい、結果を出せないのから、騎乗に失敗したからなどで鞍上を変えるケースも少なくありません。
僕もダビスタやってる時はなるべくいい騎手を選んでましたしね。逆に騎手が馬を選ぶ時もあります。乗っていた馬が同じレースに出る時は、どちらかを選ばないといけません。同時に2頭に乗ることは出来ませんから。
そこには馬主や厩舎との兼ね合いもあるとは思いますが、選べる立場なら、勝つ可能性が高い馬を選ぶでしょう。予想する立場の人からしたら、その選択も予想のファクターの1つになります。
たまに落馬したカラ馬が1着でゴールを駆け抜けることもあります。あれは騎手が必要ないということではなく、斤量の影響がこんなにあるんだということです。何せカラ馬は斤量0ですから。
そういう意味では斤量も大きな要因の1つになりますね。ハンデ戦が存在するのはそういう理由です。実際、中京記念の3、4着のルージュスティリアとウイングレイテストの斤量差は4キロありました。おそらく同じ斤量ならウイングレイテストが3着だったと思います。まあ証明はできませんが。
競走馬は毎年7000頭ほどデビューします。それに対して騎手は息も長いし、デビューするといっても数人程度です。競走馬を全て覚えるのは至難の業ですが、騎手ならなんとか覚えられます。そうなると、騎手で買うというのも効率が良いかもしれません。
そのくらい騎手は大事なファクターだということです。邪道とは思いません。僕の場合はあくまで馬が主役という考えで予想し、馬券を購入しますが、人それぞれいろんな予想の仕方があるわけで、どんなアプローチが正しいということはないと思います。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。