撮影協力/株式会社SEGA、株式会社GENDA GiGO 秋葉原3号館 Retro G撮影協力/株式会社SEGA、株式会社GENDA GiGO 秋葉原3号館 Retro G

さまざまなメディアで話題を振りまくひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームや今のゲーム業界について、じっくり語る連載コラムだ。

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■リアルに寄せすぎな気がする「車」のレースゲーム

ゲームの人気ジャンルのひとつにレースゲームがあります。近年は『グランツーリスモ』シリーズのプレイヤーが、そのままリアルのプロレーサーになって、それが映画化されたりと、ゲームと現実の距離感がいい意味で近いジャンルだったりします。

自動車のゲームは、実車並に精度が高いハンドルやフットブレーキ類のコントローラーが普及していて、コーナー侵入前のブレーキングやハンドル操作など実車と変わらない感覚で行なえます。なので、ゲーマーが現実のレースでも活躍できるのです。

でも、最近のレースゲームってあまり好きじゃないんですよね。ゲームですから本物のレースだったら事故るぐらいのギリギリの走行をしたいんですけど、それだと速くは走れません。ゲームというよりか、リアルに寄せすぎたシミュレーターになってしまい、いつしか車のレースゲームはやらなくなってしまいました。

■でも、「バイク」のレースゲームはもっとリアルなのがいい

ただ、そうはいってもバイクのレースゲームに関しては、リアルな環境を求めていたりします。もともと僕はバイク乗りだったんですけど、トルクのあるバイクの加速力を活かして、渋滞中の都内をすり抜けするのが好きだったんです。

しかし、現在のゲームでは加速を体感できませんし、バイクで最も基本的な動作のひとつである車体を膝で挟んで安定させるニーグリップもありません。

昔からゲーセンにはバイク型の筐体のゲームがありますけど、そもそも足を地面に着いたまま操作するのっておかしくないですか(笑)。バイクのほうが自動車よりずっと身体能力で操作する部分が多いんですが、ゲームでこれらを再現できるのはまだまだ先になりそうです。

とはいえ、バイクでもリアルに寄せすぎると自動車のレースゲームみたく遊ばなくなっちゃうでしょう。なので、渋滞する都内を車幅のスリムな原チャリですり抜けしつつ、最速で目的地を目指すぐらいのゲーム内容のほうが、僕には向いてるんじゃないかと思ったりしています。

●ひろゆき(西村博之)
1976年生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『考えて生きる~合理性と好奇心を併せもつ~』(成毛眞氏との共著、集英社)など。

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