来年放送が発表されたアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編のアフレコ現場に来訪したゆでたまご先生 来年放送が発表されたアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編のアフレコ現場に来訪したゆでたまご先生

7月某日、『キン肉マン』の作者、ゆでたまご嶋田隆司・中井義則両先生は、都内某スタジオに身を置いていた。

入り口は厳重なセキュリティーに守られ、内部より承認がされると、重い扉を開けることができる。

肉のカーテンのごとく守られたその場所は、『キン肉マン』新アニメのアフレコスタジオであった......。

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新アニメについては、3月17日に制作決定を発表。コミックス83巻が発売された9月29日にはジャンプコミックス38巻の内容からとなる「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」での制作、来年2024年の放送、スタッフ陣、ティザービジュアルの発表などがあり、その着地へ確実に近づいてきている。

声優キャストの発表はまだできないのだが、実はアフレコ収録自体はすでに始まっているのだ。

というわけで、ゆでたまご先生とともに重い扉の向こう側をレポートする。

収録は週一回で1話分、コロナ対策として声優の入り時間をなるべくずらしているため、朝から夕方くらいまでとかなりの時間をかけて録っている。スタッフ陣がいるコントロールルームと声優陣がいるブースがあり、そこで映像を流しながらキャラクターに命を吹き込んでいく。

スタッフ陣がいるコントロールルームで収録を見守るゆでたまご先生 スタッフ陣がいるコントロールルームで収録を見守るゆでたまご先生

1983年より放送された『キン肉マン』初代アニメの収録にも立ち会ったというゆでたまご嶋田先生が、当時との違いを振り返る。

スタジオの雰囲気からして旧作のキン肉マンとは全く違うなと思いますね。あのころはコロナなんてなかったんで、ブースの中に声優さんがツメツメになって収録してましたね。ガヤのシーンなんかの時は、声優の皆さんが集まって『わーー』とやっていて、僕らも参加していたこともありました

収録が行なわれているブース 収録が行なわれているブース

この日のメインは、アトランティスvsマーリンマン。収録が止まるたびに、監督であるさとう陽と音響監督が椅子を寄せ合い、「この時のキャラクターの気持ちはこうではないか」、「先の展開から考えて、ここの声は抑えたほうがいいのではないか」など細かな演出を話し合う。ごくまれに、プロデューサーや原作担当者に意見を求められることもある。それらを受けて、声優も調整していくのだが、時に2テイク、3テイクとなることもある。

また、今回は通常のアフレコ収録よりも手間のかかる方法をとっているという。スタッフから説明を受けたゆでたまご中井先生が驚きの声を上げる。

今回は、声優さんのセリフを入れてから、それに合わせてまた絵を作り直すとお聞きしまして、とても手間暇がかかっているなという印象です。漫画に例えると、ネームでコマ割りを確認したのに、完成原稿が上がった段階で『ここのセリフを足したいからコマも増やして』と言われるようなものですよね。『キン肉マン』の場合なら、1話全体が18ページと決まっているので、コマが増えた分、ほかのところで調整しなければならない。今回のアニメも1話全体の時間と帳尻を合わせるわけですからね...。私だったら、断りたいですね......

ここまで、収録への配慮や手間のかかっている『キン肉マン』新アニメ。今回の来訪でそれを知った両先生の期待も当然高まってくる。中井先生は、独特の方法で収録を聞いていたという。

今日の収録分のコミックス(40巻)を、声優さんの声に合わせて読み進めるということをしていたのですが、いやあ格別でした。アトランティスがこんな声だったんだ、とあらためて発見もありました。素晴らしいです!

コミックス40巻を見ながら、収録を見守るゆでたまご中井先生 コミックス40巻を見ながら、収録を見守るゆでたまご中井先生

嶋田先生もこう太鼓判を推す。

今回お会いできた声優さんをはじめエキセントリックなキャスティング、とても面白かったです。テリーマンもカッコよかった!

非の打ちどころがないと言っても過言ではない今回のアニメ。ゆでたまご先生のお墨付きも得て、来年が楽しみでしょうがない!!

●2024年放送開始! アニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編公式サイト

アニメーション制作:Production I.G
原作:ゆでたまご(集英社『週刊プレイボーイ』・『週プレNEWS』連載中)
監督:さとう陽 シリーズ構成:深見真 
キャラクターデザイン:丸藤広貴 音楽:高梨康治

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