撮影協力/家電のケンちゃん 撮影協力/家電のケンちゃん

さまざまなメディアで話題を振りまくひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームや今のゲーム業界について、じっくり語る連載コラムだ。

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■見落とされた「インディーゲーム」という鉱脈

日本のゲーム業界では大手メーカーが制作する"シリーズ物"が人気の上位です。そして、ユーザーはPS5やNintendo Switchなどのゲーム専用機でシリーズ作品を楽しんでいたりします。

一方、海外では2000年代前半から「インディーゲーム」と呼ばれるゲーム文化が人気です。大手メーカーに属さないクリエイターたちが低予算ながら、これまでのシリーズ物にはない独自のゲームシステムやキャラクターを生み出して、それがユーザーに受け入れられています。

現在ではインディーゲームのほとんどが「Steam」から配信され、ユーザーはPCでそれらを楽しんでいます。ゲーム専用機主流の日本と違い、海外ではPCでゲームを遊ぶ文化が根付いているのも、インディーゲームが人気になった理由のひとつだったりします。

当初、多くの日本メーカーは「インディーゲームってなんですか?」という感じで知らないフリを貫き、シリーズ物の制作を継続していました。そんな中、インディーズからはマイクラ(『Minecraft』)のような超ヒット作が生まれてしまったのです。

ここ最近は、中国のゲームメーカーの躍進による日本のゲーム業界の衰退が話題になっています。しかし、衰退の理由はそれだけではなく、世界中で注目されるインディーゲームの存在から目を背けつつ、シリーズ物に注力しすぎたのも現在の状況につながっているのかなと思ったりしています。

■無名なゲームクリエイターの一攫千金チャンス

そんなインディーゲームで僕が傑作だと思っているのが『Her Story』です。【警察の取り調べ映像】という設定の実写ビデオを何本も見続けるゲームなんですけど、これって話だけ聞くともはやゲームとして成立していませんよね(笑)。

でも、ビデオを繰り返し視聴すると【事件の内容】や【隠されたトリック】がだんだんと判明するシステムになっているんです。はっきりとしたエンディングのないゲームですけど、自分の中で事件のシナリオからトリックまでを組み立てることができるという独自のおもしろさがあります。

このようなビデオを見ているだけで誰もが納得するエンディングもなく、あらゆる部分がプレイヤー任せというゲームは大手メーカーには作れません。

インディーゲームは良い意味で雑な部分が多く、それが大手のゲームにはない要素としてユーザーには寛容に受け入れられるのも特徴です。

もし、大手が『Her Story』のようなゲームを作るとしても雑な部分は徹底して取り除かれ、ハリウッドの有名俳優や脚本家を起用して膨大な制作費となります。これだと失敗したときのリスクが大きいので、収益の安定したシリーズ物を作りがちとなってしまうのです。

なので、インディーゲームは無名のゲームクリエイターにとっては、大手にはできない独自のアイデアで一攫千金のチャンスがあります。プロモーションの方法も大手にはなかなかできないものをやってみたり。例えばクリエイターたちがゲームの制作過程を実況配信してみるとか。

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