『ANIMAX MUSIX』は"アニメミュージックの魅力を世界へ"をコンセプトに2009年にスタート。その15周年を記念して2024年3月30日(土)に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される『Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING』は、豪華出演アーティストによる"コラボ"が大きな特徴の"アニメミュージック"LIVEだ。今回、このイベントに出演するオタク歴30年以上のニッポン放送の吉田尚記氏と、声優・アーティストの大橋彩香さんにイベントへの意気込み、アニメミュージックについて話を聞いた。
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――『ANIMAX MUSIX』は今年で15周年を迎えました。
吉田 2009年ってデビューしていました?
大橋 していないです。
吉田 アニメミュージックイベントにも行っていませんでした?
大橋 『マクロスF』や『機動戦士ガンダム00』、『コードギアス 亡国のアキト』などの作品イベントには行っていました。
吉田 ゴリゴリの現場系じゃないですか(笑)。実は2009年頃って集客力があるということで、アニメイベントがたくさん始まった時期だったんですよ。そこから15年を経て、志のあるイベントは残っていまだに続いていますし、なんとなく「アニメソングのイベントはお客さんが集まるから」という数合わせでやっていたイベントは終了してしまいました。
大橋 たしかにアニメファンから信頼あるイベントは残っている印象です。
吉田 見ていてわかりますよね。イベントの最後にみんなで歌う曲ってあるじゃないですか。どんな曲が選ばれるかで、そのイベントの思想が見えるんですよ。
大橋 あぁ、たしかに。それにイベントのスタッフさんの熱量も違いますよね。演出にかける思いとか。
吉田 そうそう。
――大橋さんは声優アーティストとして活躍されていますが、アニメミュージックの重要性って何だと思いますか?
大橋 アニメを見始めて、オープニング曲が流れるとテンションは上がりますし、エンディング曲が流れるといろいろな感情に浸れるということから、すごく大切な役割です。私自身がアニメファンでもあるので、アニメミュージックのイベントに参加してテーマ曲が流れると、頭の中に名シーンがよみがえってきますし、アニメシーンを流しながら歌うときもあるので、すごく楽しいです。最近、アニメのテーマ曲って声優さんが歌うだけじゃなくて、他のアーティストさんが担当されることが増えましたし。
吉田 曲のチャートにアニメミュージックが増えたのは、超メジャーアーティストが、アニメをリスペクトして作品のことを理解して作るようになったからだと思います。米津玄師やOfficial髭男dism、YOASOBIなどなど、メジャーアーティストですけど主題歌のアニメの理解度がとても高いですよね。
――大橋さん、6月から海外ツアーにも行かれますが、ファンの方の反応はいかがですか?
大橋 海外ファンも日本の方と変わらず、熱量が高いです。日本語でコールもしてくれるので、国は違えど、応援してくださるのは本当にうれしいです。
吉田 アニメミュージックのイベントには、普通に海外の方もたくさんいらっしゃいますから。みんな、日本語で歌っていますし。大橋さん、重要さをわかった上で、アニメの主題歌を歌いたいと思っていました?
大橋 自分に務まるのか不安はありましたけど、実際にアニメの映像に自分の歌が流れているのを見たら、すごく感動しました。最初に歌ったのは「さばげぶっ!」という作品の『YES!』という曲なんですが、いまだにイベントとかで歌わせていただくと、知っているファンが一緒に歌ってくれるんです。
――ファンにはたまりませんね!
吉田 大橋さんと言えば、鵜野うずめ名義で歌っている「ファンタジスタドール」の『今よ!ファンタジスタドール』を世界で活躍するDJがリミックスしたのは有名ですよね。
大橋 えっ!? 知らない......。
吉田 DJマイク・ヴァン・ダイクがリミックスを発表したときに、世間一般の人は「何の曲だろう?」という感覚だったと思うんですけど、アニメミュージックをかける秋葉原の『MOGRA』のクラブDJたちだけが『今よ!ファンタジスタドール』がリミックスされているって気づいて。アニメミュージックってとんでもないところまで届いているんだって話題になったんですよ。
大橋 えーーー!? そうだったんですね。それはすごくうれしいです。
――これからアニメミュージックってどうなっていくんですかね?
吉田 アニメミュージックファンってカッコいいから聴いているわけではないんです。楽しいから聴いているので土着的なんですよ。だから先が読めない。他のジャンルとは違う力強さがあるんですよ。アニメミュージックって90秒の縛りがあるのは知っていました?
――知らなかったです。
吉田 枠は90秒ですが、音響のルールで曲の始まりと終わりに0.5秒の無音をつけなくてはいけないというものがあって、そのため89秒で制作されるんです。 この89秒という制約の中で制作されるのがアニメソングの大枠の決まりということになっているんですよ。
――初めて知りました。90秒の枠の中で印象に残るというか、話題になる曲を作るのは大変ですね。3月30日の『Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING』では90秒の縛りの中で話題になった曲が流れるということですね。
吉田 年に1回開催するだけでも大変なことなのに、前回から半年も経っていないのにもう開催するANIMAXさんの気合いがスゴすぎますよ。
――15周年なので(笑)。
大橋 以前、1日に2回開催したときもすごかったですよね(笑)。いつも思うんですけど、アニメミュージックファンの底なしの体力は尊敬します。
吉田 それはホントにすごいと思う。長丁場のイベントを盛り上がったあとに、仲間同士でカラオケに行ったりするらしいから。
大橋 えっ!? 体力ありすぎますよ(笑)。
吉田 ホントに尊敬するよね(笑)。
吉田 司会の意気込みってなんですかね!?(笑)。ファンの方たちには申し訳ないですけど、司会もやりますが舞台袖の特等席で観させていただきます。
大橋 裏ではなく、袖ですか!(笑)。
吉田 司会じゃなくても自分でチケットを買って行っていたと思うので、仕事で行けるのはラッキーです(笑)。約20年ぶりの最新作で話題の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の主題歌を担当する西川貴教さんとは、普通にアニメの話もするので楽しみにしています。
大橋 私自身、アーティストデビュー10周年を迎えたので、集大成を見せたいと思います。今回、16組のアーティストさんを見せていただくので、触発されてリハーサルでは見せていなかったパフォーマンスが出たりする可能性もあるので私自身もどうなってしまうのか楽しみです(笑)!
吉田 こういったアニメミュージックイベントではウチの推しを他のファンに見てほしいって謎の空気があるんですよ。他のファンに見せつけたいという(笑)。
大橋 そう聞くとプレッシャーが(苦笑)。当日は自信を持って自慢できるパフォーマンスをしなくては(笑)。
◎「ホリデースペシャル ANIMAX presents 吉田尚記のオタクガストロノミー」
本イベントの開催を記念して、大橋彩香さんをゲストに迎えた「ANIMAX presents 吉田尚記のオタクガストロノミー」(ニッポン放送)の公開収録の模様が3月20日(水・祝)14時より放送されます。
◎『Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING』
【開催日時】2024年3月30日(土)・開場:12:30 開演:14:00 終演予定:20:00
【会場】武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
【出演アーティスト】
<15th Anniversary Special Artist>茅原実里、西川貴教、May'n
i☆Ris、石原夏織、伊藤美来、大橋彩香、GRANRODEO、サンドリオン、JUNNA、芹澤 優 feat. MOTSU、富田美憂、フィロソフィーのダンス、fripSide、岬なこ、やなぎなぎ(※五十音順、敬称略)