9月18日、麻雀プロリーグ「Mリーグ」の2023-24シーズンが開幕。その中で今回はMリーグデビューを果たした元乃木坂46のメンバー・中田花奈プロにフォーカスした! 「元アイドルのプロ雀士」はどんな戦いを見せてくれるのか、彼女が決意を語った!
■「プロとしてやっていける」
――まずはプロ雀士(じゃんし)になったきっかけから教えてください。
中田花奈(以下、中田) 数年前に舞台のセリフで麻雀(マージャン)の存在を知って、スマホアプリで遊ぶうちにハマりました。もともと頭を使うパズルゲームが好きだったのですが、麻雀はやればやるほど奥が深くて、飽きっぽい私でもずっと楽しめそうだと感じられました。
それからしばらくして、乃木坂46を卒業した後に、『中田花奈(元乃木坂46)の"プロ雀士への道"』という番組の企画で日本プロ麻雀連盟のプロテストを受けることになりました。必死で勉強してなんとか合格し、2021年の春にプロになることができました。
――今春に行なわれた日本プロ麻雀連盟所属の29歳以下の女性プロが出場できる「桜蕾戦」では、予選敗退したものの麻雀の内容が良かったことで立会人が推薦する「推薦枠」としてベスト16に進出しましたね。
中田 はい。その大会は有料チャンネルで配信され、私が乃木坂46出身ということで、「推薦枠」に選ばれたのではないかって意見がネットでいっぱい出ましたね。でも、そういう意見に対して「麻雀で絶対に見返してやろう」って、闘争心に火がつきました。
そのときにベスト8へ勝ち上がることができたのは、そういった否定的な声に屈せずに、強い気持ちを持つことができたこともひとつの要因だと思っています。そんな自分に気がついたとき、「麻雀界でやっていけそうだ、この世界で頑張っていきたい」という自信が生まれました。
■目標はMVP!
――Mリーグで戦う準備は?
中田 自分としては、心理的なものよりも麻雀(の技術)のほうが心配だったので、今年6月にドラフトで「BEAST Japanext」さんに指名をいただいて加入することになってからは、いろいろな方にお願いして、麻雀を勉強する時間をつくっていただきました。
でも、さすがにドラフトから2ヵ月半で、"差"を埋めることは難しいと思うので、そこは実際にやっていきながら日々成長していきたいです。
――Mリーグでは麻雀界でもトップクラスの強豪たちと戦うことになります。
中田 Mリーグの対局には「負けてもすごかった」という試合がたくさんあって、私もそんな先輩方の姿に魅せられてきました。もちろん、勝ちたい気持ちは強いですけど、まずは見ている方を魅了できる良い麻雀を打てるようになりたいと思っています。
――アイドルとしてのキャリアは、Mリーグでの戦いで生かせそうですか?
中田 「BEAST Japanext」さんに指名された理由のひとつに、私の"発信力"を評価してもらえたそうです。アイドル、タレントとして人前に立つ機会は何度も経験してきているので、そういった経験を生かした発信は自分の強みになるのかなと思っています。
Mリーグはずっと「熱狂を外へ」というスローガンを掲げて、より多くの人に麻雀の魅力を伝えることを目標にしていますが、自分なりの強みを生かして、Mリーグをさらに盛り上げていきたいですね。
――それでは、デビューシーズンの目標は?
中田 もちろん頂点! なので、目標はシーズンのMVPになることです。ただ、その一方で結果はどうあれ、後悔しない一打を打ち続けることには常にこだわっていきたいですね。
■Mリーグで"推し"を見つけてほしい
――Mリーグで、中田さんのファンのみならず、中田さんをよく知らない麻雀ファンに、どんな姿を見せていきたいですか?
中田 プロ雀士になる前から私を応援してくださっているファンの方たちは、私のメンタル面を心配されているかと思います。でも、アイドル時代から頑張ってきていたのも知ってくれているはずなので、「心配しないで」と言いたいです。
私のことを知らない麻雀ファンの方からは厳しい目を向けられることもあると思いますが、私はそれも覚悟してMリーガーになりました。皆さまからのさまざまな意見を力に変えて成長してやるってぐらいの気持ちで戦っていきたいと思っています。
――最後に、麻雀をよく知らない人に向けて、Mリーグの楽しみ方を教えてください!
中田 Mリーガーって美人な方や個性が強い方ばかりなんですよ(笑)。なので、まずは一度見ていただいて"推し"をつくってもらえると楽しめると思います。見ているうちにだんだんルールがわかってくると、麻雀自体の魅力も理解できるはずです。
そして、ちょっとオカルトっぽいことを言いますけど、麻雀って運の要素もあるので、「応援の力」が配牌(ハイパイ)やツモにつながることもあるのではと思っています。応援されることは選手としても本当にうれしいので、この記事を読んでくださった方にはぜひ私の試合を見て、応援してほしいなと思います。
●中田花奈(Kana NAKADA)
1994年生まれ、埼玉県出身。乃木坂46の1期生。2012年、デビューシングル『ぐるぐるカーテン』で選抜メンバーに選出され、その後、約9年間にわたりアイドルとして活躍。2020年10月、乃木坂46から卒業。2021年3月に日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格し、プロ雀士に。今年6月30日、麻雀プロリーグ戦「Мリーグ2023-24シーズン」ドラフト会議で、新チーム「BEAST Japanext」から指名を受け加入した
■「Mリーグ」とは!?
2018年に発足した競技麻雀のチーム対抗戦のプロリーグ。試合は「ABEMA」で全試合が生中継され、21-22シーズンの最終戦は視聴者数300万人を記録するなど、年々人気が高まっている。23-24の今シーズンは1チーム4人、全9チームが参加し、23年9月18日から24年3月末までのレギュラーシーズン、セミファイナル(上位6チーム)、ファイナル(上位4チーム)を戦い、優勝チームを決める。優勝賞金は麻雀界では破格の5000万円だ