じゃい

あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第84回】若くて金がなかったときの方が、時間をかけ、それこそ1日かけて展開を考えたりして、馬券、そして競馬を楽しんでいたような気がします。

そして少額でかけていた時の方が当たっていたような気もします。馬券が当たったらうれしいことは今も昔もかわり無いのですが、あの頃の方がより楽しかった。

どうしたらあの頃のような気持ちを取り戻せるかと思案してます。なにかいいアドバイスがあれば、ぜひお願い致します(60代会社経営男性)

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朝日杯フューチュリティステークスが終わりました。本命に推したシュトラウスがほぼ自爆と言えるレースっぷり。出遅れてから掛かって先頭へ。流石にあんなレースをしたらどんな馬だって勝てるわけない。もう途中で諦めましたね。

マーカンド騎手のせいにするつもりはないけど、おそらく合わないんだろうな。まともなレースをすればかなり強いとは思うので、今回で人気落ちすれば次は狙い目になりそうです。

さあ今週の質問に参りましょう。

「あの頃は良かった」「若い時はなんでも楽しかった」など、過去を振り返って、ため息をつく人は少なからずいますよね。

どうすればあの頃の気持ちを取り戻せるのか?

まあ一応考えてみましょう。

まず、楽しかった頃から今までの記憶を全て消去し、大人になってからの経験もすべて捨てます。そして、当然競馬の知識もすべて消去しましょう。

そうすれば、競馬をもう一度あの頃のように楽しめるのではないでしょうか?

そして、またあの頃の方が楽しかったとふたたび思い始めたら、また競馬の記憶を無くして、競馬を一から始めれば、また新鮮な気持ちで楽しく競馬が出来るのではないでしょうか?

「どうやって記憶を消去するの?」

んー、分かりません。

質問に対しての答えがこんなことしか思い付かなかったのです。

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例えばカップルや夫婦でも出会った頃は楽しかったとか、あの頃に戻りたいと言う人もいますよね。初めてのデート、初めてのキス、きっとドキドキだったと思います。

新鮮さは魅力です。最初しか味わえないのです。そして人は慣れていきます。マンネリ化していきます。その頃には新鮮さは色褪せていきます。

それでも僕は、あの頃に戻りたいと思ったことは1度もありません。

今より昔の方が楽しかったと思ったこともありません。

昔が面白くなかったということではありませんよ。楽しかった思い出はたくさんあります。

競馬を覚えたての頃はいつもワクワクしてましたね。それは今では決して味わえないドキドキワクワク感でしょう。

それでもやはり今が1番楽しいと思っています。きっと明日も明後日も来週も来年も10年後も今が1番楽しいと思っていると思います。

初めての頃や、新鮮な気持ちはいつだって長続きしないんです。慣れや飽きは、誰にでも平等に訪れます。

ただ、時の流れは新鮮さに勝るものを与えてくれます。経験、知識、技術、人脈、絆など、それは宝物です。そんな宝物を捨てて過去に戻る気にはなれません。

もう1度質問を振り返りましょう。

「どうしたらあの頃の気持ちを取り戻せるか?」

はい、無理です!

あの頃の気持ちを取り戻したいという気持ちが霞むくらい、今を充実させればいいのです。競馬の楽しみ方は色々あります。新鮮さが無くても十分楽しめるはずです。

それを見つける努力をしてみてはいかがでしょうか? 過去より未来を見るようにしてみたらいかがでしょうか?

質問者がいつかもう一度、過去に戻らなくても競馬が楽しいと思える事を心より願っています。

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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

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