今年8月26、27日には約50年ぶりとなる大捜索が行なわれたが、それ以前にも個人や企業による調査活動は頻繁に行なわれていた。『週刊プレイボーイ』本誌でライターとして活躍する近兼拓史(ちかかね・たくし)さんも、長年にわたり調査活動を行なうひとりだ。
ただし、近兼さんは〝釣る〟という、超特殊な方法でネッシーに挑んだ男だった。
――ネッシーを釣るとは、どーいうことなんですか?
近兼 どのネッシー捜索隊も、湖に出現した謎の波を追い回す、あるいはただ湖畔から水面を観察するといった調査内容でした。相手は野生動物なのですから、これでは姿を現すわけがありません。なので、私は2012年、ネッシー用に約2mの巨大ルアーを制作し、それでおびき出すことにしたのです。
――その釣果は?
近兼 釣れませんでした。しかし、同時に行なった調査で、「ネス湖に大型の肉食動物がいるのは間違いない!」という証拠をつかみました。
それは、プランクトンです。これまでネス湖には食物連鎖の底辺となる植物性プランクトンが極めて少なく、大型の肉食動物は存在しないというのが定説でした。
しかし、私の調査では1リットルの水に1000匹以上のプランクトンを発見でき、これはネス湖に大型の肉食動物がいても不思議ではない数値だったのです。
――このほか、調査で得られたネス湖に関するデータはありますか?
近兼 ネッシーの定番出没スポットであるアーカート城付近で調査を行ないましたが、ネス湖はその形状から水質まですべてが特殊なのです。
まず、ネス湖を上空から確認すると細長い形状をしています。さらに水中はV字状の溝になっており、この形状が発生させる強烈な水流で水中ソナーなどの電子機器を無力化することが判明しました。
水中カメラも使用しましたが、そもそもネス湖の水中は視界が3mほどしか確保できず、最新の水中ドローンをもってしても鮮明な画像を撮影するのは難しいのです。
――どのような機材があればネッシーの決定的な証拠を発見できると思いますか?
近兼 ネス湖には「最深部が海につながっている」という説があります。この説が正しいのなら、やはり海で使われる調査機材を持ち込むべきだと考えています。
例えば、海中油田を採掘するのに使用する、掘削リグ。これは硬質のドリルでV字形状の岩盤を掘り進めて調査ができます。その騒音にネッシーは身を潜めるでしょうが、何かしらの〝痕跡〟は発見できるはずです。
ただし、ネス湖全域を調査するには数百億円の費用が発生しますし、どうネス湖に運び入れるのか?という問題もあります。
私だけでなく、ネッシーの調査に関わる多くの人間が〝存在する〟ことを大前提として活動しています。しかし、Googleが調査しても決定的な証拠を発見できないということは、まだ私たちのテクノロジーがネッシーに追いついていないということなのでしょう。
●近兼拓史(ちかかね・たくし)
世界で唯一信用できるニュース『ウィークリーワールドニュース日本版』の編集長。映画監督、ラジオパーソナリティ、レーシングライダー、UMAハンター、さらには一般社団法人ジェネリック家電推進委員会代表理事としても活動。YouTubeチャンネル『近兼拓史のウィークリーワールドニュース』で各種情報を配信中!