4月8日より放送が開始されたテレビ東京開局60周年記念ドラマ『95(キュウゴー)』(主演/King & Prince・高橋海人)に出演。1995年の東京・渋谷を舞台にした同作で、援助交際をしている金髪ギャルの女子高生役を演じているほか、若手俳優の発掘・育成プロジェクト「私の卒業」第5期・映画『こころのふた~雪ふるまちで~』のメインキャストにも抜擢されるなど、今、ひときわ注目を集めているのが彼女だ。
まさに今、北の大地から大舞台へと羽ばたこうとしている逸材を、週プレNEWSで初取材。ピュアでまっすぐな言葉から、彼女の未来を感じてほしい。
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■ドラマ「95」の"援交ギャル"、実はこんなコでした
――現在放送中の話題のドラマ『95(キュウゴー)』は、1995年の東京・渋谷を舞台にした青春群像劇。放送当日は「ノストラダムスの大予言」「地下鉄サリン事件」など、当時を思わせるキーワードが複数トレンド入りしていました。その中で阿部さんは、金髪の"援交ギャル"を演じていらっしゃいます。
阿部 「地下鉄サリン事件」という世間を揺るがす大事件が起こった当日に、事件のことなんて知らん顔で渋谷で援助交際をしている女子高生の役でした。放送前から注目されているドラマに出演できて、とてもうれしいです!
――濃いめのファンデーションに、つけまつ毛を重ねづけするなど、派手めなビジュアルで出演されていましたが、素顔とはずいぶん印象の異なりますね(笑)。
阿部 人生初の金髪です! 自分でも誰だか分からなくなるくらい、見た目が変わって面白かったなぁ(笑)。それに今は華やかな色味のリップが人気ですけど、当時のギャルたちの間では薄めの色が流行っていたと聞いてビックリ。ルーズソックスも、脱ぐとこんなに伸びるんだって、驚きの連続でした。
――"援交"という言葉も久々に聞いた気がします。なかなかスゴい役どころですね。
阿部 "援交"に関する知識が皆無だったので、お父さんほど歳の離れた男性とホテルに行ってしまう女のコの心理については、自分なりにいろいろと調べて撮影に臨みました。第二話(4月15日放送)では、よりその成果が出ていると思います。みなさんをビックリさせちゃうかもしれないけど......期待していてほしいです!
――どんなお芝居が見られるのか楽しみです! さて、阿部さんといえば、若手俳優の登竜門として知られる「私の卒業」プロジェクト・第5期のメンバーに選出。同プロジェクト制作の映画『こころのふた~雪ふるまちで~』では、メインキャストに抜擢されています。
阿部 「私の卒業」プロジェクトでは、オーディションで1037名の応募者から22名が選出されたあと、さらに10日間のワークショップ審査がありました。お芝居の基本を丁寧に教えていただくなど、とても学びのあるワークショップでしたが、それ自体が映画のメインキャスト7名を選ぶためのオーディションでもあったので、現場の緊張感もハンパなくて、スゴく刺激的でした。
――最後の最後まで、誰がメインキャストに選ばれるか分からないままワークショップに参加していたと。
阿部 みんな常に悩んでいる様子でしたね。もちろん、私にも悩む瞬間はありましたけど、周りのみんなほど、精神的に追い詰められることはなかった気がします。むしろ、同じ夢を追う同世代の俳優さんたちとお芝居に取り組める楽しさのほうが勝っていました。「私、こんなに楽しんでいて大丈夫かな?」と思ったくらいです(笑)。
――みんなが緊張するような場面でも楽しめちゃうなんて! スゴいですね。
阿部 どちらかというと、一歩引いたところから客観的に自分を見つめるタイプなのかもしれないです。メインキャストに選ばれたい気持ちはあったものの、最後の最後まで、「この役はこのコが合うんじゃないかな~」って。意外と冷静でしたね。
――では、メインキャストに選ばれたときのお気持ちは?
阿部 私、いちばん最後に名前を呼ばれたんですよ。「えっ、本当に"阿部凜"ですか?」って。うれしさ半分、みんなが頑張ってきたことを知っている分、プレッシャーも感じましたね。私が演じる峰村由香ちゃんは、明るくて前向きな性格の女のコ。ちょっぴり恋に悩んじゃうけど、見ているだけで元気がもらえる役だと思うので、是非、映画館で見てもらいたいです!
■TEAM NACSの背中を追いかけて
――改めて、デビューまでの経緯を教えてください。もともと女優さんには憧れが?
阿部 ありました。小学生の頃から、お家でドラマを見るのが大好きだったんです。内気でインドアな子どもだったので、ひとり、物語の世界に没入できる時間が楽しくて仕方がなかったんでしょうね。
本格的に女優さんになりたいと思ったのは、中学生の頃に園子温監督の映画『ヒミズ』(2012)を見たのがきっかけ。主演を務めていた二階堂ふみさんの"人柄がそのまま役に表れているような自然なお芝居"に引き込まれたんです。まずはできることから始めてみようと、高校にあがったタイミングで札幌美少女図鑑に所属。ポートレートのお仕事のほか、地元のCMや短編映画などに出させていただくようになったのが、芸能活動の始まりですね。
――憧れの二階堂さんも沖縄の美少女図鑑出身ですもんね。現在は、大泉洋さんや安田顕さんらによる演劇ユニット「TEAM NACS」が所属する北海道拠点の事務所・CREATIVE OFFICE CUEに所属されています。
阿部 道民として、TEAM NACSさんには昔から憧れがありました。「私も北海道出身の女優としてココで頑張ってみたい!」と決意したちょうど2日後、事務所の創業30周年を記念したオーディションが始まったんです。しかも新人募集は約7年ぶり。運命かと思いました! すぐに応募して、高校卒業直前に所属が決まりました。
――マネージャーさんからうかがいましたが、TEAM NACSのみなさんからはとてもかわいがられているのだとか?
阿部 えーっ、どうなんでしょう(照)。みなさんとは事務所主催のイベントなどでお会いさせていただきますが、誰に対しても本当にお優しいんですよ。それに、お芝居が素晴らしいのはもちろんのこと、バラエティでは飾らない姿勢で笑いをとって、画面越しにも親しみがある。お話しさせていただくたびに「私もこんなふうになれたら良いなぁ」って、憧れが増すばかりです。私も、お芝居だけじゃなく、バラエティや音楽活動にも興味があるので、TEAM NACSさんのようなマルチな活躍ぶりはまさに目標とするところです!
マネージャー 以前、事務所のファンクラブイベントで、凜がちょっとした進行役を任されたんです。まだ若いにもかかわらず、終始、明るく面白く取り仕切っていた姿を、TEAM NACSのメンバーが褒めていました。愛嬌があって、素直で、誰からも愛されるタイプなのは間違いないと思います。
阿部 うれしい~! ありがとうございます! 以前、安田顕さんに言われたんです。「お父さんやお母さん、誰でもいいから、身近にいる誰かが少しでも喜んでくれることを続けていきなさい」って。私たちのお仕事は、世間の多くの人たちに届けるものだけど、目の前にいるスタッフさんやいつも支えてくれている家族、事務所の方々など、身近な人たちを喜ばせる気持ちが何より大事なんだよってことですよね。そこを疎(おろそ)かにしていちゃ、画面の向こう側にいるみなさんに感動を届けられるはずがない。だから現場では、「かわいいね」よりも「おもしろいね」って言われるほうがうれしいです(笑)。
――TEAM NACSのみなさんにしてみれば、娘のようにかわいい存在なんでしょうね。先輩方のマインドを受け継ぎ、女優の枠を超えてマルチに活動される日が来るのを期待しています! 最後に、阿部さんのプライベートについても教えてください。お休みの日は何をされることが多いですか?
阿部 基本、家に引きこもって映画やドラマばかり見ています。人見知りではないんですけど、友達もあまり多いほうではなくてですね......。あとは、歌を歌うことが好きです。小学生の頃、母親とカラオケに行く機会が多かったんです。十八番は、尾崎豊さんの『Forget-me-not』と小林明子さんの『恋に落ちて』。懐メロ大好きなんですよね~! TikTokにも歌の動画をあげているので、是非見てみてください!
●阿部 凜(あべりん)
2004年5月4日生まれ 北海道出身 身長 156cm
趣味=料理、映画・ドラマ鑑賞
特技=歌、油絵、ピアノ
◯高校3年生より「札幌美少女図鑑」で活動を開始。2022年より、TEAM NACSが所属する北海道を拠点とする芸能事務所・クリエイティブオフィスキューに所属。「私の卒業」第5期・映画『こころのふた~雪ふるまちで~』が3月29日より新潟のユナイテッド・シネマ新潟にて公開中(6月14日より東京・ユナイテッド・シネマ豊洲でも公開予定)。4月10日~21日、シアター・アルファ東京にてポップで奇妙な短編集・舞台「な女」にもメインキャストで出演(出演日は11日、12日、14日)。今後の活躍にも期待!
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