さまざまなメディアで話題を振りまくひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームや今のゲーム業界について、じっくり語る連載コラムだ。
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■アフリカのゲーム事情
『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』というABEMAの番組の企画で、しばらくアフリカを旅していました。そこで現地のゲーム事情を見聞きしたけど、お金を払ってゲームを楽しむのは、アフリカの中でもそこそこの先進国だけという印象でした。
アフリカでも都市部だとショッピングモールにゲームショップやゲーセン的な施設はあったりします。でも、停電するのが当たり前のような地方は、パソコンやゲーム機で安定して遊べる環境じゃないです。仮にファミコンのような旧世代のゲーム機でRPGをやるにしても、停電が頻発するからセーブして続きを遊ぶというのが成立しません。
そんな地域を旅すると、つい考えてしまうのが日本のゲーム事情です。
先進国の日本では小学生が深夜にまでソシャゲをやっていたりします。なぜ、小学生が深夜にソシャゲをやってしまうかと言うと、ソシャゲは長時間プレイした人間が勝者になるゲームバランスだからです。
つまり、ソシャゲやオンラインゲームは無限に時間を奪うゲームなんです。それに課金だってあります。
もちろん、アフリカの地方におけるゲームがやりづらい住環境のほうが良いとは言いませんが、大勢の子供がこんなことに時間を費やしている日本のゲーム環境も問題アリだよなあと思ったりもします。
■"ソシャゲ規制"にはわりと賛成派だけど......
このような話をすると「ドラクエだって一緒じゃん!」と言われますけど、ドラクエは"クリア"があります。例えば「30時間やってクリアしておしまい」となって、子供が徹夜で遊ぶ必要はありません。勉強や読書など他のことを行なう時間の余裕も生まれますし、子供の身体的な成長に関しても悪影響を及ぼさないでしょう。
ドラクエだけじゃなく、マリオやゼルダのようなアクションゲームだって、練習して上手になる過程でいろいろ物事を考えて学習できるメリットがあります。一方、長時間のプレイが有利になる多くのソシャゲやオンラインゲームにはこういったメリットはありません。
それもあって僕はソシャゲやオンラインゲームの規制にはわりと賛成寄りです。それこそ、「わが国は子供が深夜にソシャゲをやるのを禁止します!」って法律を作ったほうが国として発展するんじゃないかなとさえ思っています。
ただ、日本だと行政がソシャゲやオンラインゲームと、ドラクエやゼルダのようなゲームがまったく違うことを理解しないまま、まとめて規制しちゃいそうでそこが心配だったりするんですよね。
●ひろゆき(西村博之)
1976年生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『考えて生きる~合理性と好奇心を併せもつ~』(成毛眞氏との共著、集英社)など