坂口氏がAIで作ったガールズメタルバンド。坂口氏のnote記事では細かな作成過程やフルバージョンのインタビュー、そして楽曲を公開 坂口氏がAIで作ったガールズメタルバンド。坂口氏のnote記事では細かな作成過程やフルバージョンのインタビュー、そして楽曲を公開
あらゆるメディアから日々、洪水のように流れてくる経済関連ニュース。その背景にはどんな狙い、どんな事情があるのか? 『週刊プレイボーイ』で連載中の「経済ニュースのバックヤード」では、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏が解説。得意のデータ収集・分析をもとに経済の今を解き明かす。今回は坂口氏が生成AIを使って、ヘビーメタルバンドを作ってみた。

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エロいアイドルをAIで作って、それに夢中になることはできるだろうか? 私は30年間ほどヘビーメタルという音楽を愛聴している。いまだに週末にライブハウスへ通い続けているほどだ。そこで女性5人組のセクシーなヘビーメタルバンドを最新のAIで作成したいと考えた。

それに現在、生成AIが実務に使えるレベルにあるかが議論されている。なるほど、それなら私がもっとも妥協を許さない趣味で試してみればいい。AI活用の可能性を実感できるはず......。結果は想像以上だった。

「ChatGPT」にコンセプトや背景を与えてバンド名やメンバーのプロフィール、そしてアルバム楽曲のタイトルや歌詞を生成してもらった。次に「DALL・E」でメンバーやプロデューサーの写真を作成。さらに「Suno AI」でポストロックな曲を自動生成した。

バンド名は「Brutal Girls' Metal」で、メンバーは(画像左から)ドラムの翼(つばさ)、バッキングギターの絢音(あやね)、ボーカルの清美(きよみ)、リードギターの陽葵(ひまり)、ベースの 聖良(せいら)だ。

デビューアルバムのタイトルは『Echoes of Rebellion』。メタル好きならきっと笑ってしまうだろう。しかも一曲目は『Rebel's Cry』。そして、Suno AIで作成した楽曲の数々は最高。きっと普通に流れていたらスゴ腕のバンドと思うに違いない。

私がChatGPTに与えた背景は次のとおり。プロデューサーは1978年生まれで洋楽にかぶれ、マニアックな音楽に傾倒。バンドでデビューしたものの売れずに年齢を重ね、大衆を恨み、そこからひたすら売れる音楽だけを追い求め、世界に復讐(ふくしゅう)しようとする。そして、ボーカルの清美は地下アイドル「少女ノコギリ」出身の26歳。キモオタばかりを相手にし、芽が出ず加齢したことに危機感を覚えていた。そこで売ることだけに魂を売ったガールズメタルバンドでの成功を誓ったのだ。

ヘビーメタルが本来そうであったように、バンドとはドロップアウトした中産階級の逆襲の別名にほかならない。

とまあ、こんな背景をChatGPTに読ませると、怨恨(えんこん)の塊のような曲名が次々に出てきた。メタル音楽評論家のライナーノーツやプロデューサーが記した檄文(げきぶん)なども生成してもらった。評論家の名前は「玉木"MAD"隆」だそうだ。安い原稿料で書いてそう(笑)。声を出して笑った。ChatGPTは意地悪ですごくいい。<『Echoes of Rebellion』は、単なるデビューアルバムではなく、新しい音楽的潮流の到来を告げる咆哮(ほうこう)だ>といった陳腐な文章も、メタルライターっぽくていい。

そして私は「週刊プレイボーイでのインタビュー」もChatGPTに作成させてみた。「読者にメッセージをよろしくお願いします」「週刊プレイボーイの読者の皆さん、こんにちは。バンドBrutal Girls' Metalの清美です。私たちの音楽は、常に挑戦し、成長し続けることを目指しています。全力で活動してまいります」だって。

AIでバンドを想像・創造する可能性は無限大だ。アルバム収録の全10曲や、ロングインタビュー、その他膨大な内容は私のnote(https://note.com/fpri/n/ne81a03607b29)で確認が可能。AIバンド時代の到来だ。

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坂口孝則

坂口孝則Takanori SAKAGUCHI

調達・購買コンサルタント。電機メーカー、自動車メーカー勤務を経て、製造業を中心としたコンサルティングを行なう。あらゆる分野で顕在化する「買い負け」という新たな経済問題を現場目線で描いた最新刊『買い負ける日本』(幻冬舎新書)が発売中!

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