来たる 2024 年から放送開始となる新アニメ『キン肉マン完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編』にて主役・キン肉マン役の声優がついに発表! 新たにキン肉マンを演じることになるのは、今や押しも押されもせぬ声優界のトップスターのひとり・宮野真守さん。
その発表タイミングに併せて、これまで長年にわたりキン肉マン役を演じてこられた声優界のレジェンド・神谷明さんとの特別対談が実現!
今も色あせないキン肉マンというキャラクターの魅力について、彼に魂を吹き込む役目を背負ったふたりに存分に語っていただいた!
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●宮野くんに決まってすっごく嬉しかった
―まずは、宮野さんが新たなキン肉マン役に決まったときの思いからお話しいただけますでしょうか?
宮野 何よりこの令和の時代に、僕が子供の頃から大好きで見ていたあの『キン肉マン』の、しかも続きがアニメになる......ということ自体が僕にとっては衝撃的なことで大興奮しました。でもまさか、そのオーディションの話が僕のところに来るとまでは、全く思ってもいなくて......。
神谷 え、そうなの?
宮野 はい、だから役の決定以前に「このオーディションを僕が受けられるんだ!?」っていうところで既にドキドキワクワクでした。受けるにあたって、まず自分で声を吹きこんだテープを作るんですけど、その時に、もし僕がやるならどんなキン肉マンを演じるべきか、頭の中で初めて自分なりにいろいろと想像をふくらませていくうちに「あれ? キン肉マンを演じるのってめちゃくちゃ楽しいな~!」って。
それが最初の印象で、その楽しいイメージのまま、オーディションを通過して......。最終的に僕で決まったと言われたときは、光栄で、あまりに嬉しすぎて、同時に強烈なプレッシャーを感じました。
神谷 でも、僕は宮野くんに決まったと聞いてすっごく嬉しかったんですよ。
宮野 ええ、そうなんですか!?
神谷 宮野くんとは、それまでに共演もしてるし、舞台でのお芝居もいろいろ観て非常に可能性を感じてて。これは面白いんじゃないかって。
宮野 うわっ、そんな。ありがとうございます!
神谷 実際に今、キン肉マンをやってみてどうですか?
宮野 最初の収録では、やはりプレッシャーの大きさを感じました。大勢の中から選んでいただいた重さ、まさに大役だなと。そこは実際の収録前に、神谷さんともお話させていただきましたけど......。
神谷 そうなんですよ。実は宮野くんに決まったと聞いてすぐ、僕のほうからぜひ話をさせてほしいと頼んで......こっそりね(笑)。
宮野 はい、ゆっくりご飯食べながら。キン肉マンという役に必要な緩急についての話なども直接していただいて、すごく光栄な機会でした。しかも、その日の最後に「でも、これからは宮野くんなりのキン肉マンを作っていってよ」とまで言っていただけて。
神谷 うん、本当にそう思ってる。
宮野 それでも、現場でキン肉マンとしての第一声を発する直前には「どうアプローチすればいいんだろう?」って。その声を発するのがものすごく怖かったですね。
●やっちゃえ精神で築いたスグルちゃんイズム
神谷 僕が始めた40年前のキン肉マンって、今よりずっとドジでギャグ成分かなり強めのヒーローだったんですよね。そんなスグルちゃんが、周りのテリーマンやロビンマスクたちとの交流を経て、どんどん凛々しい部分を身につけていった。そもそもの彼のギャグ要素にかなり救われて、息抜きできる場面がふんだんにあって、またそういうのを僕自身がやりたかったんですね。
宮野 確かに初期は、むしろギャグシーンのほうがメインでしたよね。
神谷 次第にそのスグルちゃんにも、どんどんシリアスな表情が増えてきて。「え、こんな顔もするの?」って思ったくらい。
宮野 なるほどそうか、つまりまったく逆だったんですね! 今はむしろシリアス中心の合間に突然ギャグが入ってくる感じなので。
神谷 そうなんです、そこは当時と今で大きく状況が違ってる。
宮野 今のキン肉マンは、前面には出さないけど宇宙最強の称号を手にして大王という絶対的な存在にまでなった後ですから。そこに意識を置くと緊張感は出ちゃいます。そして、そういう時はどうしても、神谷さんの声が頭に響くんですよ。
神谷 すみません......(笑)。
宮野 うわ~~~、、いえいえいえ、すみませんとかそういう話じゃ全然なくて!(笑)。ただ、あの神谷さんのカッコいいときの力強く渋いキン肉マンの声に果たして自分が追いつけるのかな......ということを意識すると、やっぱり考え込んでしまって......。
神谷 僕の場合は、あのギャグ調の演技をやりながら、徐々にそれを低く押し殺していくことで、次第に渋い声の演技ができるようになりましたね。
宮野 じゃあ、そこはキン肉マンと一緒に成長していかれたということですか?
神谷 まさにそうですね。キン肉マン以前の僕のシリアスな演技って、高音域の二枚目役が圧倒的に多くて、低い声の演技はあまりやってこなかったし、不安もありました。でもそこはゆでたまご先生の原作に、どんな演技でも受け入れてくれそうな懐の深さを感じたんですよね。だから、その時々で思ったままに「ええい、やっちゃえ!」って。それまでやらなかった芝居をどんどんぶつけていけたというのはあります。
宮野 それはスゴい現場ですね。ともすれば、設定ごと変わっていくみたいな!(笑)
神谷 そう、だから自分でも「ここまで渋くやっていいのかな? う~ん、まあいいっか!」みたいな感じで納得できたら、あとはその演技をゆでたまご先生、そしてファンのみんなに委ねてみようと(笑)。そうしたら......受け入れてもらえたんですよ。
宮野 そうやってあのキン肉マンはできてきたんですね。
神谷 そうなんです。スグルちゃんは、僕らのどんな思いも受け止めてくれるスゴいキャラクターなんですよ。だから、宮野くんもあまり気負わないで、どんどん自分を出して、思うようにやっていけばいいと思いますよ。
―昔と今ではシリアスとギャグの配分が異なるという点で、宮野さんはそのギャグパートについてのご苦労はありますか?
宮野 僕は勝手に神谷イズムを継承する気持ちでやってまして、シリアスが続く中にポンと緩んだシーンが放り込まれた瞬間、ここぞとばかりに「うわあああ~っ!」って全力でやるんですけど、それをやると一瞬でノドもヒリヒリするし、酸欠みたいな状態になるんです。神谷さんの頃はそれが毎週、むしろそっちメインだったわけじゃないですか。だからあんなの、よく平気でやっていらっしゃったなって......。
神谷 いや、ダメダメ! 全然平気なんかじゃないって!(笑)。
宮野 あ~~やっぱそうなんですか!?
神谷 そうですよ。だってあんな声いきなり本番で出せないから、まずテストからやるんです。それでラストテスト、本番と1日3回も。そしたらもう、あくる日はノドが使い物にならなかった!
宮野 とんでもないと思ってたんですけど、大丈夫じゃなかったんですね(笑)。
*この対談の完全版は 2024年1月4日(木)発売の『週刊プレイボーイ』3・4合併号にて、お二方の写真付きカラーページに掲載いたします。今回の対談映像も同チャンネルにて1月4日0時配信します。乞うご期待!
神谷明、宮野真守の声入り! 2024年放送TVアニメ『キン肉マン完璧超人始祖編』最新PV
神谷明 Akira KAMIYA
1946年生まれ、神奈川県出身。1970年のデビュー以来、現在も第一線で活躍を続ける声優界のレジェンド。『キン肉マン』(83年)初代キン肉マン役をはじめ、『北斗の拳』(84年)ケンシロウ役、『シティーハンター』(87年)冴羽獠役など代表作は数知れず
宮野真守 Mamoru MIYANO
1983年生まれ、埼玉県出身。劇団ひまわりにて幼少期から演技をはじめ、2001年声優デビュー、08年には歌手としてもメジャーデビューと多方面に才能を発揮。声優としての代表作は『DEATH NOTE』(06年)夜神月役、『鬼滅の刃』(19年)童磨役など多数
新キン肉マン・宮野真守×初代キン肉マン・神谷明対談!!(完全版)も掲載されている『週刊プレイボーイ』3・4合併号は、
2024年1月4日(木)発売!!
●2024年放送開始! アニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編公式サイト
アニメーション制作:Production I.G
キン肉マン:宮野真守 キン肉真弓 プリンス・カメハメ:神谷明
原作:ゆでたまご(集英社『週刊プレイボーイ』・『週プレNEWS』連載中)
監督:さとう陽 シリーズ構成:深見真
キャラクターデザイン:丸藤広貴 音楽:高梨康治