今年のコント頂上決戦は過去最高に盛り上がりそうな予感! 今年のコント頂上決戦は過去最高に盛り上がりそうな予感!

本日、10月21日(土)に開催される、コントの頂上決戦『キングオブコント2023』。決勝進出の10組は正直なところ、知名度は低い感じがするけど......。否! 過去最高に面白い大会になりそうだというのだ。その見どころをチェック!

■今年のキングオブコントはいろいろガチだ!

今年もコントの頂上決戦『キングオブコント』の季節がやって来た!

漫才にはないコントの魅力について語ってくれたのは、ハリガネロックとして『M-1』2001年、02年と2年連続決勝進出し、最高2位。現在はお笑い講師としても活躍するユウキロック氏。

「漫才は古来からある演芸であり、センターマイクという縛りもある。だからこそそこからどう外していくか?みたいな斬新さを求めやすいところがある。

一方、コントは幅広くなんでもアリな部分が多いので、新しく見えづらいところがある。奇抜さでの勝負が難しいだけに、モロに芸人の実力が出ると思うんです。

実際、優勝者は長くテレビなどで活躍する実力派が多い。東京03(09年優勝)めっちゃ出てるでしょ、ロバート(11年優勝)もめっちゃ出てるでしょ、バイきんぐ(12年優勝)もめっちゃ出てる。

かもめんたる(13年優勝)やシソンヌ(14年優勝)も、劇団主宰やCM出演など演技派として息は長いですよね。瞬発力としてはM-1チャンピオンが強いですが、キングオブコントの優勝者は実力があるので、いいものを量産し続けられる。結局ちゃんと芽が出ている印象です」

芸人のストレートな実力を味わえるのが魅力だとわかりましたが、今大会の決勝進出10組はどうでしょうか?

「ひと言で言うと、ガチすぎるなと(笑)。本当に今、ライブでウケている人たちがガチで選ばれた感があります。というのも、おととしからキングオブコントが『お笑いの日』という長時間特番の最後に放送される企画になった。

その前にもう有名人がばんばん出ているから、もうここに知名度はそんなに必要ないのかなと。それだけにガチの実力派がそろっていて、見応えは十分。今年は過去最高に面白い大会になりそうです」

出場10組の見どころを紹介!

では、エントリー順にひと組ずつ見どころを紹介してもらおう!

●ゼンモンキー

「20年結成とめちゃくちゃ若い3人組。この世代でキングオブコントの決勝に出たのは彼らが初めてなのでは。ストーリーも演技力も所作も抜群にうまい。ネタを作っている荻野くんは早稲田大学のお笑いサークル出身。

先輩はハナコの岡部(大)くんで、系譜が同じ。見た目は3人バラバラだけど、その見た目にピッタリ合うネタを作り込んでくる感じで、お客さんにハマりそうです」

ゼンモンキー ヤザキ/荻野将太朗/むらまつ ゼンモンキー ヤザキ/荻野将太朗/むらまつ

●隣人

「21年ytv漫才新人賞で優勝。関西ではすでにそこそこ知名度のあるコンビ。優勝したときの漫才は、漫才の概念をぶち壊す画期的なネタでした。そういうトリッキーなことをやるコンビ。でも、先ほども言ったようにコントだと何をやってもあまり新しく見えないから、普通に見えちゃうのかな......と思うんですけど、これまた驚きが起きるのではと思います。当日をお楽しみに」

隣人 中村遊直/橋本市民球場 隣人 中村遊直/橋本市民球場

●ファイヤーサンダー

「18年にABCお笑いグランプリで優勝しているので、キングオブコント決勝にもすぐにやって来るかなと思ったんですけど、なかなか結果が出ず、ようやくやって来た感じ。芸人ウケ抜群のネタをするので、どこまで一般のお客さんを引き込めるかが鍵になってくると思います」

ファイヤーサンダー こてつ/﨑山 祐 ファイヤーサンダー こてつ/﨑山 祐

●カゲヤマ

「昨年M-1準決勝進出。今年はキングオブコント決勝進出と飛躍中のコンビ。バカバカしさを詰め込んだネタを畳みかけてくるのが魅力。益田くんがYouTubeで『スリル』という心理ゲームを考案してはやったので、そちらで名前を知っている人もいるかも」

カゲヤマ タバやん。/益田康平 カゲヤマ タバやん。/益田康平

●サルゴリラ

「もともとジューシーズというトリオでした。ジャングルポケット、パンサーと一緒にレギュラー番組を持っていて、そのふた組はブレイク。それを横目に見ながら、ジューシーズは15年に解散。つらいですよね。

ひとり抜ける形で解散したんですけど、抜けた松橋周太呂は"家事えもん"としてブレイクしまして(笑)。でも腐らず、自分たちを信じてちゃんと今回決勝にやって来た。だから僕は個人的に応援してます。ネタは言葉のチョイスが素晴らしく、大喜利力もあります」

サルゴリラ 赤羽健壱/児玉智洋 サルゴリラ 赤羽健壱/児玉智洋

●ラブレターズ

「今までキングオブコント決勝に3回進出していますが、見ていると全部ネタの毛色が違う感じ。ストーリー重視のネタやリズムネタもできる。幅広く器用にネタを作り出せるコンビです。今回はどんなネタでくるのか楽しみです」

ラブレターズ 塚本直毅/溜口佑太朗 ラブレターズ 塚本直毅/溜口佑太朗

●蛙亭

「もうすでに売れっ子のふたり。売れる前はイワクラさんのトガりが表に出てたが、世間に知られるようになって、そのトガりがなくなって、演技に嫌みがなくなった印象。逆に、中野くんの面白さが浸透して爆笑を生んでいます。ネタのストーリーも巧妙に練られている」

蛙亭 中野周平/イワクラ 蛙亭 中野周平/イワクラ

●ジグザグジギー

「13年に決勝初進出。7年ぶり3回目の出場。ひとつのボケに魂を込めて畳みかけていくことが多い。言葉の節々に大喜利力の高さを感じる、芸人力の高いコンビです。ツッコミの池田くんがしっかりボケを立てて、光るコンビだなという印象。ネタのスタイルを変えないことが逆に強みになっているのかも」

ジグザグジギー 宮澤 聡/池田 勝 ジグザグジギー 宮澤 聡/池田 勝

●や団

「2年連続決勝進出で昨年3位。もともと安定感のあるトリオでしたが、昨年3位で躍進を遂げました。より3人のキャラが世間に浸透して、ウケやすくなった印象です。ボケの伊藤くんの真剣な芝居みたいなものが、伊藤くんのキャラを世の中に知ってもらえたからこそよりハマりやすくなったみたいな感じ。それを本間くんがしっかりツッコミで整える。いいバランスになったと思います」

や団 ロングサイズ伊藤/本間キッド/中嶋 享 や団 ロングサイズ伊藤/本間キッド/中嶋 享

●ニッポンの社長

「4年連続4回目の決勝進出。今、一番連続記録を伸ばしているコンビ。奇抜なネタをやっているように思われがちですが、彼らは大阪吉本出身で、けっこう古典的な部分もしっかりして、技術もある。

加えて、"わかりやすさ"みたいなものがしっかりネタの中に組み込まれている。それゆえに、安定感のあるネタが量産でき、4年連続決勝出場できているんでしょう」

ニッポンの社長 辻/ケツ ニッポンの社長 辻/ケツ

■気になる優勝候補は?

では、ズバリ優勝候補は?

「僕はやっぱり蛙亭かなと思います。中野くんの絶対に人に嫌われなさそうな感じがお客さんにも審査員にも好かれるんじゃないかな。バカバカしいキャラクターは演じる人によって印象が左右されますが、中野くんは嫌みなくやれる。

ストーリー、バカバカしさ、そしてかわいらしさなどの総合力で蛙亭が抜きんでている印象。ダークホースは隣人とカゲヤマ。この奇抜なふた組が審査員にどう評価されるのかも、見ものです」

決戦は10月21日(土)夜7時からTBS系で3時間生放送。栄冠は誰の手に!?