撮影協力/株式会社SEGA、株式会社GENDA GiGO 秋葉原3号館 Retro G 撮影協力/株式会社SEGA、株式会社GENDA GiGO 秋葉原3号館 Retro G

さまざまなメディアで話題を振りまくひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームや今のゲーム業界について、じっくり語る連載コラムだ。

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■『ウマ娘』はなぜヒットしたか

ゲームの人気ジャンルのひとつに、育成シミュレーションというのがあります。『ダービースタリオン』や『プリンセスメーカー』シリーズといった競走馬や美少女を育成するのは古くから人気ですし、サッカーや野球などの選手育成からスポーツチームそのものを運営するタイトルも育成シミュレーションと呼ばれています。

これらは各種パラメーターを強化することでゲームを有利に進行できるのが特徴で、例えば野球選手の育成シミュレーションなら【ミート】と【長打力】を異様に強化すれば最強のホームランバッターを育成できるわけです。

育成シミュレーションにおける"各種パラメーターを強化"という要素は課金との相性が良く、なので現在ではソシャゲの主力ジャンルでもあります。中でも人気なのが『ウマ娘 プリティーダービー』だったりします。

ウマ娘は擬人化された競走馬を育成するゲームで、『ダービースタリオン』と『プリンセスメーカー』のおいしいとことをミックスしたことでヒットしました。登場する各種パラメーター、競走馬の種類も豊富という部分でもソシャゲとの相性は良いのです。

■"擬人化"育成シミュレーションの可能性

ここで僕が疑問に感じるのが「なんで競輪の育成シミュレーションはないの?」ってことです。競馬と同じぐらい認知度あり、そもそも競馬と一緒で競輪好きの人も課金が大好きなはずなんですけど、競輪をテーマにした普通のレースゲームすら思い浮かびません。

ただ、ちょっと考えると競輪を育成シミュレーションにすると"おっさん選手を育てるだけ"だったり、"自転車を美少女に擬人化"も、想像するとちょっと不気味なビジュアルが頭に浮かびます。

一方、競艇はボートを艦これのように擬人化すればチャンスはあるのかなと思ったりしています。ボートは水上で活躍する物なので、ウマ娘よりも水着キャラを作りやすく、キャラのビジュアル面でも課金要素を増やせるメリットもあります。

ある程度、一般的に認知度の高いものに目をつければ、今後もソシャゲ界での擬人化コンテンツの大ヒットはある気がします。ただ、それが話題になっても僕はまったく遊ばないでしょう。なにせ、ウマ娘すらインストールしていませんから。

●ひろゆき(西村博之) 
1976年生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『考えて生きる~合理性と好奇心を併せもつ~』(成毛眞氏との共著、集英社)など。

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